輪廻に踊れウィリアム

佐々木犬蛇MAX

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第1章 亡国の騎士

1.3 狭間渡り

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 ウィルは言葉を失った。

 顔を覆っていた包帯がゆっくりと外され、クレアの傷跡が露になる。

 3本の創痕で左顔面は大きく抉れて裂けた頬は耳の付け根にまで達している。傷もまだ乾ききっておらず血が滲み膿んでいた。

 麗しき少女であることを差し引いても、傍から見れば誰もが目をそらしたくなるような凄惨は状態だ。

 けれども当のクレアはというと看護婦がかざした鏡を覗き込みさして気にした様子もなく笑った。

「くハハッ。ひどく凶悪な面構えになったな。視力が残っていたのはツイていた。書を読むにも片目だけでは一苦労だ」

「・・・笑い事じゃないよクレア。死にかけたんだよ?」

 魔獣の襲撃を受けたあの日から半月ほどが経過していた。

 あの日から今日に至るまでクレアは酷い高熱に侵され、ようやく意識を取り戻したのは昨日未明のころだった。目が覚め、目の下に大きな隈を作り泣きそうになりながら覗き込んでいたウィルに向かって口にしたのは、「貴様を拾ったあの時と逆だな。乙女の寝顔をまじまじと眺めるな馬鹿者」といつもと変わらぬ憎まれ口だった。

「ちょうどいい。父に仕組まれた見合い話をどうはぐらかしたものかと考えておったがこの醜い顔なら向こうから取り下げて来るだろう ・・・っ! ・・・うむ、やはり口元がすこし引き攣るな」

 包帯を取り換え看護婦を下がらせると城仕えの老医師といくつか問答を交わす。

 潰された右腕と左脚は幸いにして切断せずに済んだということ。しかし、完治したとしてもこれまでのように細かな作業をしたり正常に歩行するためには辛く厳しい訓練が必要だろうということだった。

 そんな話をされてもクレアは、魔王の手先に命を狙われその程度で済んだのは幸運だったと決して悲観することはなく医師に治療の礼を言い、ウィルと二人きりにしてくれるよう部屋にいた従者も含め全員を体質させた。

「・・・それで? なにか言いたそうじゃあないか"臆病者のウィル"よ。なにを分不相応に責任を感じておるのだ?」

 クレアは少しだけ真剣な面持ちでそう尋ねた。主の見透かした物言いにウィルは内心どきりとしたが、隠し事などできないだろうと腹をくくって口を開いた。

「クレア・・・君にお願いがあるんだ」

「ダメだ」

「・・・! まだ何も言ってないじゃないか!」

「聴かなくても分かる。どうせろくなものではない」

「ボクをもう一度! 騎士団に入れてほしい! 雑用でもなんでもするから!」

「ふざけるな!!!!」

 怒声を張り上げたクレアに対して、ウィルは驚き半分覚悟半分に居直った。クレアの怒る姿は数多くみれど、これほどまでに感情を高ぶらせる彼女を見たのはウィルにとっても初めてだった。

「ボクに戦う勇気があればクレアを守れたかもしれない!!」

「自惚れるな! 貴様に多少の武勇があろうとも魔物相手に何ができる!? むしろ無様に縮こまっていたおかげで貴様は生きながらえたのだ! 無謀にも奴に斬りかかっておればとっくに殺されておったわ!」

「ボク強くなるから! クレアを守れるくらいに! クレアを傷つける世界を変えられるくらいに強くなるから! お願いだよ!」 

 ウィルにとってしてクレアに対して何かを言い返したのは初めてだった。

 クレアの言うとおりに行動するのが、クレアの為になるのだと信じていた。けれどもそれだけでは足りないのだ。クレアには何か成す事があるのだろう。それを成し遂げるためには剣と盾がいる。そしてそれは自分の役割だとウィルはどこか確信していた。

