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穏やかな日常は欠けて
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「……あ、サニーラ。おはよう」
「あぁ、おはよう。今日は体調は?」
「最近は私は大丈夫。でもクラが……」
「あぁ……そのうちに治す」
「ふふっ、サニーラは人の事元気にするの得意だもんね?」
「まぁ、な」
二人は大体、いつも一緒にいるようになった。シレーグナの消えた後、精神的に弱くなったアーリゼアを支えていたのはもちろんサニーラであり──多少強引な手も使ったようではあるが──そして現在も支えている。
「ねぇ、何で森に行かないの?」
「……え?」
「シレーグナはフィランソの森にいるんでしょう? そこになぜ行ってはいけないの? クラネスが弱くなるから?」
「……あ」
「──え? まさか考えてなかったの……?」
「アーリゼア姉様、冴えてます!」
「「うわあっ!」」
「あ……というのは後にしましょう。ケーキを買ってきました!」
「……ニーアリアン、あなたまた?」
これまで書庫にこもっていたニーアリアン。最近では民の街に出かけることが多くなり、よくサニーラやアーリゼアに土産を買ってくる。
「ふふ、トクスの実が沢山使われていて。秋に行く時はテレルのがあると思います!」
「あぁー! トクスの!? 私これ大好き!」
二人は色々と共通点があるが、その中でも際立つものは『甘党』だ。
「……大分癒せたようだな?」
「えぇ、兄上も」
「次は、クラネスだなぁ……」
「そう言えば、森に連れて行くと言っていましたよね?」
「あ? あぁ」
「最初から兄上が行っては警戒されるのでは? 先に義姉上など……」
「うーん……まぁ、その時はその時だ」
「うーん、美味しいっ! やっぱりトクスは美味しいわ……」
「でも私はテレルも好きですよ。甘すぎない感じがまた」
「うーん、やっぱり一番は決められないわね」
穏やかな時間ほど、短く感じては過ぎて行く。しかし────彼女と彼にとっては、長い長い時間だった。
「あぁ、おはよう。今日は体調は?」
「最近は私は大丈夫。でもクラが……」
「あぁ……そのうちに治す」
「ふふっ、サニーラは人の事元気にするの得意だもんね?」
「まぁ、な」
二人は大体、いつも一緒にいるようになった。シレーグナの消えた後、精神的に弱くなったアーリゼアを支えていたのはもちろんサニーラであり──多少強引な手も使ったようではあるが──そして現在も支えている。
「ねぇ、何で森に行かないの?」
「……え?」
「シレーグナはフィランソの森にいるんでしょう? そこになぜ行ってはいけないの? クラネスが弱くなるから?」
「……あ」
「──え? まさか考えてなかったの……?」
「アーリゼア姉様、冴えてます!」
「「うわあっ!」」
「あ……というのは後にしましょう。ケーキを買ってきました!」
「……ニーアリアン、あなたまた?」
これまで書庫にこもっていたニーアリアン。最近では民の街に出かけることが多くなり、よくサニーラやアーリゼアに土産を買ってくる。
「ふふ、トクスの実が沢山使われていて。秋に行く時はテレルのがあると思います!」
「あぁー! トクスの!? 私これ大好き!」
二人は色々と共通点があるが、その中でも際立つものは『甘党』だ。
「……大分癒せたようだな?」
「えぇ、兄上も」
「次は、クラネスだなぁ……」
「そう言えば、森に連れて行くと言っていましたよね?」
「あ? あぁ」
「最初から兄上が行っては警戒されるのでは? 先に義姉上など……」
「うーん……まぁ、その時はその時だ」
「うーん、美味しいっ! やっぱりトクスは美味しいわ……」
「でも私はテレルも好きですよ。甘すぎない感じがまた」
「うーん、やっぱり一番は決められないわね」
穏やかな時間ほど、短く感じては過ぎて行く。しかし────彼女と彼にとっては、長い長い時間だった。
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