26 / 26
令嬢婚約破棄クエスト
婚約破棄の解消の作戦
しおりを挟む「バルフ!こいつらホントに大丈夫なの!?とても役に立ちそうに無いじゃない!」
「申し訳ありません。面接をした中では最も優秀な人材でして…ただいかんせん
お時間も差し迫っていましたので…」
うわー、令嬢の本性直ぐでたー。まあよくあるパターンよ………ん?
「…それはそうね。あなたたち…単刀直入に今回の依頼を伝えるわ!
一応確認の為言っておくか。
「あ、伺っております。マクシミリアン大公との婚約破棄の解消ですよね?」
リュシー嬢は再び急に立ち上がり、もっていた扇子みたいなものをパチーンと勢いよく投げ捨てると、
「違うわ!あの憎たらしいチワワ女をぶっ殺してほしいんですの!
亡き者にしてしまえばマクシミリアン様は必然的に私のもとへと来るんですから!」
………相当ご立腹らしい、
気持ちも分からんではないか、あらぬ濡れ衣を着せられて大公との婚約破棄をされ、
その元凶である子爵令嬢に騙され寝取られたのだ…
そのぐらいの感情を持ったっておかしくはない…か?
まあ、少し感情表現がストレートになってしまっているだけだろう。
フーッフーッと野獣のような荒い息遣いをするリュシー嬢をバルフレッドが諫める。
「お嬢様落ち着いてください、いまシャルル様が亡くなられますと
マクシミリアン様が大変悲しまれます。
ほとぼりが覚めてから、マクシミリアン様とお嬢様が幸せになられてから、
バルフが命に代えてもいつか必ずシャルル様をぶっ殺しますので、
今回は矛をお納めください。」
おいおい…
「…ドロドロ?」
クーが首を傾げている。
「ドロドロっていうかもう血が止まっちゃいますね。」
まともなつっこみをするニャミス、彼女たちの滲み出る質素さには救われる部分がある。
「…分かってるわ、ちょっと気が立ってしまっただけよ。
貴方たち、これからどうやって婚約破棄を解消するつもりなのか
計画を聞かせて貰えるかしら?」
少しふくれっ面になって椅子に座りなおし、頬杖を突くリュシー嬢、
まあ、貴族って言ったって同じ人間だ…。
俺は慎重に、今回の計画につて話始める。
「はい、非常にシンプルな作戦です。シャルル様の情報を集めながら、
24時間素行調査を行います。大丈夫、必ずボロは出ます。
証拠さえ掴んでしまえばこっちのもの。
全ては誤解から始まった婚約破棄、リュシー様のあらぬ噂が
嘘だと分かり、その噂を流したのがシャルル様だと知れれば
必ずマクシミリアン様は貴方の元へ戻ってきます。」
テーブルを勢いよく叩くリュシー嬢。あれ、何か間違えたか…?
「噂を流したのがシャルルですって!?なぜそんなことが分かるの!?」
「ぜひ、そのお考えについてお聞かせください。」
…ああ、そっか。まだ、誰がやったのか分かっていない状態だったか…
まあテンプレだからとか展開的にとか言っても納得はしないだろうし…
あれ……そういえばこれ異世界ラブの能力で引き寄せた展開だと思ってたけど、
違うんだった…あれ?てことは本当に誰が犯人か分からないじゃん。
え…どうしよ…マジやばくね?
いや…それはまた後で考えて、身から出た錆、ここはとりあえず取り繕うしかないな。
「そもそもの話です…リュシーお嬢様に根も葉もない悪い噂が流れ始めたのは
何故だと思いますか?」
リュシーはうーんと考える。
「私のことを妬みに思っている人間が腹いせに…とかかしら?」
「はい、遠くはないでしょう。しかし少し足りません。
この噂を流した犯人にはおそらく明確な目的があったのだと思います。」
「目的?」
「はい…リュシー様を貶めることによって自分が得をする、さらには
ある目的も達成できる。
だから噂を流した…。バルフレッドさん、噂はどんなものでしたでしょうか?」
「お嬢様がシャルル様を虐げていると…。」
「そうですね、他にリュシー様の悪い噂の中で別の方の名前が出たことはありましたか?」
「いいえ…シャルル様以外は……………まさか!」
「ええ、そう考えるのが一番妥当でしょう。」
リュシー嬢が首を傾げている。
「どういうことなの?」
「つまり、全てはシャルル様の自作自演だということです。
マクシミリアン様とお近づきになりたかったシャルル様は、
婚約をされたリュシー様が邪魔でした。
なのでリュシー様に虐げられているという噂を自分で流し、悪評を広めて
それをマクシミリアン様の耳に届ける。
自分の婚約者がやっているという情報だと知れれば、マクシミリアン様は
動かざるを得なかったでしょう。そこに付け込んだシャルル様がさらにリュシー様の
噂と称した嘘を伝えることでマクシミリアン様は完全に貴方を見限ってしまう。
そこまで言ってしまえばお優しい大公のことだ、今まで虐げられてきた
可愛らしいシャルル様を守ってやりたいという庇護欲が出てしまったのでしょう。
騙されているとも知らずにね。」
自分で言っててもやっぱりこれで正解なんじゃないかと思うくらい良くできた
ストーリーだ。やっぱこれを殆ど自力でやってのける悪役令嬢ってスペック高いよな…
そして再びプルプル震えだしたリュシー嬢。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
この世界、貞操が逆で男女比1対100!?〜文哉の転生学園性活〜
妄想屋さん
SF
気がつけば、そこは“男女の常識”がひっくり返った世界だった。
男は極端に希少で守られる存在、女は戦い、競い、恋を挑む時代。
現代日本で命を落とした青年・文哉は、最先端の学園都市《ノア・クロス》に転生する。
そこでは「バイオギア」と呼ばれる強化装甲を纏う少女たちが、日々鍛錬に明け暮れていた。
しかし、ただの転生では終わらなかった――
彼は“男でありながらバイオギアに適合する”という奇跡的な特性を持っていたのだ。
無自覚に女子の心をかき乱し、甘さと葛藤の狭間で揺れる日々。
護衛科トップの快活系ヒロイン・桜葉梨羽、内向的で絵を描く少女・柊真帆、
毒気を纏った闇の装甲をまとう守護者・海里しずく……
個性的な少女たちとのイチャイチャ・バトル・三角関係は、次第に“恋と戦い”の渦へと深まっていく。
――これは、“守られるはずだった少年”が、“守る覚悟”を知るまでの物語。
そして、少女たちは彼の隣で、“本当の強さ”と“愛し方”を知ってゆく。
「誰かのために戦うって、こういうことなんだな……」
恋も戦場も、手加減なんてしてられない。
逆転世界ラブコメ×ハーレム×SFバトル群像劇、開幕。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界配信〜幼馴染みに捨てられた俺を導く神々の声(視聴者)
葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。
だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。
突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。
これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる