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第1章
僕はもうだめです
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僕の名前は墨田真。今年で18歳になります。だけど誕生日の5月29日まではちょっと生きられそうにありません。
末期の胃がんで入院しています。余命1か月と宣告されました。
最近は背中の方にも移転しちゃって凄く痛い。よほど体調が良くないと車椅子にも乗れない。
抗がん剤の副作用で髪は全部抜け落ち、歯もボロボロです。
学校からは時々担任の先生が見舞いに来るぐらい。見舞いに来てくれる友達なんていません。
僕ね、恥ずかしい話なんですけど男なのに身長154センチしかないんです。
色も白いし体格もひょろひょろ。高校の制服着て歩いていると、すれ違う人は大概怪訝そうな顔をして僕を見ます。「なんで女の子なのに男子の制服を着てるんだろう?みたいな感じでね。失礼だなもう!男なのに・・・
こんな奴でしかも性格内気だから格好のいじめっ子たちのターゲット。小中高と筋金入りのいじめられっ子でした。
そして家族の者も滅多に見舞いに来ません。
今の母とは血の繫がりがありません。6歳年上の兄とは腹違いです。
そう。僕は庶出の子なんです。
実の母が元気だったころは認知だけしてもらって養育費も出してもらって、二人で暮らしていました。だけど呪われた遺伝ですね。母も僕と同じ胃がんにかかって、僕が4歳の時に死んでしまった。
そして僕は大地主の墨田家に引き取られました。
いじめられはしなかった。だけど家族もお手伝いさんもどこかよそよそしかった。僕は余りもの。いてもいなくてもいい存在でした。
唯一、16歳年上の長兄の隆一だけは優しかったです。時間を取ってよく遊んでもらった。いろんな物語も読み聞かせてくれた。
だけど僕が9歳の時に突然失踪してしまった。以来音信不通ほんと何処に行っちゃったんだろう。
近頃はもう目にも来ている。昼なのか夜なのかもわからない。ああだけど看護師さん歩いてないから夜なのかなあ。
あれ?
ベッドの横に誰か来ている。女の人だ。和服を着ている。だけど背がすごく高い。180センチはありそう。
誰?親戚?でもそんな人いなかったはず・・・
「ど・・・どなたですか・・・」。
よかった。何とか声が出た。少し眼が見えるようになってきた。どんな人かおぼろげにわかるようになってきた。
素晴らしくきれいな人でした。
アップにした髪の毛の色がなんと緑色。それも木々の葉のような深緑色で見る者をほっとさせるような色。そしてその髪の毛の色と同じ緑色の大きな目。高くてぴっと筋が通っているけど全然冷たい印象を与えない鼻。形の良い優しい笑顔を湛えた唇。
抜けるように色白の肌に、適度にふっくらした頬。観音様のような神々しささえ感じられる美しさです。
「私の名は愛染。
「あいぜん・・・さん?」。
「そう。よろしくね。墨田真くん」。
よろしくと言われても・・・尋常な方ではないというのは何となくわかるんですけど・・・もうすぐ死ぬし・・・
「あの・・・何の御用でしょうか・・・見ての通りの・・・状態なんですけど・・・」。
愛染さんは答えず椅子に座って、
「痛むの?」。
「はい・・・僕はもうだめです・・・早くお母さんのところへ行きたい・・・」。
「あきらめるのはまだ早くない?」。
「そんな・・・医者にも見放されてるし・・・」。
すると愛染さん、僕の顔に軽く触れてくいっと自分のほうに向けました。美しい顔が目の前にきた。思わずどきっとする。初めての感覚・・・
これまでとは打って変わった茶目っ気のある表情になって、この人とんでもないことを言い出した。
「ねえ真くん、あなたエッチとかした事ある?」。
末期の胃がんで入院しています。余命1か月と宣告されました。
最近は背中の方にも移転しちゃって凄く痛い。よほど体調が良くないと車椅子にも乗れない。
抗がん剤の副作用で髪は全部抜け落ち、歯もボロボロです。
学校からは時々担任の先生が見舞いに来るぐらい。見舞いに来てくれる友達なんていません。
僕ね、恥ずかしい話なんですけど男なのに身長154センチしかないんです。
色も白いし体格もひょろひょろ。高校の制服着て歩いていると、すれ違う人は大概怪訝そうな顔をして僕を見ます。「なんで女の子なのに男子の制服を着てるんだろう?みたいな感じでね。失礼だなもう!男なのに・・・
こんな奴でしかも性格内気だから格好のいじめっ子たちのターゲット。小中高と筋金入りのいじめられっ子でした。
そして家族の者も滅多に見舞いに来ません。
今の母とは血の繫がりがありません。6歳年上の兄とは腹違いです。
そう。僕は庶出の子なんです。
実の母が元気だったころは認知だけしてもらって養育費も出してもらって、二人で暮らしていました。だけど呪われた遺伝ですね。母も僕と同じ胃がんにかかって、僕が4歳の時に死んでしまった。
そして僕は大地主の墨田家に引き取られました。
いじめられはしなかった。だけど家族もお手伝いさんもどこかよそよそしかった。僕は余りもの。いてもいなくてもいい存在でした。
唯一、16歳年上の長兄の隆一だけは優しかったです。時間を取ってよく遊んでもらった。いろんな物語も読み聞かせてくれた。
だけど僕が9歳の時に突然失踪してしまった。以来音信不通ほんと何処に行っちゃったんだろう。
近頃はもう目にも来ている。昼なのか夜なのかもわからない。ああだけど看護師さん歩いてないから夜なのかなあ。
あれ?
ベッドの横に誰か来ている。女の人だ。和服を着ている。だけど背がすごく高い。180センチはありそう。
誰?親戚?でもそんな人いなかったはず・・・
「ど・・・どなたですか・・・」。
よかった。何とか声が出た。少し眼が見えるようになってきた。どんな人かおぼろげにわかるようになってきた。
素晴らしくきれいな人でした。
アップにした髪の毛の色がなんと緑色。それも木々の葉のような深緑色で見る者をほっとさせるような色。そしてその髪の毛の色と同じ緑色の大きな目。高くてぴっと筋が通っているけど全然冷たい印象を与えない鼻。形の良い優しい笑顔を湛えた唇。
抜けるように色白の肌に、適度にふっくらした頬。観音様のような神々しささえ感じられる美しさです。
「私の名は愛染。
「あいぜん・・・さん?」。
「そう。よろしくね。墨田真くん」。
よろしくと言われても・・・尋常な方ではないというのは何となくわかるんですけど・・・もうすぐ死ぬし・・・
「あの・・・何の御用でしょうか・・・見ての通りの・・・状態なんですけど・・・」。
愛染さんは答えず椅子に座って、
「痛むの?」。
「はい・・・僕はもうだめです・・・早くお母さんのところへ行きたい・・・」。
「あきらめるのはまだ早くない?」。
「そんな・・・医者にも見放されてるし・・・」。
すると愛染さん、僕の顔に軽く触れてくいっと自分のほうに向けました。美しい顔が目の前にきた。思わずどきっとする。初めての感覚・・・
これまでとは打って変わった茶目っ気のある表情になって、この人とんでもないことを言い出した。
「ねえ真くん、あなたエッチとかした事ある?」。
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