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魔王Lv?
36話
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やたら成長したラルグに呆然とする。
この短時間に何があったの?
やたら強い魔物と戦ってただけだよね?
進化?
戦っている最中に?
「すごいだろ。魔物を倒して喜んでいたら急に視界が高くなって、気付いたらこのデカさになってた」
あぁ、倒した後か……。
「体は平気? 私みたいに痛くなったりは無いの?」
「それは大丈夫だ。それより、木箱と紙袋が気になるな」
やたら存在感のある木箱だよな。
これで開けたら魔物の死体とか……まぁ、それは無いか。
とりあえず、家に戻って休憩したい。
「家に戻るか」
「そうだね……ねぇ、家がおかしくな事になってるんだけど……」
「ん?」
後ろを振り向くと家が……黒い雲に覆われて見えなくなっていた。
どうなってるんだ?
アルフェを見ると、ため息を吐いている。
「ここで休憩する?」
「でも、入り口はあるぞ。ほら、俺たちが出入りしている通路が見える」
視線の先に、いつも出入りする時に通ってくる通路がしっかりと見えている。
つまり黒の雲に覆われていても家には入れるようだ。
入る勇気があるかは別として。
「入れちゃうね」
「そうだな」
正直、入りたくない。
何だか禍々しいんだもん。
でも、ゲームを進めるには王座か魔石を集めるあの部屋に行かないと駄目なんだよね。
何処にいてもゲームが進むようになればいいのに。
「はぁ、帰ろうか」
「だな」
ここにいても仕方ないからな。
アルフェが木箱を運ぼうと足で持ち上げる。
すっと持ち上がるところを見ると、軽いのだろうか?
「アルフェ、その木箱軽いのか?」
「ん? そう言えば、重くないよ」
「そうか。紙袋は5個だな?」
「たぶんね」
アルフェの後を紙袋を銜えてついていく。
通路に入る時はさすがにちょっとドキドキする。
黒い雲は近くによっても、中が見えず本当に真っ黒だった。
「不気味だね」
アルフェの言葉に首を縦に振る。
口に銜えていると声が出せないのが不便だな。
手が欲しい。
「あれ? 玄関が空いてる」
アルフェの視線を追うと、確かに玄関の扉が開いている。
閉めて出たはず、と言うか自動で閉まるので空きっぱなしなることは無い。
口から紙袋を離す。
「閉まらないな」
誰かが開けて入ったなら、そろそろ閉まるはずだが閉まらない。
さっきの黒い雲のこともあるし、何か気持ち悪い。
「入るぞ」
そろそろと玄関に近付く。
そっと中を窺うが、出ていった時と何も変わらない。
アルフェが上空からすっと玄関に入ったのが見えた。
「アルフェ?」
ラルグの後ろから中を窺っても特に問題はなさそう。
なら入って確かめるしかないよね。
荷物もあるし、入るか!
「大丈夫そうだよ」
「お前な~。もう少し警戒しろよな」
「ラルグは警戒し過ぎ」
まったく。
怖がっていてもしょうがないでしょ!
さて、廊下を飛んでるけど特にないもないね~
建物内の形は変わって無しい。
「あっ、ラルグ~。玄関閉まった?」
後ろをのろのろ移動しているラルグに声を掛ける。
そっと後ろを見ると、口に紙袋を銜えたラルグが頷くのが見えた。
口に銜えて移動するラルグの蛇姿を見たけど……なんだか間抜けだ。
今銜えているのが、紙袋だからかな?
それにしても大きくなったよね~。
……あれ?
この廊下って、こんなに広かったかな?
もしかしてラルグに合わせて広くなった?
考えてみれば、勝手に変わっていく建物ってホラーよね。
そういう映画があったような気がするな。
「いつか、幽霊の配下が出来たりするのかな?」
ちょっと面白いかも。
王座を扉を体で押してみると、すっと開く。
あれ?
軽くなった?
気のせいかな?
「よいしょっと」
木箱を王座の前に置く。
何が入っているのか、楽しみだな。
不気味な物だったら困るけどね。
王座に入っていくアルフェの後を追うと、王座の前に木箱を置きその上で羽を休めるアルフェの姿があった。
あれ?
