あなたと観たい景色

如月 りん

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四章 寄り添う

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「琥珀くん、きょうは何する?」
「勉強を教えてほしいです。」
「勉強か・・・」
「駄目、ですか?」
「駄目、じゃないけど
 勉強は、月曜にして
 今日はお話ししない?」
琥珀くんは渋々だが、頷いてくれた。
「綾音様、琥珀様
紅茶をお持ちしました」
タイミングよく凛花さんが紅茶を持って来てくれた。
それからいろいろな話をした。
好きなこと、苦手なこと、
両親のこと、凛花さんとの生活
そして、学校のこと。
「綾音さんは僕がなんで学校に
行っていないか、聞かないんですか?」
「聞きたくないって言ったら嘘になる。
 でも、琥珀くんが言いたくなるまで待つよ」
「ありがとうございます」
「そろそろ帰るね、また月曜日。」
「はい。また月曜」
中学の教科書、押し入れにあったっけ?
明日は一日中勉強かな・・・
凛花さんに挨拶して家に帰る。
中学で学んだはずのことのが、
あまり、理解できなくなっていた。
徹夜をして、国語、社会、英語、理科、数学
ざっくりだが、習ったことを思い出すことができた。
そして挑んだ月曜日
「綾音さん、教え方上手いですね」 
凄く安心した。頑張ってよかった。
「そういえば、去年の期間テストとかって
点数どうだったの?」
「去年は5教科トータル460点ほどです」
凄い、勉強できるんだ。私そんな点数とったことない。
「あの、綾音さん」
「僕が学校に行けなくなった理由聞いてくれますか?」
「うん」
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