「情けなく泣き崩れ、試合すらもまともに行えなかったことを忘れたのか? 貴様に戦士たる素養はない! 今まで通り従者として私のそばにおればよいのだ!!」

「・・・クレアはなにを知っているの? "13本目の鍵"ってなに?」

「――――!」

 あの時、魔獣に対して口にした"13本目の鍵"という言葉。それが何を指すのかは分からない。だけれど、この世の支配者たる魔王を動かす何かをクレアは知っている。

 クレアは一瞬だけ眼を見開き、一度だけ深く長い息を吐きだした。クレアの怒りの熱がそっと引いていく。そしてそのままウィルに背を向けてベットへと倒れ込んでしまった。

「・・・・・・・」

 暫しの沈黙が流れる。

 ベットへと横たわり黙り込んだクレアの姿は、普段の物言いからウィルもすっかり忘れてしまっていたが、ふてくされた幼子のように歳相応の弱々しさを醸し出していた。

 ベットに優しく座り込み、そんな小さな背中にそっと手を添えるとウィルは震える声で言い聞かせた。

「お願いだよクレア。ボクは変わらないといけないんだ。"臆病者のウィル"のままだと一番大切な女性ひとを守れない」

「・・・我が国は滅びるぞウィル。いや、国だけではない、我々人類は魔王に負ける。5年か、10年か、そう遠くはないだろう。ただでさえ数を減らした人類の尽くがむごたらしく殺されるだろう」 

「・・・そうですか」

「これから先の混沌の時代。半端な武勇では死期を早めるだけだ。ウィル、お前は私のそばで手助けをしてほしい。私は・・・・お前にはできれば死んでほしくない。生きながらえることはできたが、代わりにくれてやりたくない情報を魔王に与えてしまった。もう猶予は無いのだ。」

「・・・・ごめんクレア、それでも、ボクは・・・」

 再び、沈黙が流れるとウィルは思った。けれどもクレアはそのままウィルに一瞥もくれることなく、

「・・・勝手にしろ」

 と、つぶやきそのまま眠りについてしまった。

 ウィルもまた、ありがとうとだけ礼を言い部屋を後にする。

 最後に、扉を開けて出ていこうとしたウィルに向かってクレアは言った。

「・・・・私のことはコレからは姫様と呼べ」

「・・・・うん、わかった。あ、そうだ」

 ウィルは優しく微笑む。

「クレアの顔の傷ボクは醜いなんて思わないよ。不思議とキミによく似合っている」



 その日から、ウィルは騎士としての訓練に没頭した。

 来る日も来る日も剣を振り、厳しい演習に耐えた。

 少しずつではあるものの、対人戦や魔物との戦闘を重ね以前の"臆病者のウィル"は影を潜め、段々と他の騎士団の仲間たちからも信頼されていくようになる。

 反面、クレアとは会話する機会もめっきり少なくなり、二人の距離は離れていった。

 そんな日々は、ハイデリア王国の滅びるその日まで続くのだった。







§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§







 なぜ昔のことなど思い出しているのだろう?

 あれから、

 なんとなくクレアと話しづらくなっちゃって、

「―――・・―――・―――!」

 あの日、

 魔王軍にハイデリアが攻め滅ぼされたあの日、

 クレアを連れて逃げ出した、

「―――ませ! ―――・・――――ル!」

 ハイデリア王も妃様も、

 一緒に戦った騎士団のみんなも死んじゃって、

 それでボクは、

 ボクはどうしたんだっけ?

「目を―――せ! ―――― 死ぬな! ―――ウィル!!」

 ボクは、

 ・・・クレア?

 クレアは無事なのか?

