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強化1
16話
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ラビット100匹の魔物が出現するのが決定した後、休憩を入れた。
というのも、俺の体もアルフェの体もいきなり動かなくなったからだ。
急な事に、アルフェと一緒に大パニック。
しばらくその場で動けずにいたら、徐々に動けるようになっっていった。
しかしあれは怖かった。
色々考えたが、原因は不明。
とりあえず、ゆっくり休憩をする事にした。
体を動かしてみる。
尻尾を振っても、勢いよく振れる。
よし、大丈夫だな。
重たく感じていた体も、今は軽く感じる。
「アルフェ、体の調子はどうだ?」
ラルグの質問に羽を広げる。
よし、大丈夫。
問題なく飛べるな。
いや~、さっきは怖かった。
死にたくないと羽をバタバタさせてしまった。
余計動けなくなっただけだったけど。
「大丈夫そう」
「良かった。そろそろ、外を確認してみるか」
ラルグの声にぐっと羽に力を言える。
ラビット100匹。
いつ出現するの分からないので気は抜けない。
「もしかして既にいたら嫌だね」
「それは言えてるな」
玄関まで来ると自動で扉が開く。
ラルグが通路にスーッと移動したので、その上を飛んで外へ向かう。
あれ?
外に出るまでにこんな通路あったっけ?
「げっ、うそだろ!」
ラルグの声に前方を見る。
「いや~、マジでいた!」
玄関から外へ出て通路から外に出ようとすると、通路にラビットの姿。
もうすでに魔物は出現していた。
心構えぐらいさせてくれ!
こっちは戦いに慣れてないんだよ!
「うわっ、こっち来た!」
俺の姿を目にしたのか、ピョンと俺に向かって襲い掛かる2匹のラビット。
これぐらいなら倒せるか?
距離を考えて射程圏内に入った瞬間、尻尾を大きく振りかぶり2匹を勢いよく横に払う。
「ピィィィィ」
甲高い声が鳴り響くと、2匹は壁に叩きつけられポンという音とともに消えた。
「すごいラルグ、倒した!」
「はぁ、助かった~。あっ? げっ! 最悪だ」
ホッとしたのもつかの間、外から通路へとラビットが入ってくるのが見える。
いったい何匹いるんだよ。
「うわっ、私は外にいるラビットを攻撃してみるね。超音波攻撃をここでするとちょっとやばい気がするから」
「そうしてくれ」
通路で超音波攻撃なんてされたら、俺も死ぬ。
バサバサっという音がしてアルフェの後ろ姿が通路から外へ消える。
頼むから死ぬなよ。
「ピィ」
「ピィ」
「ピィ」
「ピィ」
ラビットが、鳴きながら突進してくる。
俺も死にたくないし頑張るか。
尻尾を床にバンバンと叩いて威嚇してみる。
ははは、効果なし!
「くっそ~、死にたくね~」
後ろからラルグの声が聞こえる。
う~ん。
後で確認するけど、やっぱり外へ出るまでの通路が長くなってる。
さっきはもっと短かったはず。
と言うか玄関を出たら、すぐ外の風を感じたような気がするんだけど。
どうなってるんだろう。
ぶわっと風が体にあたる。
どうやら通路から外へ出たらしい。
ラビットを確認するため上空から地上を見渡す。
「何この数! 本当に100匹?」
視界には赤い点が無数にあり、すべてがこちらに来ているのが分かる。
ラビットがどんな姿をしているのか分からないけど、気持ち悪い。
えっと、私が出来るのは超音波攻撃だけ。
「やるしかないよね。でもどうやって超音波出したらいいの?」
前に時はパニックになっていたから無意識だし。
超音波だから喉から?
……わっかんない!
「あれ? 体が熱い……もしかして出来るかも?」
ドンドン体の中から熱が溢れてくる。
「えっと、シネーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ぶわりと体から熱が放出されるのが分かる。
それと同時に何かが聞こえる。
キィィィというような音。
もしかして叫ばなくても良かったのかな?