アルフェの羽に何かついてる?
「アルフェ。ちょっと羽を広げて見せてくれないか?」
「いいけど、どうしたの?」
アルフェが俺に向かって背中を向けると羽を広げる。
やっぱり。
真っ黒だったアルフェの羽に、白? 違うな銀色の模様が見えた。
「アルフェ、羽に銀色の模倣が出来たみたいだ」
「えっ、嘘! ん~、見えない」
アルフェが羽の後ろを見ようと、木箱の上でくるくる回っている。
「危ないぞ」
「だって、見たいし」
羽がデカすぎて制御しずらいのか、上手く羽の模様を見られないようだ。
見ている俺は面白いけど、危ないよな。
「あっ!」
「ちょっ、アルフェ!」
木箱から落ちつたアルフェに急いで駆け寄ると、蝙蝠の頬が少し膨れているような気がする。
もしかして拗ねてるのか?
と言うか、蝙蝠の頬なんてよく見えたな。
視力が上がってるのか?
「拗ねるなよアルフェ」
「はぁ、もうあきらめた。ねっ、模様はかっこいい?」
俺に向かって羽を広げて見せるアルフェ。
その声は楽しそうだ。
それに苦笑を浮かべながら、アルフェの羽の模様を確認する。
美的センスは無いが、かっこいいと思う模様だ。
「かっこいいと思うぞ。俺は、好きだ」
「本当? ありがとう」
「おめでとうございます! レベルアップ確定! 配下を手に入れろ! 1つ確保? それともいらない?」
びっくりした~。
いきなり叫ばないでよ、まったく。
ん?
配下?
「配下を作れるって!」
「みたいだな」
レベルアップか、なんだか早いな。
さっきの魔物が原因か?
「1つ確保!」
「おい、アルフェ」
仲間をゲット!
これでもっと賑やかになるし、ラルグが私に依存するのも改善されるはず!
「確認しました。誕生しました」
誕生?
王座の部屋の見渡す。
何もない。
「ラルグ、何か見える?」
アルフェと一緒に部屋の隅々まで見るが、配下らしき者はいない。
「いないな。バグか?」
「えぇ~。今、それが起こる? 止めてよ~」
「配下を増やしますか? 次へ進みますか?」
1人の配下もいないのに増やすはおかしいはずだが……。
とりあえず増やすしかないよな。
アルフェは随分と配下が欲しいみたいだし、次こそ!
「配下を増やす」
「確認しました。誕生しました」
また誕生させたと聞こえたが、王座には変化がない。
どうなってるんだ?
「配下を増やしますか? 次へ進みますか?」
「もう、こうなったら! 意地でも手に入れる!」
アルフェが切れたのか、次々と配下を増やすを選ぶが王座の間に配下は現れない。
数十回繰り返すと、
「上限になりました。次へ進みます」
何も手に入れない状態で終わったようだ。
と言うか、上限があったのか。
「どうなってんの? なんで?」
せっかく仲間が手に入ると思ったのに!
「ん~、もしかして」
そうだ。
使われていない部屋が1つある。
まさかとは思うが、そこに誕生している可能性は無いか?
「どうしたの?」
「誕生させた場所が、ここじゃない可能性は無いか?」
「えっ? あっ、あの部屋!」
俺の言葉に、アルフェがパタパタと王座から飛び立つ。
その後を追うように、俺も移動する。
王座を出ると、扉を開けるアルフェの姿が見えた。
あれ?
アルフェには、あの扉が重くて開けられなかったはずだけど……。
「あった~! それもいっぱい」
そりゃ、繰り返し誕生させったからな。
いったい何人の配下が出来たんだ?
部屋に入ると、視界に入ったのは部屋中に転がる卵。
「……えっと、これは?」
「中に何かいるから、これが配下みたいだよ」
アルフェに近付き、傍にある卵の中を一緒に覗き込む。
白く見てたはずの卵は覗き込むと、中が見える。
そして確かに何かが動いている。
「生まれるの楽しみだね。全部で20個!」
そうか?
楽しみか?
卵の中に見るのはどう見たって、人ではない。
まぁ、俺たちの姿を見れば、おおよそ想像は出来るが……。
それにしても20匹の配下?
