勇者に転生したのにステータスが全部運だった件

いつき

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最凶のライバル登場!? 運VS才能、初めての敗北

第5話:最凶のライバル登場!? 運VS才能、初めての敗北

「吉良。お前に指名依頼が来ている。」

ギルドに戻った吉良を待っていたのは、ギルドマスターの重たい声と、一枚の書状。
依頼の主は貴族の領主、そして件名は——

『魔獣討伐の補助:戦術補佐として同行のこと』

「補佐……? 俺が?」

疑問を抱えながらも、指定された場所へ向かった吉良は、思わず立ち止まる。

そこに立っていたのは、かつて冒険者学校時代に吉良を”運だけの無能”と呼んだ男、
——シオン・クラウゼルだった。

銀髪に鋭い目。剣の才能と実力で若くしてエリート騎士団に入った天才。
かつて吉良を模擬戦で完膚なきまでに叩きのめし、
「運なんて所詮、才能には敵わない」と言い放った相手だ。

「へえ……生きてたんだ。君みたいな“運任せの勇者”が」

冷たい笑み。変わらない態度。

「おまえに期待なんてしてない。足を引っ張らないでくれればそれでいい」

吉良は言い返せなかった。
実際、運だけではどうにもならなかった過去があるからだ。

——そして戦いが始まる。

魔獣の咆哮。
完璧な剣さばきで敵を切り裂くシオン。
一方、吉良の攻撃はほとんど通じず、回避すら運任せ。

次第に周囲の兵も倒れ、吉良は魔獣の前でひとり膝をつく。

「くそ……これが、才能の差ってやつかよ……」

——そのとき。

シオンの攻撃が魔獣の反撃で弾かれ、彼が地面に叩きつけられる。

「シオン!!」

吉良が叫ぶと同時、魔獣がとどめを刺そうと振り上げた爪が……
突然空から落ちてきた隕石のかけらに当たり、砕け散った。

【魔獣を倒した!】

静寂。

「……おい、また“運”かよ……」

「うん。たぶん、そう」

吉良は立ち上がる。運で命を救ったことに、もはや笑うしかなかった。

でも、確かにわかった。

運だけじゃ、仲間は守れない。

そう思ったその瞬間、彼の中で何かが変わり始めていた——



次回予告

ある日突然、吉良に「謎のスキル」が発現する。

だがそれは、運にすら頼れない「選択肢なき絶望」への始まりだった。

次回――
「運を超える力!? 禁断のスキル、覚醒」
運命に翻弄される少年は、まだ“勇者”の意味を知らない。
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