ピコン。
ピコン。
ピコン。
「はぁ、はぁ、よっしゃー! 何か強くなった気がする。たぶん」
周りを見渡す。
赤い点は無くなっている。
「成功したのかな? それにしても疲れた」
ふらふらと上空から地上へ降りる。
半分落ちている気もするが、まだきっと飛べているはず。
ドサッ。
「そう言えば、さっき体からあふれたあれって魔力なのかな?」
魔王、魔法とくれば魔力だよね。
「おーい、アルフェ? 無事か?」
「ラルグ? 無事だよ! そっちは?」
声の方を向くと、細長い赤いモノがこちらに来るのが分かる。
その動きはなめらかなので、怪我もないようだ。
「問題ない。お疲れさん。怪我は無いか?」
「大丈夫。超音波攻撃のコツを掴んだよ。それと魔力を感じれたかもしれない」
アルフェの無事を確かめると、どっと疲れた。
尻尾を何度も振り回しので、体が少し痛む。
まぁ、動きが鈍くなるほどではないが。
「魔力か、羨ましいな」
俺よりアルフェの方が攻撃系の成長が早そうだな。
今の俺は尻尾の攻撃だけだもんな。
そう言えば毒攻撃を持っていたか?
ただ毒の出し方が分からないんだよな。
魔力を掴むコツをアルフェに教えて貰ったら出来るようになるかな?
後で聞こう。
「ねぇ、ラルグ」
「何?」
「もしかして魔石をまた集めないと駄目なのかな?」
「…………そうだな」
「やっぱり!」
ラルグの答えに羽をバタバタと動かす。
疲れたアピール。
まぁ、ラルグも自分の出した答えに、項垂れてるけど。
「アルフェ」
「何?」
「後で魔力の感じ方を教えてくれ」
魔力の?
なぜ今?
「魔法で魔石を一気に集められたら便利だよな」
まったく魔力を感じないが、絶対にコツを掴んで魔石を集める時に使ってやる。
「なるほど、魔法があるんだから使わくちゃね」
「あぁ、頑張ろう」
「うん…………今は、魔石を集めるのを頑張らないと駄目だけどね」
「分かってるよ。ちょっと現実から目を背けただけだって」
アルフェからの視線がちょっと痛いような。
きっと気のせいだ。
よし、魔石を頑張って集めよう。
あっ、集めだした。
ふ~、ラルグだけにやらせるわけにはいかないから頑張りますか。
それにしても100個の魔石か。
さっきより増えてるよね。
「あれ? 2個も掴めた。なんで?」
足でつかんだ魔石の数は2個。
両足で4個も一気に持つことが出来た。
さっきはどんなに頑張っても1個が限界だったのに。
今は余裕で2個をガッツリ掴んでいる。
今回の魔石が小さいのか?
見た感じは変わらない大きさのような気がするけどな。
「まぁ、一気に掴める数が増えるのは嬉しい」
玄関前に集めた魔石の小さな山。
100個のはずなんだが、どう見ても100個以上あるような気がする。
カランカラン。
最後の魔石をアルフェが集めてきた。
「これで最後だと思う」
「了解。なぁ、これ100個以上あるよな?」
「私もそう思う。絶対100個以上だと思う」
まぁ、多い方がいいよ、たぶん。
玄関前に来ると自動ドアがスーッと音もなく開いた。
便利だけど、不便だよね。
「魔石を確認しました! 吸収します」
女性の機械音が聞こえると、魔石がカタカタと動き出す。
そして1つ1つ淡く光ると通路から玄関に入って部屋まで飛んで行った。
「魔石吸収は楽だよね。玄関を開けたらいいだけだもん」
アルフェの言葉に頷く。
飛んでいるアルフェには見えないが。
「また動けなくなると大変だから。部屋に戻ろう」
「そうだね。それに魔石150個集まったよね?」
「あぁ、光と影ってやつか?」
何を生むのか分からないが、次はあれを選ばせたいんだろうな。
「そうそう」
次は何が起こるのか。
なるべく優しいのをお願いしたい。