いったい、どんな集団になるんだ?
この短時間に何があったの?
やたら強い魔物と戦ってただけだよね?
進化?
戦っている最中に?
「すごいだろ。魔物を倒して喜んでいたら急に視界が高くなって、気付いたらこのデカさになってた」
あぁ、倒した後か……。
「体は平気? 私みたいに痛くなったりは無いの?」
「それは大丈夫だ。それより、木箱と紙袋が気になるな」
やたら存在感のある木箱だよな。
これで開けたら魔物の死体とか……まぁ、それは無いか。
とりあえず、家に戻って休憩したい。
「家に戻るか」
「そうだね……ねぇ、家がおかしくな事になってるんだけど……」
「ん?」
後ろを振り向くと家が……黒い雲に覆われて見えなくなっていた。
どうなってるんだ?
アルフェを見ると、ため息を吐いている。
「ここで休憩する?」
「でも、入り口はあるぞ。ほら、俺たちが出入りしている通路が見える」
視線の先に、いつも出入りする時に通ってくる通路がしっかりと見えている。
つまり黒の雲に覆われていても家には入れるようだ。
入る勇気があるかは別として。
「入れちゃうね」
「そうだな」
正直、入りたくない。
何だか禍々しいんだもん。
でも、ゲームを進めるには王座か魔石を集めるあの部屋に行かないと駄目なんだよね。
何処にいてもゲームが進むようになればいいのに。
「はぁ、帰ろうか」
「だな」
ここにいても仕方ないからな。
アルフェが木箱を運ぼうと足で持ち上げる。
すっと持ち上がるところを見ると、軽いのだろうか?
「アルフェ、その木箱軽いのか?」
「ん? そう言えば、重くないよ」
「そうか。紙袋は5個だな?」
「たぶんね」
アルフェの後を紙袋を銜えてついていく。
通路に入る時はさすがにちょっとドキドキする。
黒い雲は近くによっても、中が見えず本当に真っ黒だった。
「不気味だね」
アルフェの言葉に首を縦に振る。
口に銜えていると声が出せないのが不便だな。
手が欲しい。
「あれ? 玄関が空いてる」
アルフェの視線を追うと、確かに玄関の扉が開いている。
閉めて出たはず、と言うか自動で閉まるので空きっぱなしなることは無い。
口から紙袋を離す。
「閉まらないな」
誰かが開けて入ったなら、そろそろ閉まるはずだが閉まらない。
さっきの黒い雲のこともあるし、何か気持ち悪い。
「入るぞ」
そろそろと玄関に近付く。
そっと中を窺うが、出ていった時と何も変わらない。
アルフェが上空からすっと玄関に入ったのが見えた。
「アルフェ?」
ラルグの後ろから中を窺っても特に問題はなさそう。
なら入って確かめるしかないよね。
荷物もあるし、入るか!
「大丈夫そうだよ」
「お前な~。もう少し警戒しろよな」
「ラルグは警戒し過ぎ」
まったく。
怖がっていてもしょうがないでしょ!
さて、廊下を飛んでるけど特にないもないね~
建物内の形は変わって無しい。
「あっ、ラルグ~。玄関閉まった?」
後ろをのろのろ移動しているラルグに声を掛ける。
そっと後ろを見ると、口に紙袋を銜えたラルグが頷くのが見えた。
口に銜えて移動するラルグの蛇姿を見たけど……なんだか間抜けだ。
今銜えているのが、紙袋だからかな?
それにしても大きくなったよね~。
……あれ?
この廊下って、こんなに広かったかな?
もしかしてラルグに合わせて広くなった?
考えてみれば、勝手に変わっていく建物ってホラーよね。
そういう映画があったような気がするな。
「いつか、幽霊の配下が出来たりするのかな?」
ちょっと面白いかも。
王座を扉を体で押してみると、すっと開く。
あれ?
軽くなった?
気のせいかな?
「よいしょっと」
木箱を王座の前に置く。
何が入っているのか、楽しみだな。
不気味な物だったら困るけどね。
王座に入っていくアルフェの後を追うと、王座の前に木箱を置きその上で羽を休めるアルフェの姿があった。
あれ?