「いい加減に目を覚まさぬか!! 貴様の死に場所はここではないぞウィル!!」

「あれ・・・姫、様? どうしたの・・・?」



 冷たい石壁を背にしてウィルは意識を取り戻した。

 全身に大小さまざまな傷を負いボロボロだ。

 そんなウィルの胸ぐらを掴み、鬼のような形相で揺さぶり起こしていたクレアもまた傷を増やしていた。

 ウィルの視線の先、開かれた視界の彼方で今ちょうどに日が水平線へと完全に沈み入った。

「どうしたではない。のんきに眠っている場合ではないぞ。"渡りの儀"には送る者と送られる者の最低2人必要だ。さっさと起きて最後の役目を果たさぬか」

 "渡りの儀"。その言葉でウィルは自分がどこにいるのかを思い出した。

「此処は"渡りの間"? そうだ魔孕蟲の群れと戦って、それから・・・どうしたんだっけ?」

 ウィルがゆっくりと立ち上がる。ふらふらと足元もおぼつかず、酷い頭痛に額を抑えた。

 ウィルとクレアがいる場所は砦の最上部に位置している石部屋の前だ。屋上に作られ扉以外の一切が硬い大理石で覆われたその一室は、外装に特殊な文様が隙間なく刻まれており、砦の他の部分に比べても異彩な雰囲気を漂わせている。

 灯りは無く、満点の星空と満ちた月光によって照らされたその姿は、この世ならざるどこかへと誘う魔界の門といった趣だ。

 ウィルはあたりを見回した。

 そこには幾つもの魔孕蟲の死体が転がっており、その死体の足跡は砦内へとつながる階段へと続いている。魔孕蟲の死体、その尽くが剣によって腕を、脚を、身体を両断されており、狭くはない屋上には緑色の血液で湖が出来上がっていた。

「そうか、間に合ったのか・・・」

「呆けている暇はないぞ。すぐにここも奴らに浸食される」

 クレアの睨む先。砦の周りの岩山に蠢いているのは節足をカサカサと動かす凶悪な魔孕蟲の群れ。岩肌を隙間なく埋めるほどの大群が暗黒の海から這い上がり際限なくその数を増やしている。

 ウィルが死力を尽くして切り倒した蟲の数など、奴らにとっては数にも満たない些細なことだ。

「ちょうど夜が来た。すぐに"渡りの儀"を始めるぞ。ウィル、これを持っておけ」

 そう言うとクレアは下げていた首飾りを胸元から取り出しウィルへと手渡した。

 手に握られたのは掛紐につながれた黒く曇る石。加工された宝石のような長方形の飾り石は濡れているように滑らかな石肌をしている。

 けれども王侯貴族の煌びやかな宝石のような輝きは持たず、月明かりを飲み込みその空間に穴でも開いたかのような漆黒を手のひらに作り出していた。

「これ・・・・・は?」

「あまり見つめるな。飲み込まれるぞ」

 夜の海や、大樹の洞。そんな不気味な暗がりがこの石には閉じ込められているのではないか。黒石を見ていると魂を吸い取られるような錯覚にウィルは陥っていた。

 「『墨影流秘石すみかげるひせき』。我がハイデリア城の宝物殿。その深奥に秘匿されていた国宝だ」

 クレアは淡々と述べていく。

「その正体は、今から300年前、ハイデリアの英雄『光の勇者』が相打ち滅したとされる『影統べる魔王"ハムレット"』が死する時に力の一部が結晶化された唯一無二の魔石だ。魔王ハムレットは、強大な力を持つ魔王の中でも唯一"界と界の狭間を渡る"能力ちからを持っていたという。要するに墨影流秘石はこれから行う"渡りの儀"の触媒であり、こことは別の世界への扉を開く魔術を行うために必須の魔具だ」

「・・・・ま、、、魔術!? なんで姫様が魔術なんて!? だって魔術は・・・・」

「それは・・・説明している暇は無いな」

 眼下で続々と砦に押し入る蟲の大群を睨みクレアは舌打ちをした。

「とにかく魔術に必要な陣と装飾の準備は終わらせてある。あとはこの石室に送られる者が入って、外から墨影流秘石を触媒にした儀式を行い"異界"へと送る。本当なら我も含めパーティを組んで異界へ渡り"目的"を果たすつもりだったが、この様子じゃ砦の兵たちも全滅だろう。せっかくあの災禍を生き延びたというのにつまらぬ死に方をさせてしまった」

