3LOVE=6x x= (下)

天海 時雨

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決まっている結末に、過程を添えて。

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「陛下、囚人をお連れしました!」

 威勢のいい声が、響く。

「ありがとう。あなたは脇に控えていてもらえるかしら?」

 どうやら声の主の兵士は、ニーアリアンの顔馴染みだったようだ。それに気付いたエルナリアが眉をひそめる。

「仰せのままに!」
「ありがとう。……さて、被告。言いたいことは?」
「くくっ、省略が過ぎるぞニーアリアン」
「申し訳ございません。ですが──サナと同じ空間にいさせたくないもので」
「わ、私は大丈夫です!」
「ううん、私が嫌なのよサナ。不愉快といえば分かるかしら? あ、あなたなら分かるわね、ルクレオ」
「先程より相槌を二十回程させて頂きました」
「あぁ、やっぱり分かるのね。まあそれは置いておいて……で、言いたいことは?」
「……せいだ」

 その言葉のかけらだけでも、ニーアリアンは身構える。

「っお前のおっ! お前のせいだあああぁっ!!」

 びろびろに伸びきった囚人服の袖から、柄が細く尖ったスプーンを取り出す被告コヌル。その手はサナに向かって一直線に伸ばされたが────。

「うっ、ぐ……」
「……ったく、馬鹿とはこのことね。私が護身用に何も持ち歩いていないとでも?」
「っお、お前はっ……」
「そう、あなたが消したはずの二番目よ。びっくりした?」
「っ、なぜっ!?」
「なぜと言われても……持たされたからか」
「ありがとうございます姉上。おかげで傷害未遂罪の余罪もつきました」
「あぁ、私が斬られれば良かった?」
「馬鹿言うなよ」

 くすっと笑ったシレーグナの手を取り、普通に血が出てるぞと言ったクラネスが、凶器となったスプーンを取り上げ、ぱっきりと折る。

「削り過ぎだ。細過ぎるから俺でも折れるぞ」
「…………」
「情状酌量の余地はありませんね」
「連れて行け」

 王が控えていた兵に命じたその瞬間、男が床に擦り付けていた頭を起こす。

「──お前さえいなければ、俺は」

 憎々しげにそう言ったコヌル。目には憎悪が浮かぶ。

「あぁ、俺もそう思ってたよ」
「……ルクレオ?」
「お前さえいなければ、サナはこんなに悲しまないと思うから」
「…………」

 見開かれた目は、誰のもの。
 生まれた小さな悲哀は、誰のもの。

「……さよなら」

 大きな覚悟は、娘のもの。

「さよなら、コヌル」
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