アルフェの羽に何かついてる?
「アルフェ。ちょっと羽を広げて見せてくれないか?」
「いいけど、どうしたの?」
アルフェが俺に向かって背中を向けると羽を広げる。
やっぱり。
真っ黒だったアルフェの羽に、白? 違うな銀色の模様が見えた。
「アルフェ、羽に銀色の模倣が出来たみたいだ」
「えっ、嘘! ん~、見えない」
アルフェが羽の後ろを見ようと、木箱の上でくるくる回っている。
「危ないぞ」
「だって、見たいし」
羽がデカすぎて制御しずらいのか、上手く羽の模様を見られないようだ。
見ている俺は面白いけど、危ないよな。
「あっ!」
「ちょっ、アルフェ!」
木箱から落ちつたアルフェに急いで駆け寄ると、蝙蝠の頬が少し膨れているような気がする。
もしかして拗ねてるのか?
と言うか、蝙蝠の頬なんてよく見えたな。
視力が上がってるのか?
「拗ねるなよアルフェ」
「はぁ、もうあきらめた。ねっ、模様はかっこいい?」
俺に向かって羽を広げて見せるアルフェ。
その声は楽しそうだ。
それに苦笑を浮かべながら、アルフェの羽の模様を確認する。
美的センスは無いが、かっこいいと思う模様だ。
「かっこいいと思うぞ。俺は、好きだ」
「本当? ありがとう」
「おめでとうございます! レベルアップ確定! 配下を手に入れろ! 1つ確保? それともいらない?」
びっくりした~。
いきなり叫ばないでよ、まったく。
ん?
配下?
「配下を作れるって!」
「みたいだな」
レベルアップか、なんだか早いな。
さっきの魔物が原因か?
「1つ確保!」
「おい、アルフェ」
仲間をゲット!
これでもっと賑やかになるし、ラルグが私に依存するのも改善されるはず!
「確認しました。誕生しました」
誕生?
王座の部屋の見渡す。
何もない。
「ラルグ、何か見える?」
アルフェと一緒に部屋の隅々まで見るが、配下らしき者はいない。
「いないな。バグか?」
「えぇ~。今、それが起こる? 止めてよ~」
「配下を増やしますか? 次へ進みますか?」
1人の配下もいないのに増やすはおかしいはずだが……。
とりあえず増やすしかないよな。
アルフェは随分と配下が欲しいみたいだし、次こそ!
「配下を増やす」
「確認しました。誕生しました」
また誕生させたと聞こえたが、王座には変化がない。
どうなってるんだ?
「配下を増やしますか? 次へ進みますか?」
「もう、こうなったら! 意地でも手に入れる!」
アルフェが切れたのか、次々と配下を増やすを選ぶが王座の間に配下は現れない。
数十回繰り返すと、
「上限になりました。次へ進みます」
何も手に入れない状態で終わったようだ。
と言うか、上限があったのか。
「どうなってんの? なんで?」
せっかく仲間が手に入ると思ったのに!
「ん~、もしかして」
そうだ。
使われていない部屋が1つある。
まさかとは思うが、そこに誕生している可能性は無いか?
「どうしたの?」
「誕生させた場所が、ここじゃない可能性は無いか?」
「えっ? あっ、あの部屋!」
俺の言葉に、アルフェがパタパタと王座から飛び立つ。
その後を追うように、俺も移動する。
王座を出ると、扉を開けるアルフェの姿が見えた。
あれ?
アルフェには、あの扉が重くて開けられなかったはずだけど……。
「あった~! それもいっぱい」
そりゃ、繰り返し誕生させったからな。
いったい何人の配下が出来たんだ?
部屋に入ると、視界に入ったのは部屋中に転がる卵。
「……えっと、これは?」
「中に何かいるから、これが配下みたいだよ」
アルフェに近付き、傍にある卵の中を一緒に覗き込む。
白く見てたはずの卵は覗き込むと、中が見える。
そして確かに何かが動いている。
「生まれるの楽しみだね。全部で20個!」
そうか?
楽しみか?
卵の中に見るのはどう見たって、人ではない。
まぁ、俺たちの姿を見れば、おおよそ想像は出来るが……。
それにしても20匹の配下?
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