 悔しそうなクレアだったがすぐに気持ちを切り替えた様子で扉を開け放つ。

「姫様! 儀式って何をやればいいの! 奴等がもう登ってきてる! 姫様は早く中に入って指示を―――!」

「あぁ、そうだ。もう―――"時間がない"」

「 ・・・・・・・え?」

 胸に熱を感じ不意に声が漏れる。熱を感じた部分、自身の胸部へと視線を落とすと一本の針が突き刺さっているのが目に入った。何事かと状況を飲み込めずにいると、その針を手にして突き立てた張本人が聴きなれない優し気な口調でこう言った。

「やはり便利だなこの"毒"は。お前との別れではあまり言葉を交わしたくない」

 ぐらりとウィルの身体から力が抜ける、そんなウィルの腹をけ飛ばすと踏ん張りの利かない脚は慣性に従って後ろへと進み石室の中へと倒れ込んだ。

 ばたりと扉が閉まる。光ひとつ入らない暗黒にウィルの叫び声が響いた。

「なにを,なにをしてるんだ!? クレアァ!!!!!!」

 部屋の外からクレアの消え入りそうな声が聞こえる。

「言っただろう? 送る者が必要で、そのためには儀式が必要だと。そして、お前に手取り足取り教えている時間なんてないんだ。私が送る他あるまいが?」

「ダメだ! 絶対にそれだけは! キミが言ったんじゃないか! ハイデリアの血筋を持つ自分は特別なんだて! ボク戦うよ! 外にいる蟲達だって全部ボクが倒すから、キミを守るから! お願い! 此処を開けてよクレア!」

 全身に痺れが回り力の入らない身体を無理やり動かし、扉を押すがビクともしない。外から錠のような何かで封じられているようだ。それでもウィルは何度も、何度も拳を扉に叩きつける。皮が破れ、骨が砕け、石壁に血が飛び散っても何度も何度も何度も何度も。

 その時、床に描かれたサークル上の魔法陣が淡い光に浮かび上がる。そしてその光は徐々に輝きを増し、眩しいほどの光に包まれたかと思うと、手に握られた墨影流秘石から純黒の闇が広がった。

 ウィルは慌てて石を床にたたきつけ踏み砕こうとするが、すでにそこに石としての物質は消えうせており、ただ空虚な闇を踏みつけただけだった。

「『草葉の陰 月夜の綿津見わだつみ 秘する想い 境界を払いて闇に溶ける ――― 』」

「クレア! ボクはキミがいないと生きる意味がないんだ! 言ったよね、ボクの命の全てはキミのモノだ! キミがいない生に意味なんてない!!」

「『拓け扉 陰に潜む混沌の獅子よ 繋がれ扉 光背負いし開闢の鳥よ 我が名はクレア・オーベム・クラウス・ハイデリア 我が真名の元に魔王ハムレットに願う 世界の枢を開けよ!』」

「クレアァ!!!!!!!」

 涙が止まらない。ウィルは理解していた、世界を魔王から人間の手に取り戻す。その願望の為にクレアは自分を犠牲にするつもりなのだ。

 ひと際強い光と何物をも飲み込む闇とが溶け合いウィルの周りを包み込んだ。

「ウィルよ、やることは分かっておるな? 世界から失せたはずの"魔王の魂"が向こう側にある。お前は必ずそれを取り戻し、再び帰ってこい」

 ウィルは叫んだ。けれど、声すらも闇が飲み込み溶かしてしまう。喉が裂けて血が噴き出るほどの必死の叫びも空気を揺らす前に飲み込まれてしまった。



「・・・・待っているぞ」



 そうして世界は繋がった。たった一人、生きる意味を失った騎士を連れて。





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