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第一章 始まり
世界を知り、これが転生だと気づく
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~翌朝~
・・・と、願ったものの次の日になっても一向に目が覚めない。そもそも明晰夢にしては臨場感があり過ぎる。ならば夢以外で捉えるべきではなかろうか?例えば宇宙人にさらわれて子ウサギに改造されたとか?いやいや、それこそありえない。記憶を辿っても知らない男に胸を刺されたところまでしか覚えていない。
結局のところ、この謎の生物達の正体をつきとめない限りどんなに思考を巡らせてもただの堂々巡りだ。今のところ自分に危害を加える様子は見られないし、ならば従順にしているのがベストだろう。ほっといてもあっちは身動きの取れない俺の世話してくれる。
現に今、俺は羊っぽい生物におしめを変えられている。よもやこの年になって他人にケツを拭かれることになろうとは恥の極みである。だが今は耐えるんだ兎卿。よく観察していればきっと不思議生物の正体も見えてくる。
まずは言葉から、相手の反応や仕草から何がどの言葉に相当するか当てはめて、いずれコミュニケーションを取れるようにしよう。
こうして俺の異世界探求は始まった。
~そして10年後~
魔法少女レポートその1(改訂)
魔法少女に新たな属性を確認、新種と名付けることにする。
獣人(ファーリー)
格闘(ケンプファー)
聖女(シスター)
機械(マキナ)
妖艶(ハニー)
召喚(ルーラ)
砲撃(スレイヤー)
新種(ミュウ)
邪道(イェーガー)
騎士(シュバリエ)
変身(レイヤー)
怪盗(シーフ)
妖魔(ファントム)
これで13属性だ。
晴天の空に雷鳴が轟く、空を裂くような炸裂音、ゴロゴロと余韻を残し、間隔を開けてはまた雷鳴が鳴る。
ドォォン!ゴロゴロゴロ・・・
ドォォン!ゴロゴロゴロ・・・
ここは軍の演習場、そして緑の平原に横一列で並ぶのは年端もいかない少女達、ヴァニル帝国軍が誇る魔法少女である。彼女達が次々に雷魔法を放っていく。
魔法名“ボルト”カテゴリーC+の中級魔法だ。それをこの見晴らしのいい丘から見物させてもらっている。
俺は黒いノートを閉じた。
あれから10年、俺の異世界探求はまだ終わっていない。色々調べた結果、これが異世界転生だと気づくまでに2年、それを受け入れるまでに3年、そしてこのティルナノーグと言う世界を理解するまでに5年の月日を要した、今ではこんな立派な少年・・・もといウサギに成長している。
まず言葉を覚えることから始めたがそれはなかなかに骨が折れることだった。色々と話しかけられたものの何を言っているのかさっぱり。ただ必ず『バニィ』と言う発音が先頭にあったのでそれが自分の名前であろうことはすぐに理解する。そして半年が過ぎる頃には片言だがこの奇妙な生物達とコミュニケーションをとる事に成功した。
「チチウエ、ハハウエ・・・コトバ・・・オボエタイ」
こんな赤ん坊がいるだろうか?今でも母上は俺が何を考えているか分からないと気味悪がる。昔からそういう性格なのだ、ほっといてほしい。
だが人間やればできるもの、俺は1歳にしてノルド語を完全にマスターする。両親にやれ天才だのやれ逸材だのもてはやされながら、ここがティルナノーグと言う異世界であること、自分はその中の一国、ヴァニル帝国に身を置いていること、文明が中世西洋に近いこと、そして人間が存在することを知る。今俺がこうして見降ろしている魔法少女達、それこそがこの世界の人間だ。そして我々妖精はその魔法少女を戦争の道具、チャイルドソルジャーとして運用している。
「よう、バニィ。こんなところで何してんの?お、そのノート」
振り向くとそこには一匹のシャム猫がいた。ハンチング帽を片耳にかぶり、蝶ネクタイにベスト、ニッカボッカを履いた・・・ようするにイギリス紳士のゴルファーファッションである。名をシャム、俺が通うトリルハイム幼年学校の同期生である。
