19 / 26
令嬢婚約破棄クエスト
クエスト論争
しおりを挟む全ての料理を完食した俺たちは粗茶を頂きながらくつろいでいた。
「…お腹いっぱい。」
「ホントにどれも美味しかったですねー!」
「ああ、思いのほか旨くてびっくりしたよ。」
「なに…まるで私が料理下手だと思ってたのかしら?
これでも毎日料理してるんだから、このくらいは朝飯前よ。」
「へえー、毎日ね…。」
彼女の指を見つめながら、ついニヤニヤと笑ってしまった。
「なに?」
カエデにギロッと睨まれる。
「なんでもありません。」
俺がそっぽを向くと、ニャミスが会話に割って入ってきた。
「そういえばさっきギルドで話していたクエストってどんなものだったんですか?」
おお!そうだ!その話があった!
おれは粗茶をコトンとテーブルに置く。
「その話をしなければいけなかったな。クーからもらったクエストの
依頼内容にはこう書かれていたんだ。
聞いて驚くなよ…。」
俺はえっへんとわざとらしく咳払いをする。
「さる令嬢に婚約破棄した、さるお方との中を取り持ち婚約破棄を解消すること
報酬は出来高払い、スティグマランク無条件、詳細は面接で採用判断。」
周りの反応をみるが思ったより反応は薄かった。
「へえ、随分珍しい依頼内容ね。報酬は出来高払いになっているけど
どの程度貰えるのかしら?」
彼女は貴族階級に詳しくないのだろうか?
まあおれもラノベとアニメで見た偏った知識しか無いのだが…
「令嬢だぞ、ランクにもよるが最低でも男爵以上だ。
低く見積もっても300はくだらないだろう。」
カエデがテーブルを勢いよくバンと叩く。
「本気!?…でも婚約破棄の解消なんて…私たちにできるの?」
俺は再び粗茶をゆっくりと飲んで湯呑をテーブルに置く。
そしてニヤリと笑みを浮かべて立ち上がり、自慢気に返答した。
「俺は異世界恋愛のプロフェッショナル、
俺に解決できない婚約破棄は存在しない!!」
カッコつけてポーズを取っていると
俺の見せ場を無視するようにニャミスが話し出す。
「んー、でも問題はその面接に通るかどうかですよねえ?」
俺はさらにカッコイイポーズを取る。
「それも問題ない、心配するな。何千何万と見てきた婚約破棄ラノベ…
解決法は全て俺の頭の中に入っている!
俺に解消できない婚約破棄は存在しない!」
「………。」
アテネを除いた連中が大小様々であるが引いているようだ。
しかしそんなことは気にしない、長年培って会得したオタクスキル、
無我の境地!によって俺は鋼メンタルを手に入れていた。
「いやー、それにしてもマジもんの婚約破棄を現実に拝むことができるなんて…
生きててよかったあ。どんなタイプのやつだろ?デュフッ…デュフフフフッ。」
「…誠もしかして異世界恋愛オタクなの?
あの辺の小説は文学の最底辺よ。ちょっと引くわ…」
俺のラノベバカにされセンサーがピンと立った。
自分のことをキモイとか言われるのは構わない…
しかし!ラノベをバカにすることは許さない!
「うるさい!読んだことも無いヤツが異世界恋愛を語るな!
ライトノベルは健全な魂とピュアな心を持ったものにしか理解のできない崇高なものな
のだ!
最底辺というのはお前らのような腐った思考を持つ性に乱れた若者どもが見ている
あい〇りやテラス〇ウスとかいう嘘っぱちリアリティドラマのことだ!!」
注※そんなことありません。
「そうだ!そうだー!」
アテネが俺に便乗した。
「テラス〇ウス面白いじゃない!それに誰の魂が腐ってるって!?アンタのそれこそ偏見
じゃない!
…どうしてもって言うんなら、ちょっとは興味持ってあげても良かったのに!」
「素晴らしい考え方よカエデさん、その一歩が健全な魂を復活させる大きな一歩になるの
です!」
「貴方には言ってません!」
ニャミスとクーは粗茶をすすりながら完全に賢者モードだ。
「こうしちゃいられねえ、クエスト早く受注しておかないと!」
俺も粗茶を一気に飲み干すと論争の勝ち逃げを決め込み、駆け足でギルドに戻った。
0
あなたにおすすめの小説
この世界、貞操が逆で男女比1対100!?〜文哉の転生学園性活〜
妄想屋さん
SF
気がつけば、そこは“男女の常識”がひっくり返った世界だった。
男は極端に希少で守られる存在、女は戦い、競い、恋を挑む時代。
現代日本で命を落とした青年・文哉は、最先端の学園都市《ノア・クロス》に転生する。
そこでは「バイオギア」と呼ばれる強化装甲を纏う少女たちが、日々鍛錬に明け暮れていた。
しかし、ただの転生では終わらなかった――
彼は“男でありながらバイオギアに適合する”という奇跡的な特性を持っていたのだ。
無自覚に女子の心をかき乱し、甘さと葛藤の狭間で揺れる日々。
護衛科トップの快活系ヒロイン・桜葉梨羽、内向的で絵を描く少女・柊真帆、
毒気を纏った闇の装甲をまとう守護者・海里しずく……
個性的な少女たちとのイチャイチャ・バトル・三角関係は、次第に“恋と戦い”の渦へと深まっていく。
――これは、“守られるはずだった少年”が、“守る覚悟”を知るまでの物語。
そして、少女たちは彼の隣で、“本当の強さ”と“愛し方”を知ってゆく。
「誰かのために戦うって、こういうことなんだな……」
恋も戦場も、手加減なんてしてられない。
逆転世界ラブコメ×ハーレム×SFバトル群像劇、開幕。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界配信〜幼馴染みに捨てられた俺を導く神々の声(視聴者)
葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。
だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。
突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。
これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる