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立花キリカ その5
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立花キリカ その5
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。
母・ユイナと決別し、自ら桜原カエデとともに歩む道を選んだカエデは、カエデの『生徒』である竹田マサタカに導かれ、桜原カエデと邂逅する。
「はじめまして、立花キリカ...」
「それで、あんたはどうやって、私を楽しませてくれるわけ?」
「私は『来るべき日』のために、自分の力を分け与えた『生徒』達を探しているわ...」
「『生徒』...?マサタカみたいな、あんたの信者のことね?」
「おい、俺一応、お前より年上だぞ!」
「そんで、信者をここに集めてどうすんのさ?」
「その時になれば、わかるわ...」
「それじゃあ、説明になってないと思うんだけど?」
キリカがカエデに向かって狂撃波動を放とうとする。
「貴様ァ!先生になにをする気だァ!」
「だって、この人、隠し事してるんだもん、ならさ、こうしたほうが早いでしょう?」
マサタカがキリカに向かって右手のひらをかざす。
「先生に危害を加えるなら、容赦はしないぞ...」
「よしなさい...マサタカ、私は『生徒』同士が争う姿は見たくないわ...」
「お母さんはともかく、私はあんたの『生徒』になったつもりは『まだ』ないんだけど?」カエデがキリカをにらみつける。
キリカの全身をたとえようのない死の恐怖が駆け巡る。
「口を慎みなさい、あなたが母親から受け継いだ狂撃波動は、もともと私の体の一部...私がその気になれば、私は今すぐ、あなたから私の力の一部を取り戻すことができる...」
「なるほどね...ようは、アンタさァ、ここに集めた『生徒』達とやらから自分の力を吸収して、本来の力を取り戻したいだけなんじゃないの?」
カエデの本来の目的に気付いてしまったキリカを、マサタカが排除しようとする。
「先生、やっぱり、こいつはここで消しましょう...」
「その必要はないわ、その判断はわたしがする。でもキリカ、これだけは覚えていなさい、私の力を体の一部に取り込んでいる以上、あなたが何をしようと、私はあなたをいつでも殺せるわ、死にたくなければ、私の言うことを聞いたほうが身のためよ...」
「わかった...わかりたくないけど、わかったわよ!あんたの言うこと聞くから、この全身を駆け巡る気持ち悪いのをどうにかしてくれない?」
「いい子ね...これでどう?」
「ふぅ...それで、わたしは何をすればいいのかしら?」
「マサタカには、警備員として私を見守る使命がある、だから、あなたには、私の『生徒』をここに集める仕事をお願いしたいのよ」
「わかったわ...でも、連絡とかは、どうすればいいの?私は指名手配犯よ、警察やリンクマスター協会に盗聴でもされたら、先生の計画にかなり支障が出るんじゃないの?」
「賢いわね...連絡に関しては電子機器は避けて、今日、マサタカに案内された地下通路を使いなさい...」
「了解、なにか、リストはないわけ?」
「私から一応、お互いの体内の狂撃波動を通して連絡はしてるのよね、だから、生徒を見つけるのは案外簡単かもよ?」
「わかりづらいわね...でも狂撃波動の使い手なら、あちこちで悪さしてる可能性が高いってことね、そんで、先生の呼びかけを無視してる生徒達を説得して、ここに連れて来ればいいのよね?」
「そういうことね...たのんだわよ、キリカちゃん...」
「ええ、私はもう帰らせてもらうわ...」
「コレを使え...」
マサタカがキリカにキャッシュカードを手渡す。
「あんがと、どのくらい入ってんの?」
「見てのお楽しみだ」
「キリカちゃん...忘れちゃダメよ、『先生』と『生徒』は、たとえどこにいても、常に一つにつながっていることを...」
キリカはそのまま、各地に散らばった生徒達を探すために、日本リンクマスター協会を去った。
次回予告 温泉旅行 その1
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。
母・ユイナと決別し、自ら桜原カエデとともに歩む道を選んだカエデは、カエデの『生徒』である竹田マサタカに導かれ、桜原カエデと邂逅する。
「はじめまして、立花キリカ...」
「それで、あんたはどうやって、私を楽しませてくれるわけ?」
「私は『来るべき日』のために、自分の力を分け与えた『生徒』達を探しているわ...」
「『生徒』...?マサタカみたいな、あんたの信者のことね?」
「おい、俺一応、お前より年上だぞ!」
「そんで、信者をここに集めてどうすんのさ?」
「その時になれば、わかるわ...」
「それじゃあ、説明になってないと思うんだけど?」
キリカがカエデに向かって狂撃波動を放とうとする。
「貴様ァ!先生になにをする気だァ!」
「だって、この人、隠し事してるんだもん、ならさ、こうしたほうが早いでしょう?」
マサタカがキリカに向かって右手のひらをかざす。
「先生に危害を加えるなら、容赦はしないぞ...」
「よしなさい...マサタカ、私は『生徒』同士が争う姿は見たくないわ...」
「お母さんはともかく、私はあんたの『生徒』になったつもりは『まだ』ないんだけど?」カエデがキリカをにらみつける。
キリカの全身をたとえようのない死の恐怖が駆け巡る。
「口を慎みなさい、あなたが母親から受け継いだ狂撃波動は、もともと私の体の一部...私がその気になれば、私は今すぐ、あなたから私の力の一部を取り戻すことができる...」
「なるほどね...ようは、アンタさァ、ここに集めた『生徒』達とやらから自分の力を吸収して、本来の力を取り戻したいだけなんじゃないの?」
カエデの本来の目的に気付いてしまったキリカを、マサタカが排除しようとする。
「先生、やっぱり、こいつはここで消しましょう...」
「その必要はないわ、その判断はわたしがする。でもキリカ、これだけは覚えていなさい、私の力を体の一部に取り込んでいる以上、あなたが何をしようと、私はあなたをいつでも殺せるわ、死にたくなければ、私の言うことを聞いたほうが身のためよ...」
「わかった...わかりたくないけど、わかったわよ!あんたの言うこと聞くから、この全身を駆け巡る気持ち悪いのをどうにかしてくれない?」
「いい子ね...これでどう?」
「ふぅ...それで、わたしは何をすればいいのかしら?」
「マサタカには、警備員として私を見守る使命がある、だから、あなたには、私の『生徒』をここに集める仕事をお願いしたいのよ」
「わかったわ...でも、連絡とかは、どうすればいいの?私は指名手配犯よ、警察やリンクマスター協会に盗聴でもされたら、先生の計画にかなり支障が出るんじゃないの?」
「賢いわね...連絡に関しては電子機器は避けて、今日、マサタカに案内された地下通路を使いなさい...」
「了解、なにか、リストはないわけ?」
「私から一応、お互いの体内の狂撃波動を通して連絡はしてるのよね、だから、生徒を見つけるのは案外簡単かもよ?」
「わかりづらいわね...でも狂撃波動の使い手なら、あちこちで悪さしてる可能性が高いってことね、そんで、先生の呼びかけを無視してる生徒達を説得して、ここに連れて来ればいいのよね?」
「そういうことね...たのんだわよ、キリカちゃん...」
「ええ、私はもう帰らせてもらうわ...」
「コレを使え...」
マサタカがキリカにキャッシュカードを手渡す。
「あんがと、どのくらい入ってんの?」
「見てのお楽しみだ」
「キリカちゃん...忘れちゃダメよ、『先生』と『生徒』は、たとえどこにいても、常に一つにつながっていることを...」
キリカはそのまま、各地に散らばった生徒達を探すために、日本リンクマスター協会を去った。
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