異世界ラブコメは永久に不滅です!ーラブコメが廃れた世界で誰もが羨むラブラブパーティーを作ってのんびり過ごします。

ゆぱ@NieR

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令嬢婚約破棄クエスト

手料理の味

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「おお…。」


中は思いのほか広く快適で、木の温もりが感じられる落ち着いた内装だ。


家具や生活用品も内装に合わせているようだ。

かわいいかは置いておいて、住み心地は良さそうである。


「見てください誠さん!ご馳走がこんなに一杯!」


ニャミスに言われ、ダイニングの方を見ると旨そうな飯がところ狭しと並んでいた。


「…きんぴらは?」


クーに見つめられたカエデは苦笑する。


「もちろん、一杯あるわよ。それじゃさっそくおもてなしをするから、

 3人ともテーブルに座って♪」


そう言われるとその間0.1秒、風のようなスピードで既に2人は着席していた。


「…誠、早く。」


「早くしないと全部食べちゃいますよー!」


2人を見て、俺もせっかくなので全力ダッシュで席についてお箸を持つ。


「それではよろしく頼む!」


「OK!じゃあカエデ流フルコースをご堪能ください!
 
 まずは前菜の金平ごぼうでーす♪」


俺たちの前にそれぞれ前菜とやらの金平が置かれる。

おお…見事な見た目、まるで高級旅館で使われているような器と

綺麗に整えられた金平…これは旨そうだ。

でもこのパターン、旨そうなものほど口に入れた時の衝撃は凄まじいと

相場は決まっている。

ラブコメヒロインの料理下手は太古の昔からのテンプレとは言え、

何とかならないものだろうか…。

おれは覚悟を決め、恐る恐る金平を口に運ぼうとすると、

それよりさきにニャミスとクーの叫び声が聞こえた。


「お代わり―――!!」


「はいはい、一杯あるからちょっと待っててね。

 …あんたも早く食べて見てよ。」


「ああ…。」


パクっと一口食べてみる。

モグモグモグモグモグモグ……


「…うまい。」


程よい味付けで甘辛くも、素材の風味がしっかりと感じられる。

食感も良くクセになるな…


「…あっそ。おかわりなら一杯あるから、欲しかったら言ってね。」


「…ああ。」


料理下手ではなかったのか…と思ってふと彼女を見ると、

指にはたくさんの絆創膏が巻いてあった。


いっぱい食べなくちゃな…。


―もう我慢できないわ…

 
久しぶりに出てきたアテネが何かボソッと言って外に出ていく。


するとすぐに入口のドアをコンコンとノックする音が聞こえた。


「あら、誰かしら、ちょっと待ってて…。」


カエデが扉を開くとそこには当然擬人化したアテネがいた。


「あ…この前ダンジョンの入口で会った…」


「ああ、憶えてますう?誠の親友のアテネですう。

 何か今日ここでパーティやるって誠から聞いててー、

 せっかくだからって誘われて来たんですけど、みたいな―?」


下手に出てる割には圧が強いな…


「え?…あ、えーと…誠、ホント?…場所よくわかりましたね…。」


カエデは少したじろぎながらもこっちに振り返り、俺にマジか?みたいな顔で聞いてくる。


「ん――……


おれがどう答えようか迷っていると、ニャミスとクーが先に口を出した。


「イイじゃないですか!ご飯はみんなで食べたほうが美味しいですよ♪」


「…クーのぶんを取らないなら許可する。」


「あざっす!!じゃ、失礼しまーす!」


と…気づいた時にはこちらも風の速さで着席し、金平をむしゃむしゃと食っていた。


「…お前ホントに自由だな…そんなんで大丈夫か?」


金平のASMRを耳元で聞きながら小声で返答してくるアテネ。


「長い目で見たら、私がこの子たちと関係を築くのは悪いことじゃないと思いますよ?

 いざという時に助けることもできますしね。」


まあ、それは確かにそうだが…

少し、俺たちの様子を見てカエデはふくれっ面だったが、

何とか受け入れてくれたようだ。



―その後はひたすらに飯をかっ喰らった。

金平の後にはそれに合わせた数々の和風料理。

メインディッシュで出てきたオムライスの中身は炊き込みご飯で

和風ソースで味付けされておりとても美味しかった。

ソースでハートマークを作ってくれたのは嬉しかったのだが、

彼女の地元ではオムライスはこうするものだという胡散臭い言い訳は

ちょっと面倒くさかったが、可愛らしくも思えた。

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