凶器は透明な優しさ

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姫乃ちゃんとのお出かけ

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私の恥ずかしい姿を晒した後は、まともに姫乃ちゃんの事を見られなかった。
そんな私に、姫乃ちゃんは何度も紗希先輩可愛い~って言い続けた。

あぁもう!これまで経験した事がない辱めにあったよ。

その後は、姫乃ちゃんを家まで送らないといけないと思っていたのに、

「今日は送らなくても大丈夫ですよ。今の先輩だと私の家から帰る時が逆に不安になっちゃうので」

こんなことを言われたので、もういいもんって思って玄関でお見送りをすることにした。

その時に姫乃ちゃんが、

「もし寂しかったらぎゅーってしてあげましょうか?」

って冗談と分かる顔で言ってきたので、速攻で「結構です」と返事をして見送った。



翌日は朝から気持ちのいい快晴になった。

昨日のことはすっぱりと忘れて、久しぶりのお買い物を楽しんでやる。

今日はどのくらい買い物をするのか分からないから、動きやすい服装にしておいた。
下は青いジーンズに白のシューズ、そして白いシャツを着てその上にシンプルな黒いジャケットを着た。
まぁ本当のことを言うと、同じような服しか持ってないだけなんだけど。

それにしても休日にわざわざ買い物に行くなんて久しぶりだな。
大学からの友達と遊んだ時以来だから半年ぶりぐらいかな?

お昼ご飯を一緒に食べようって話だから、ちょっと早いけど11時30分に集合することになった。
そして集合場所は王道の駅前!
ではなく、姫乃ちゃんの家の前です。
こんだけ家が近かったら、わざわざ待ち合わせをして時間を無駄にするのも馬鹿らしいもんね。

約束の時間の5分前に着くように歩いていくと、もうすでに姫乃ちゃんが家の前で待っていた。

私服姿の姫乃ちゃんは会社で見るよりも可愛さが桁違いだった。

足元は、今日は動き回るぞという気合いが見える白いシューズで
そのシューズから出てくるのはレース柄の靴下を履いた真っ白な素肌
更に上に目を向けると、花柄の小さな模様がアクセントになった白いワンピース
そしてこの可愛いコーデを着ているのは絵本の中からやってきたのかと言うほど透明感のある少女

全身を可愛いで包まれた姫乃ちゃんは抜群に可愛かった。

私はわざと難しい顔をしながら姫乃ちゃんに近寄っていった。

「おはよう姫乃ちゃん」
「あっ紗希先輩おはようございます。…どうしたんですか、難しい顔をして?」
「いや姫乃ちゃんの服装がなぁ~」
「えっ、どこかおかしなところでもありましたか?」

姫乃のちゃんが自分の姿を確認しだした。

「おかしなところはないけど、そんな格好でこられたら今日は大変だなって思って」
「ダメでしたか?」

ちょっと不安気な顔をしたところで私が頭を振る

「いやぁ~そんなに可愛い格好をされたら、今日は男どもの視線や、ナンパから姫乃ちゃんを守り切らないといけないなって思ってたところ」
「えっ!?」

思いもよらない言葉が来たからビックリしている姫乃ちゃんに更に追い討ちをかける。

「元の素材がすでに可愛いで構成されているって言うのに、更に服装で可愛さを倍増させるんだもん。そりゃあ姫乃ちゃんの可愛さでイチコロになる男性が多いに決まっているじゃない」