というのも、俺の体もアルフェの体もいきなり動かなくなったからだ。
急な事に、アルフェと一緒に大パニック。
しばらくその場で動けずにいたら、徐々に動けるようになっっていった。
しかしあれは怖かった。
色々考えたが、原因は不明。
とりあえず、ゆっくり休憩をする事にした。
体を動かしてみる。
尻尾を振っても、勢いよく振れる。
よし、大丈夫だな。
重たく感じていた体も、今は軽く感じる。
「アルフェ、体の調子はどうだ?」
ラルグの質問に羽を広げる。
よし、大丈夫。
問題なく飛べるな。
いや~、さっきは怖かった。
死にたくないと羽をバタバタさせてしまった。
余計動けなくなっただけだったけど。
「大丈夫そう」
「良かった。そろそろ、外を確認してみるか」
ラルグの声にぐっと羽に力を言える。
ラビット100匹。
いつ出現するの分からないので気は抜けない。
「もしかして既にいたら嫌だね」
「それは言えてるな」
玄関まで来ると自動で扉が開く。
ラルグが通路にスーッと移動したので、その上を飛んで外へ向かう。
あれ?
外に出るまでにこんな通路あったっけ?
「げっ、うそだろ!」
ラルグの声に前方を見る。
「いや~、マジでいた!」
玄関から外へ出て通路から外に出ようとすると、通路にラビットの姿。
もうすでに魔物は出現していた。
心構えぐらいさせてくれ!
こっちは戦いに慣れてないんだよ!
「うわっ、こっち来た!」
俺の姿を目にしたのか、ピョンと俺に向かって襲い掛かる2匹のラビット。
これぐらいなら倒せるか?
距離を考えて射程圏内に入った瞬間、尻尾を大きく振りかぶり2匹を勢いよく横に払う。
「ピィィィィ」
甲高い声が鳴り響くと、2匹は壁に叩きつけられポンという音とともに消えた。
「すごいラルグ、倒した!」
「はぁ、助かった~。あっ? げっ! 最悪だ」
ホッとしたのもつかの間、外から通路へとラビットが入ってくるのが見える。
いったい何匹いるんだよ。
「うわっ、私は外にいるラビットを攻撃してみるね。超音波攻撃をここでするとちょっとやばい気がするから」
「そうしてくれ」
通路で超音波攻撃なんてされたら、俺も死ぬ。
バサバサっという音がしてアルフェの後ろ姿が通路から外へ消える。
頼むから死ぬなよ。
「ピィ」
「ピィ」
「ピィ」
「ピィ」
ラビットが、鳴きながら突進してくる。
俺も死にたくないし頑張るか。
尻尾を床にバンバンと叩いて威嚇してみる。
ははは、効果なし!
「くっそ~、死にたくね~」
後ろからラルグの声が聞こえる。
う~ん。
後で確認するけど、やっぱり外へ出るまでの通路が長くなってる。
さっきはもっと短かったはず。
と言うか玄関を出たら、すぐ外の風を感じたような気がするんだけど。
どうなってるんだろう。
ぶわっと風が体にあたる。
どうやら通路から外へ出たらしい。
ラビットを確認するため上空から地上を見渡す。
「何この数! 本当に100匹?」
視界には赤い点が無数にあり、すべてがこちらに来ているのが分かる。
ラビットがどんな姿をしているのか分からないけど、気持ち悪い。
えっと、私が出来るのは超音波攻撃だけ。
「やるしかないよね。でもどうやって超音波出したらいいの?」
前に時はパニックになっていたから無意識だし。
超音波だから喉から?
……わっかんない!
「あれ? 体が熱い……もしかして出来るかも?」
ドンドン体の中から熱が溢れてくる。
「えっと、シネーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ぶわりと体から熱が放出されるのが分かる。
それと同時に何かが聞こえる。
キィィィというような音。
もしかして叫ばなくても良かったのかな?
