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出会い
最後の希望
しおりを挟む20日後
プ―――――――ン、プ―――――――――ン、プ―――――――――――――――ン
ハエが俺たちをばっちいものだと認識して近くを飛び回っている。
だがもはやどうでもいい。
「…誰もこない。」
俺たちは絶望していた。
もう5日近く何も食べてない。
「…お腹すいた。」
「クー、大丈夫だよ、もう少ししたら外に出られるから。そしたら
クーの大好きな金平ごぼう一杯作ってあげるからね。」
「金平、キンピラ…キンピラが一杯…がぶっ。」
「クー、それはキンピラじゃなくて私の尻尾だよ。」
何日か喋ることすらしなかった大剣使いが久しぶりに口を開いた。
「もう…限界よ、やるしかないわプルパンテ…それでダメなら潔く諦めるわ。」
「もー、カエデさんそんな弱音吐かないで下さいよー、ねーっ誠さん♪」
おれは回らない頭で必死に考える、いや…彼女の判断は多分正しい。
これ以上待ったらもう取り返しが付かなくなる可能性がある。
「いや…やろう。プルパンテ、これ以上助けを待つのはもう厳しい…
来ないと考えてもう行動を起こすべきだ。じゃないと手遅れになる…」
「…本当にいいんですか?最後の希望ですよ?」
ニャミスはおっちょこちょいで鈍感だが、しっかりしている。
矛盾しているように思えるが、彼女の励ましで何とかここまで耐えてこられた。
ありがとう、ニャミス。お前とパーティ組めて良かったよ。
「…最終兵器を使う前に、死んじまったら元も子ないだろ?」
大剣使いが初めて俺の言葉にもっともらしい返事をする。
「そうね、せめて最後まで足掻かないとね。」
「…クーもそれでいい?」
心配そうに告げるニャミス。
「…うん、ガンバル。」
サムズアップしているクー、カッコイイなお前。
「よし、決まったな…。まあ、これ以上悪くなることはそうそう無いさ!
最後は潔く行こうぜ!」
「何かそれ、フラグになってる気もしないでもないですが。」
苦笑いしてこっちをみるニャミス。
…4人一緒に立ち上がって同じ方向を見据える。
ふうっと一呼吸ついてから最後になるかも知れないお願いをする。
「…クー、頼む。」
「…あいよ。」
クーは杖を振りかざすとどこに向けるでもなくプルパンテの呪文を唱えた。
「………。」
しばしの沈黙、数十秒たったが何も起きる気配がない。
「…何も起きないわね。」
「もしかして体力が無くて、プルパンテが出なかったんじゃ…」
クーは首を振る。
「…ううん、プルパンテはちゃんと出た。」
「ってことは、今使っても効果の無い呪文だった可能性が高いな、もういち―
がガガがガガガがががガガガがががっ!!!
もう一度と言おうとした瞬間、足元が崩れ落ちるような激しい揺れが俺たちを襲う―
「きゃああああああああああああっ!何々なにっ!?」
「皆!俺の方に集まれ!岩が落ちてくるぞ!」
直ぐに三人を近くに引き寄せると俺は上方に防御魔法を何枚にも張り巡らせる。
くそっ!!どうやら爆発魔法か地震魔法か何かを引いちまったのか!?
本当にフラグになっちまった!
―…しかし、おれの読みはまだ甘かった。
グオオオオオオォォオオオオオオオォォォオオオオオオオオオオ!!!!!
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