私の言葉でアタフタしながら照れている姫乃ちゃんを見て、私はほくそ笑んでいた。
すると、落ち着きを取り戻した姫乃ちゃんが何か気づいたような顔で言ってくる、

「もしかして…昨日私が必用以上に可愛いって言い続けた仕返しのつもりじゃないですよね?」

あっ、結構あっさりとばれた。
昨日は慣れない言葉を言われ続けて辱めを受けたのでちょっとした仕返しのつもりであった。

「どうかな?でも可愛いと思ったのは本当だよ」
「もぅ、そう言って誤魔化して。まぁ悪い気はしませんけどね」

そう言いながら駅の方に歩いて行く姫乃ちゃん。

「でも!」
「どうしたの?」

振り返ってこちらを見る姫乃ちゃんは満面の笑顔でこう言った。

「紗希先輩の方がずっと綺麗ですけどね」
「…もぅ」

だめだなぁ、やっぱり私の方が照れてしまうようだ。

そうして、少し勝ち誇った顔をした姫乃ちゃんの隣を、姫乃ちゃんの歩幅に合わせて一緒に歩いて行く。


それから私たちは最寄駅から2駅乗ってショッピングモールがある駅で降りた。

とりあえず改札口から出てショッピングモールの方に歩いていく。
特別食べたいものもないので、姫乃ちゃんにお昼ご飯をどうしようか聞いてみた。

「紗希先輩は何か食べたいものはありますか?」

予想通りの返答が返ってきたので、私も同じように聞き返す。

「今日は姫乃ちゃんが食べたいものを一緒に食べたいな」

それじゃあと言って姫乃ちゃんは迷いない足どりで、ショッピングモールを通り過ぎて5分ほど行ったところにある洋食屋?に私を連れてきてくれた。

外観は古めかしい雰囲気で、入り口のドアの周りは植物のつたで囲われていた。
だけど店の周りは色鮮やかな花々で包み込んでくれているから、決して怖い感じはなく、絵本の世界に出てくるよう柔らかい雰囲気をしているお店だった。

ドアを開けると、そこは自然の中に突如現れたキッチンのようであった。

天井に開けられた窓からは、柔らかな太陽の光が降り注ぎ、店内の落ち着いた色のテーブルとイスを照らしている。
そして壁際には、決して自分からは主張してはこないけど、ふっと横を見ると小さく笑ってくれているような可愛らしいお花達がこちらを見ていた。

店員さんに案内されて自然の中に腰を下ろし、姫乃ちゃんに話しかける。

「よく知ってたねこんな良い場所、自分だったら勇気が出なくて入れなかったよ」

そんな私の疑問に対して、してやったりと言わんばかりの顔をした姫乃ちゃんが答える。

「そう言ってもらえると嬉しいです。でも実は自分も初めてきたんですよ」
「えっその割には全然迷わずにきてたよね?」
「実は昨日のうちに紗希先輩が喜んでくれそうな場所をネットで探しまくったんですよ。それど今日はここに先輩をエスコートしようと思って道順を丸暗記してました」

私のために、昼食の場所を探してくれるだなんて…なんて良い子なんだろう。

「そうなんだ、でも私って可愛い物が好きなイメージはないのになんでこの場所にしたの?もちろん、このお店の雰囲気はすっごい好きだけど」

姫乃ちゃんはキメ顔で言う。

「そりゃもちろん、可愛いは正義だからです!可愛い物に囲まれていれば気持ちも安らぐでしょ?」
「まぁ確かにそうかも」
「でしょでしょ!」

まぁ私としては、今みたいにそんあ笑顔を向けてくれる姫乃ちゃんを見ている方が安らぐんだけどなぁ。
あえて言う必要もないから、あなたの顔を眺めるだけに留めるけどね。


その後は、お互いに好きな食べ物を頼んだ。
私はオムライスを、姫乃ちゃんはカルボナーラを頼んだ。
二人とも挑戦的なものよりも王道が好きなみたいだった。
ちょっと行儀は悪いけど、お互いの食べ物をちょっとずつもらったりして両方の料理を味わっていった。

「姫乃ちゃんはパスタだとカルボナーラが好きなの?」
「そうですねぇ、何を頼むか悩んだら頼んでしまうぐらいには好きですね」
「なんだかハッキリしないね」
「う~ん、家だと結構手間がかかるのでわざわざ作らないんですよ。だからお店で食べる時には気づいたら頼んでいることが多いんです」

料理を作ることがない私からしたら、カルボナーラってレトルトをチンするものだからわからなかったな。

「そうなんだ。またいつか姫乃ちゃんの美味しいカルボナーラも食べてみたいな」
「このカルボナーラと比較されると流石に辛いんですけど?」
「大丈夫!絶対に美味しいから」
「いや、だから無駄にハードルをあげないでくださいよ~」

こんなどうでも良い話をしなが二人して料理を食べた


お互いに満足いくまで食べたところで席を立って会計を済ませる。
今日は姫乃ちゃんが色々と準備をしてくれたようなので、私が払うと押し通した。

「あれっ。紗希先輩やっぱりこのお店が気に入ったんですね」

私がしれっとこのお店のスタンプカードを作ったのを気づかれたようだ。

「うん、このお店の雰囲気が結構好きになっちゃったからね。でも1人だとちょっと入りにくいかもな」

そう言って姫乃ちゃんの方を見ながら続けて言う

「だから次も一緒に来てくれる?」

「はい、もちろんです!」

姫乃ちゃんは元気よく返事をしてくれた。
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