ピコン。
ピコン。
ピコン。
「はぁ、はぁ、よっしゃー! 何か強くなった気がする。たぶん」
周りを見渡す。
赤い点は無くなっている。
「成功したのかな? それにしても疲れた」
ふらふらと上空から地上へ降りる。
半分落ちている気もするが、まだきっと飛べているはず。
ドサッ。
「そう言えば、さっき体からあふれたあれって魔力なのかな?」
魔王、魔法とくれば魔力だよね。
「おーい、アルフェ? 無事か?」
「ラルグ? 無事だよ! そっちは?」
声の方を向くと、細長い赤いモノがこちらに来るのが分かる。
その動きはなめらかなので、怪我もないようだ。
「問題ない。お疲れさん。怪我は無いか?」
「大丈夫。超音波攻撃のコツを掴んだよ。それと魔力を感じれたかもしれない」
アルフェの無事を確かめると、どっと疲れた。
尻尾を何度も振り回しので、体が少し痛む。
まぁ、動きが鈍くなるほどではないが。
「魔力か、羨ましいな」
俺よりアルフェの方が攻撃系の成長が早そうだな。
今の俺は尻尾の攻撃だけだもんな。
そう言えば毒攻撃を持っていたか?
ただ毒の出し方が分からないんだよな。
魔力を掴むコツをアルフェに教えて貰ったら出来るようになるかな?
後で聞こう。
「ねぇ、ラルグ」
「何?」
「もしかして魔石をまた集めないと駄目なのかな?」
「…………そうだな」
「やっぱり!」
ラルグの答えに羽をバタバタと動かす。
疲れたアピール。
まぁ、ラルグも自分の出した答えに、項垂れてるけど。
「アルフェ」
「何?」
「後で魔力の感じ方を教えてくれ」
魔力の?
なぜ今?
「魔法で魔石を一気に集められたら便利だよな」
まったく魔力を感じないが、絶対にコツを掴んで魔石を集める時に使ってやる。
「なるほど、魔法があるんだから使わくちゃね」
「あぁ、頑張ろう」
「うん…………今は、魔石を集めるのを頑張らないと駄目だけどね」
「分かってるよ。ちょっと現実から目を背けただけだって」
アルフェからの視線がちょっと痛いような。
きっと気のせいだ。
よし、魔石を頑張って集めよう。
あっ、集めだした。
ふ~、ラルグだけにやらせるわけにはいかないから頑張りますか。
それにしても100個の魔石か。
さっきより増えてるよね。
「あれ? 2個も掴めた。なんで?」
足でつかんだ魔石の数は2個。
両足で4個も一気に持つことが出来た。
さっきはどんなに頑張っても1個が限界だったのに。
今は余裕で2個をガッツリ掴んでいる。
今回の魔石が小さいのか?
見た感じは変わらない大きさのような気がするけどな。
「まぁ、一気に掴める数が増えるのは嬉しい」
玄関前に集めた魔石の小さな山。
100個のはずなんだが、どう見ても100個以上あるような気がする。
カランカラン。
最後の魔石をアルフェが集めてきた。
「これで最後だと思う」
「了解。なぁ、これ100個以上あるよな?」
「私もそう思う。絶対100個以上だと思う」
まぁ、多い方がいいよ、たぶん。
玄関前に来ると自動ドアがスーッと音もなく開いた。
便利だけど、不便だよね。
「魔石を確認しました! 吸収します」
女性の機械音が聞こえると、魔石がカタカタと動き出す。
そして1つ1つ淡く光ると通路から玄関に入って部屋まで飛んで行った。
「魔石吸収は楽だよね。玄関を開けたらいいだけだもん」
アルフェの言葉に頷く。
飛んでいるアルフェには見えないが。
「また動けなくなると大変だから。部屋に戻ろう」
「そうだね。それに魔石150個集まったよね?」
「あぁ、光と影ってやつか?」
何を生むのか分からないが、次はあれを選ばせたいんだろうな。
「そうそう」
次は何が起こるのか。
なるべく優しいのをお願いしたい。
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