シャムはニヤニヤしながら俺に近づいてくる。
「ふぁ~り~、けんぷ・・・えぇ~なんだっけ?今でも魔法少女には属性があるなんて信じてんのかよ?言っとっけどそれ全部お前の妄想だから。センコーも言ってんぜ、たかだか12属性の掛け合わせで全ての魔法少女がカテゴライズできる訳ないってな」
「全13属性だ、今日新たに新種の属性を確認した」
「みゅう?・・・ニャハハハハ、また妄想膨らんでやがんの、相変わらず痛いねぇお前。頭良いけどバカ、そんで顔はイケてるけどセンスはねぇ、マジ笑うぜ」
その言葉、そっくりそのまま返してやりたい。今なら地動説を唱えたガリレオの気持が分かる、きっと彼も俺と同じ思いだっただろう。
魔法少女には確かに属性が存在する、そして相性がある、それがこれだ。
※相性表
獣人 格闘 聖女 機械 妖艶 召喚 砲撃 新種 邪道 騎士 変身 怪盗 妖魔
獣人 〇 △ ○ ○ △
格闘 △ △ ○ ○ △
聖女 △ △ ○ △ × ○ ○
機械 ○ △ ○ ○ △ △ ×
妖艶 ○ × △ ○ ○ △
召喚 ○ △ △ △ ○
砲撃 〇 △ ○ △ ○ ○ △
新種 △ ○ △
邪道 ○ ○ △ ○ △ ○ △ × △ 〇
騎士 △ △
変身 △ ○ △ △ ○
怪盗 〇 △ △ ○ △ △
妖魔 △ × △ △ ○ ○ ×
相性はメイン属性×サブ属性で決まる。メインとは目に見えて分かる属性、サブとは目に見えない属性だ。一見同じ獣人に見えても一方は召喚や邪道に弱く、一方は耐性があったりする。これは獣人×獣人、獣人×機械の違いだ。この法則をこの世界の住人は理解できないらしい、たまたま耐性のある魔法少女、たまたま耐性のない魔法少女、その程度の認識でしかないのだ。
もっとも俺はこの法則を公に発表するつもりはない、今のところは・・・だ。
なにせ未だ天動説を信じる連中だ、どこぞのウサギが騒いだところでガリレオのように握りつぶされるのが落ちというもの。それにこれは俺にとって大きな武器でもある、この法則に乗っ取れば戦争の常識は大きく変わる。北の大国レーテ連邦とも、海の向こうのアトランティス州国家とも互角に戦えるだろう。まぁそれは俺が軍の将校になれたらの話だが。
「ところでようバニィ、今日のギルド試験はどうだった?」
「まぁまぁだな」
「まぁまぁ?どうせまた満点なんだろこの嫌味野郎。天才のくせに謙遜すんなよ」
天才?俺はいたって凡才だ。ただ中身が大人と言うだけ、なんならこれから学ぶことを全部教えてやろうか?微分積分・因数分解、国語・数学・理科・社会、経済学・帝王学、これからお前たちが千年かけて到達するであろう知識まで俺は学んでいるのだ。それを天才とは片腹痛い・・・と俺は心の中で思う。
「で、明日はいよいよ実技試験だな。今まで育ててきた魔法少女の出来で合否が決まる。例え筆記が満点でも実技が0点なら落第、全ての点数が平均65点以上なら合格。俺達貴族の子にとっちゃどこのギルドに所属するかで今後の人生を大きく左右する。もう魔法少女の調整は済んだかよ?」
「ああ、万全だ」
「レベルは?」
「1だ」
「ニャハハハハハ!今、何て言いました?1?レベル1ですか?全然育ってねぇ!ニャハ、ニャハ、ニャハ・・・俺を笑い死にさせる気かよバニィ」
いつか見返してやりたい。
「最低でもレベル20にはしておかないと合格できないぜ。ちなみに俺の魔法少女、シャノワールは
【レベル】28
【LP】985
【MP】1608
【腕力】188
【熟練】187
【素早】214
【魔力】190
【ユニークスキル】野生レベルⅢ・隠密レベルⅢ
二つ名は≪獣王≫、苦手なMPと魔力を克服して死角は無いぜ!」
俺は耳を疑った。待て!確かシャノワールは属性【獣人×怪盗】、成長性【格闘+】の魔法少女。格闘タイプなのに魔法を鍛えるとは何事か!?
まあ怪盗種は物理魔法を覚えないからそれで魔力を鍛えたのかもしれないが、一応メイン属性の獣人種が中級の物理魔法を覚えるのだからそちらに重点を置くべきである。それにスキルだって恵まれている。野生も隠密も回避+のスキル、素早さを上げていれば今頃超回避型の魔法少女になっていたものを・・・
権力に物を言わせて手に入れたこんな才ある魔法少女をこうも育て潰すとは誠に遺憾、もったいない。
「シャム、確か二つ名はエースしか名乗れない筈だろ?ギルドで言えば上位ランク10位までだ」
「良いんだよ、どうせすぐにランク入りするんだから。ま、明日はお互いベストを尽くそうな。それよりもさ、俺これから親父んところにスパーしに行くんだけどお前も来る?」
「シャムの父親?」
「そう、ペルシャ・シャルティエ=キャスリバーグ辺境伯、誇り高き祖国の英雄だ。今この演習場に来てる。お前、練習相手いないだろ?同郷のよしみで誘ってやるよ」
「いや、いい。スパーリングで体を壊しでもしたら明日の試験元も子もないからな」
「チッ、つき合い悪ぃな、だからいつまで経ってもレベル1なんだよ。魔法少女は集めて楽しい、飾ってうれしいコレクションじゃねぇんだ、立派な兵器だ、戦わせてなんぼなんだよ。そんな風にずっと閉まってたらお前ん家マジで取り潰しになっちまうぞ」
そう言うとシャムは顔を風船のように膨らませて行ってしまう。
取り潰しか・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者のもみじです。
若気の至りで書いたものですがここまで読んでくださってありがとうございます。
エクセルで作った相性表をコピペしているのでちゃんと表示されているかちょっと不安です。
属性の〇が二つ重なると4倍ダメージとか×は無効など見方はあの大人気ゲームと一緒、唯一違うところは△が二つ重なると無効になります。
しかしいつ見ても痛いですね、相性とかネーミングセンスとか・・・(苦笑
お恥ずかしい限りです。
・・・と、願ったものの次の日になっても一向に目が覚めない。そもそも明晰夢にしては臨場感があり過ぎる。ならば夢以外で捉えるべきではなかろうか?例えば宇宙人にさらわれて子ウサギに改造されたとか?いやいや、それこそありえない。記憶を辿っても知らない男に胸を刺されたところまでしか覚えていない。
結局のところ、この謎の生物達の正体をつきとめない限りどんなに思考を巡らせてもただの堂々巡りだ。今のところ自分に危害を加える様子は見られないし、ならば従順にしているのがベストだろう。ほっといてもあっちは身動きの取れない俺の世話してくれる。
現に今、俺は羊っぽい生物におしめを変えられている。よもやこの年になって他人にケツを拭かれることになろうとは恥の極みである。だが今は耐えるんだ兎卿。よく観察していればきっと不思議生物の正体も見えてくる。
まずは言葉から、相手の反応や仕草から何がどの言葉に相当するか当てはめて、いずれコミュニケーションを取れるようにしよう。
こうして俺の異世界探求は始まった。
~そして10年後~
魔法少女レポートその1(改訂)
魔法少女に新たな属性を確認、新種と名付けることにする。
獣人(ファーリー)
格闘(ケンプファー)
聖女(シスター)
機械(マキナ)
妖艶(ハニー)
召喚(ルーラ)
砲撃(スレイヤー)
新種(ミュウ)
邪道(イェーガー)
騎士(シュバリエ)
変身(レイヤー)
怪盗(シーフ)
妖魔(ファントム)
これで13属性だ。
晴天の空に雷鳴が轟く、空を裂くような炸裂音、ゴロゴロと余韻を残し、間隔を開けてはまた雷鳴が鳴る。
ドォォン!ゴロゴロゴロ・・・
ドォォン!ゴロゴロゴロ・・・
ここは軍の演習場、そして緑の平原に横一列で並ぶのは年端もいかない少女達、ヴァニル帝国軍が誇る魔法少女である。彼女達が次々に雷魔法を放っていく。
魔法名“ボルト”カテゴリーC+の中級魔法だ。それをこの見晴らしのいい丘から見物させてもらっている。
俺は黒いノートを閉じた。
あれから10年、俺の異世界探求はまだ終わっていない。色々調べた結果、これが異世界転生だと気づくまでに2年、それを受け入れるまでに3年、そしてこのティルナノーグと言う世界を理解するまでに5年の月日を要した、今ではこんな立派な少年・・・もといウサギに成長している。
まず言葉を覚えることから始めたがそれはなかなかに骨が折れることだった。色々と話しかけられたものの何を言っているのかさっぱり。ただ必ず『バニィ』と言う発音が先頭にあったのでそれが自分の名前であろうことはすぐに理解する。そして半年が過ぎる頃には片言だがこの奇妙な生物達とコミュニケーションをとる事に成功した。
「チチウエ、ハハウエ・・・コトバ・・・オボエタイ」
こんな赤ん坊がいるだろうか?今でも母上は俺が何を考えているか分からないと気味悪がる。昔からそういう性格なのだ、ほっといてほしい。
だが人間やればできるもの、俺は1歳にしてノルド語を完全にマスターする。両親にやれ天才だのやれ逸材だのもてはやされながら、ここがティルナノーグと言う異世界であること、自分はその中の一国、ヴァニル帝国に身を置いていること、文明が中世西洋に近いこと、そして人間が存在することを知る。今俺がこうして見降ろしている魔法少女達、それこそがこの世界の人間だ。そして我々妖精はその魔法少女を戦争の道具、チャイルドソルジャーとして運用している。
「よう、バニィ。こんなところで何してんの?お、そのノート」
振り向くとそこには一匹のシャム猫がいた。ハンチング帽を片耳にかぶり、蝶ネクタイにベスト、ニッカボッカを履いた・・・ようするにイギリス紳士のゴルファーファッションである。名をシャム、俺が通うトリルハイム幼年学校の同期生である。
シャムはニヤニヤしながら俺に近づいてくる。
「ふぁ~り~、けんぷ・・・えぇ~なんだっけ?今でも魔法少女には属性があるなんて信じてんのかよ?言っとっけどそれ全部お前の妄想だから。センコーも言ってんぜ、たかだか12属性の掛け合わせで全ての魔法少女がカテゴライズできる訳ないってな」
「全13属性だ、今日新たに新種の属性を確認した」
「みゅう?・・・ニャハハハハ、また妄想膨らんでやがんの、相変わらず痛いねぇお前。頭良いけどバカ、そんで顔はイケてるけどセンスはねぇ、マジ笑うぜ」
その言葉、そっくりそのまま返してやりたい。今なら地動説を唱えたガリレオの気持が分かる、きっと彼も俺と同じ思いだっただろう。
魔法少女には確かに属性が存在する、そして相性がある、それがこれだ。
※相性表
獣人 格闘 聖女 機械 妖艶 召喚 砲撃 新種 邪道 騎士 変身 怪盗 妖魔
獣人 〇 △ ○ ○ △
格闘 △ △ ○ ○ △
聖女 △ △ ○ △ × ○ ○
機械 ○ △ ○ ○ △ △ ×
妖艶 ○ × △ ○ ○ △
召喚 ○ △ △ △ ○
砲撃 〇 △ ○ △ ○ ○ △
新種 △ ○ △
邪道 ○ ○ △ ○ △ ○ △ × △ 〇
騎士 △ △
変身 △ ○ △ △ ○
怪盗 〇 △ △ ○ △ △
妖魔 △ × △ △ ○ ○ ×
相性はメイン属性×サブ属性で決まる。メインとは目に見えて分かる属性、サブとは目に見えない属性だ。一見同じ獣人に見えても一方は召喚や邪道に弱く、一方は耐性があったりする。これは獣人×獣人、獣人×機械の違いだ。この法則をこの世界の住人は理解できないらしい、たまたま耐性のある魔法少女、たまたま耐性のない魔法少女、その程度の認識でしかないのだ。
もっとも俺はこの法則を公に発表するつもりはない、今のところは・・・だ。
なにせ未だ天動説を信じる連中だ、どこぞのウサギが騒いだところでガリレオのように握りつぶされるのが落ちというもの。それにこれは俺にとって大きな武器でもある、この法則に乗っ取れば戦争の常識は大きく変わる。北の大国レーテ連邦とも、海の向こうのアトランティス州国家とも互角に戦えるだろう。まぁそれは俺が軍の将校になれたらの話だが。
