異世界ラブコメは永久に不滅です!ーラブコメが廃れた世界で誰もが羨むラブラブパーティーを作ってのんびり過ごします。

ゆぱ@NieR

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令嬢婚約破棄クエスト

婚約破棄の解消の作戦

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「バルフ!こいつらホントに大丈夫なの!?とても役に立ちそうに無いじゃない!」


「申し訳ありません。面接をした中では最も優秀な人材でして…ただいかんせん

 お時間も差し迫っていましたので…」


うわー、令嬢の本性直ぐでたー。まあよくあるパターンよ………ん?


「…それはそうね。あなたたち…単刀直入に今回の依頼を伝えるわ!


一応確認の為言っておくか。


「あ、伺っております。マクシミリアン大公との婚約破棄の解消ですよね?」


リュシー嬢は再び急に立ち上がり、もっていた扇子みたいなものをパチーンと勢いよく投げ捨てると、


「違うわ!あの憎たらしいチワワ女をぶっ殺してほしいんですの!

 亡き者にしてしまえばマクシミリアン様は必然的に私のもとへと来るんですから!」


………相当ご立腹らしい、

気持ちも分からんではないか、あらぬ濡れ衣を着せられて大公との婚約破棄をされ、

その元凶である子爵令嬢に騙され寝取られたのだ…

そのぐらいの感情を持ったっておかしくはない…か?

まあ、少し感情表現がストレートになってしまっているだけだろう。

フーッフーッと野獣のような荒い息遣いをするリュシー嬢をバルフレッドが諫める。


「お嬢様落ち着いてください、いまシャルル様が亡くなられますと

 マクシミリアン様が大変悲しまれます。

 ほとぼりが覚めてから、マクシミリアン様とお嬢様が幸せになられてから、

 バルフが命に代えてもいつか必ずシャルル様をぶっ殺しますので、

 今回は矛をお納めください。」


おいおい…


「…ドロドロ?」


クーが首を傾げている。


「ドロドロっていうかもう血が止まっちゃいますね。」


まともなつっこみをするニャミス、彼女たちの滲み出る質素さには救われる部分がある。


「…分かってるわ、ちょっと気が立ってしまっただけよ。

 貴方たち、これからどうやって婚約破棄を解消するつもりなのか

 計画を聞かせて貰えるかしら?」


少しふくれっ面になって椅子に座りなおし、頬杖を突くリュシー嬢、

まあ、貴族って言ったって同じ人間だ…。

俺は慎重に、今回の計画につて話始める。


「はい、非常にシンプルな作戦です。シャルル様の情報を集めながら、

 24時間素行調査を行います。大丈夫、必ずボロは出ます。

 証拠さえ掴んでしまえばこっちのもの。

 全ては誤解から始まった婚約破棄、リュシー様のあらぬ噂が

 嘘だと分かり、その噂を流したのがシャルル様だと知れれば

 必ずマクシミリアン様は貴方の元へ戻ってきます。」


テーブルを勢いよく叩くリュシー嬢。あれ、何か間違えたか…?


「噂を流したのがシャルルですって!?なぜそんなことが分かるの!?」


「ぜひ、そのお考えについてお聞かせください。」


…ああ、そっか。まだ、誰がやったのか分かっていない状態だったか…

まあテンプレだからとか展開的にとか言っても納得はしないだろうし…

あれ……そういえばこれ異世界ラブの能力で引き寄せた展開だと思ってたけど、

違うんだった…あれ?てことは本当に誰が犯人か分からないじゃん。

え…どうしよ…マジやばくね?

いや…それはまた後で考えて、身から出た錆、ここはとりあえず取り繕うしかないな。


「そもそもの話です…リュシーお嬢様に根も葉もない悪い噂が流れ始めたのは

 何故だと思いますか?」


リュシーはうーんと考える。


「私のことを妬みに思っている人間が腹いせに…とかかしら?」


「はい、遠くはないでしょう。しかし少し足りません。

 この噂を流した犯人にはおそらく明確な目的があったのだと思います。」


「目的?」


「はい…リュシー様を貶めることによって自分が得をする、さらには

 ある目的も達成できる。

 だから噂を流した…。バルフレッドさん、噂はどんなものでしたでしょうか?」


「お嬢様がシャルル様を虐げていると…。」


「そうですね、他にリュシー様の悪い噂の中で別の方の名前が出たことはありましたか?」


「いいえ…シャルル様以外は……………まさか!」


「ええ、そう考えるのが一番妥当でしょう。」


リュシー嬢が首を傾げている。


「どういうことなの?」


「つまり、全てはシャルル様の自作自演だということです。

 マクシミリアン様とお近づきになりたかったシャルル様は、

 婚約をされたリュシー様が邪魔でした。

 なのでリュシー様に虐げられているという噂を自分で流し、悪評を広めて

 それをマクシミリアン様の耳に届ける。

 自分の婚約者がやっているという情報だと知れれば、マクシミリアン様は

 動かざるを得なかったでしょう。そこに付け込んだシャルル様がさらにリュシー様の

 噂と称した嘘を伝えることでマクシミリアン様は完全に貴方を見限ってしまう。
 
 そこまで言ってしまえばお優しい大公のことだ、今まで虐げられてきた

 可愛らしいシャルル様を守ってやりたいという庇護欲が出てしまったのでしょう。

 騙されているとも知らずにね。」

 
自分で言っててもやっぱりこれで正解なんじゃないかと思うくらい良くできた

ストーリーだ。やっぱこれを殆ど自力でやってのける悪役令嬢ってスペック高いよな…

そして再びプルプル震えだしたリュシー嬢。


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