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出会い
地上へ
しおりを挟む○「一瞬女神視点」
体育座りをしてもしゃもしゃとケバブを食べながら、
今日もダンジョンの入口で佐藤誠の帰りを待つ女神アテネです。
初めは他の人から見えないようにしていましたが、めんどくさくなって
普通に現世を満喫しています。
ま!だれも私のことを女神何て知らないんだから大丈夫っしょ!
「しっかし、遅いわねー。もう半月以上経つのにまだ帰ってこないなんて、
ダンジョン攻略って大変なのね。付いていかなくてホントよかったわ。
こんなにお風呂入れないなんて考えられないし。」
そこに空間転移をしてきたであろう三人組の女パーティが飛んできました。
「あれは…女ばっかりかー、誠さん早く帰ってきてよねー…
こっちだってやる事やんないといけないんだから………っておや?」
よく見ると、見覚えのあるタヌキ顔のネコ人族とロリっ子魔法少女の姿。
もう一人はよく知らない…。
残りのケバブを丸のみにして、パンパンとお尻の砂を払って様子を伺う。
「…あなたたち確か誠さんと一緒にダンジョンに入っていった2人よね?
ってクサッ!!」
あまりの匂いに思わずたじろいでしまいました。
…そんな私のことはお構いなしに3人は悲しみの世界を作り出している様子。
「…私のせいで……私のせいで、私があんなところにいたから…こんなことに…。」
「……カエデさんのせいじゃありませんよ。」
「…うん、ラールを一回で出せなかったクーが悪い。」
「クー、自分を攻めちゃダメですよ。
あなたは私たちを救ってくれた命の恩人なんです、感謝してもしきれません。」
「…でも誠が…。」
おや、おやおや?おやおやおや?
「あのー、すみません…ちょっとお伺いしたいんですけれども…よろしいですか?」
ぐすんと涙を拭いてこちらを向くニャミスさん。
「…誰でしょうか?」
…あっ、そういえば私この2人に姿を見せるのは初めてだったわね。
「…すみません取り込み中に…私、佐藤誠の知り合いのアテネっていうんですけど、
誠さんがダンジョンから帰ってこなくて心配してたんです。
どこかで見かけませんでしたか?」
そう伝えると、再び彼女は泣き出してしまう。
「誠さんのお知り合いの方……すみません、すみません。
私たちのせいなんです…私たちのせいで誠さんは…。」
冷汗が止まらなくなってきた。
「ま…まさか…。」
悲しそうにしていながらも、ぶっきらぼうに答えるクーさん。
「…ごめん、死んだ。」
これはやばい…やばいやばいやばいやばいやばいヤヴァイ!!
何がやばいって誠さんが死んだのは、まあしょうがないとしても
このままだと私まで消えちゃうじゃない!
直ぐに文書改ざんして生き返らせないと!
…?、何か変なものを見る目つきで話しかけてくるニャミスさん。
「…なんかお姉さん薄くなってません?」
「え?」
自分の身体に目を落とすと半透明になっていた。
ギャー、うすくなってるううううううううううううウぅうぅうううう!!
やべええええ、はやくあいつ生き返らせねえと消えちまうううううう!!!
「すいません!急用が!急用ができると薄くなっちゃうもんでね!つって!!
じゃあドロンさせて頂きます。ドロンっ!」
空間転移魔法に見せかけて天界へと戻る。
「誠さん…誠さん…誠さん…。」
空を飛びながら周辺をくまなく見渡す。
するとごくごく普通の裁きの門で順番待ちをしている冴えないラブコメオタクを発見する。
「おった――――――――!!」
私は直ぐに飛びかかり、矢継ぎ早に話をする。
「誠さん!なんばしよっとか!?ここ、入っちゃったらもう戻ってこれないんです
よ!?」
「え?…何って、うおっアテネじゃないか!お前何でここに!
…いやまあ、ここに来たらさっき受付のお姉さんに番号札持ってお待ちくださいって…
てかてめえ俺が死にそうになってる時にどこで油打ってたんだ!
てかもう死んだけど!お前なら魔法で何とかできたんじゃないのか!?」
「その話は後で聞きますから!
ほらその番号札はペッして下さい!はいペッ、ペッ!!」
「いや、もう俺死んじまったからよ…それに割と悪くない死に様だったから、
あんまり後悔ないって言うか、すがすがしい気分なんだよな…。」
「何言ってるんですか!私消えちゃうじゃないですか!
命なんて書類をちょちょいのちょいしたら直ぐ生き返れますから早く!」
「はあ!?お前本気でいってるのか…そんなことして大丈夫なのかよ!?」
「大丈夫な訳無いでしょ!でもそうしなきゃ私消えちゃうんですから!
四の五の言わずに来てください!ルールも規則も掟も知ったこっちゃないですよ!」
「…お前、本当に神様にあるまじき行いをするな…」
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