「ところでようバニィ、今日のギルド試験はどうだった?」
「まぁまぁだな」
「まぁまぁ?どうせまた満点なんだろこの嫌味野郎。天才のくせに謙遜すんなよ」
天才?俺はいたって凡才だ。ただ中身が大人と言うだけ、なんならこれから学ぶことを全部教えてやろうか?微分積分・因数分解、国語・数学・理科・社会、経済学・帝王学、これからお前たちが千年かけて到達するであろう知識まで俺は学んでいるのだ。それを天才とは片腹痛い・・・と俺は心の中で思う。
「で、明日はいよいよ実技試験だな。今まで育ててきた魔法少女の出来で合否が決まる。例え筆記が満点でも実技が0点なら落第、全ての点数が平均65点以上なら合格。俺達貴族の子にとっちゃどこのギルドに所属するかで今後の人生を大きく左右する。もう魔法少女の調整は済んだかよ?」
「ああ、万全だ」
「レベルは?」
「1だ」
「ニャハハハハハ!今、何て言いました?1?レベル1ですか?全然育ってねぇ!ニャハ、ニャハ、ニャハ・・・俺を笑い死にさせる気かよバニィ」
いつか見返してやりたい。
「最低でもレベル20にはしておかないと合格できないぜ。ちなみに俺の魔法少女、シャノワールは
【レベル】28
【LP】985
【MP】1608
【腕力】188
【熟練】187
【素早】214
【魔力】190
【ユニークスキル】野生レベルⅢ・隠密レベルⅢ
二つ名は≪獣王≫、苦手なMPと魔力を克服して死角は無いぜ!」
俺は耳を疑った。待て!確かシャノワールは属性【獣人×怪盗】、成長性【格闘+】の魔法少女。格闘タイプなのに魔法を鍛えるとは何事か!?
まあ怪盗種は物理魔法を覚えないからそれで魔力を鍛えたのかもしれないが、一応メイン属性の獣人種が中級の物理魔法を覚えるのだからそちらに重点を置くべきである。それにスキルだって恵まれている。野生も隠密も回避+のスキル、素早さを上げていれば今頃超回避型の魔法少女になっていたものを・・・
権力に物を言わせて手に入れたこんな才ある魔法少女をこうも育て潰すとは誠に遺憾、もったいない。
「シャム、確か二つ名はエースしか名乗れない筈だろ?ギルドで言えば上位ランク10位までだ」
「良いんだよ、どうせすぐにランク入りするんだから。ま、明日はお互いベストを尽くそうな。それよりもさ、俺これから親父んところにスパーしに行くんだけどお前も来る?」
「シャムの父親?」
「そう、ペルシャ・シャルティエ=キャスリバーグ辺境伯、誇り高き祖国の英雄だ。今この演習場に来てる。お前、練習相手いないだろ?同郷のよしみで誘ってやるよ」
「いや、いい。スパーリングで体を壊しでもしたら明日の試験元も子もないからな」
「チッ、つき合い悪ぃな、だからいつまで経ってもレベル1なんだよ。魔法少女は集めて楽しい、飾ってうれしいコレクションじゃねぇんだ、立派な兵器だ、戦わせてなんぼなんだよ。そんな風にずっと閉まってたらお前ん家マジで取り潰しになっちまうぞ」
そう言うとシャムは顔を風船のように膨らませて行ってしまう。
取り潰しか・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者のもみじです。
若気の至りで書いたものですがここまで読んでくださってありがとうございます。
エクセルで作った相性表をコピペしているのでちゃんと表示されているかちょっと不安です。
属性の〇が二つ重なると4倍ダメージとか×は無効など見方はあの大人気ゲームと一緒、唯一違うところは△が二つ重なると無効になります。
しかしいつ見ても痛いですね、相性とかネーミングセンスとか・・・(苦笑
お恥ずかしい限りです。
応援ありがとうございます!
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