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オープニング
猫汰 巧巳
職員室は、大抵玄関からすぐの場所にあるもんだ。案の定城みたいな外見とは反対に、質素なよくある造りの内装は、迷うことなく職員室へ行くことが出来た。
「失礼しました」
扉を静かに閉め出てきたのは、水色髪の少し背の低そうな奴だ。俺でもわかる、こいつはモブじゃねぇ。だったら少しでも関わらないようにしないと。
「あれ……? 御竿くん。今日から学校に復学するのかい?」
「ぁ……はは……」
なんで話しかけてくるんだよ! 敢えて背中を向けて外を見てたっていうのに!
仕方なく苦笑いと共に振り返れば、両手にプリントを持った委員長タイプの奴が突っ立っていた。
「とんだ災難だったね。まさか始業式の日、階段から落ちるなんて」
待って、前の俺(御竿護だっけ)どんだけドジだったんだよ。いくらゲームの世界だからってそんなことある?
まぁ。これでわかったのは、どうやら俺は始業式の日、式へ向かう途中で階段から落ちて頭を打ったと。そしてその時に記憶を失くして、そこからこのゲームは始まるということだ。
「御竿くん?」
黙る俺を不思議に思ったのか、持っていたプリントを抱え直して、奴が「大丈夫かい?」ともう一度俺に尋ねてきた。
「あ、ごめんごめん。ところでさ、君は、えぇと、誰だっけ?」
「僕? 同じクラスの猫汰巧巳だよ。頭を打ったって聞いたから、それで記憶が混濁しちゃったんだね」
「あ、あー、そう、かも。あれ? 同じクラスなら太刀根とも同じってこと?」
ついさっき別れたばかりの赤毛を思いだして、俺は無意識にその名前を口にした。途端に猫汰の端正な顔が歪んだのを見て、俺は何かやらかしたかと額から汗が流れ出した。
「そうだね、彼とも一緒だよ。もう会ったのかい?」
「う、うん。外でちょっと話しただけなんだけど……」
そこまで言った俺に、猫汰が一歩踏み出して壁に追い詰めてきた。俺の足の間に、自身の足をねじ込むようにして入れ、簡単に逃げられないようにしてくる。
「あのさ。記憶が無いから仕方ないのかもしれないけど、僕の前であいつの話を極力出さないでもらえるかな? それともあれかな、御竿くんはまた口を塞いでほしいのかな?」
「へ!?」
俺の引きつった表情を見た猫汰が、可笑しいと言わんばかりに「くくっ」と笑うと、
「嘘だよ。まぁ、嘘じゃなくしてもいいんだけど?」
と言い離れると、猫汰は「それじゃ」とさっきとは打って変わって柔和な笑みを見せ、プリントを再び抱え直して廊下を歩いていく。
「嘘……? え、本当に? てかこの学校怖い……」
震える身体のまま、猫汰の姿が階段を登って見えなくなるのを待ち、俺は職員室への扉に手をかけた。
「失礼しまーす」
「失礼しました」
扉を静かに閉め出てきたのは、水色髪の少し背の低そうな奴だ。俺でもわかる、こいつはモブじゃねぇ。だったら少しでも関わらないようにしないと。
「あれ……? 御竿くん。今日から学校に復学するのかい?」
「ぁ……はは……」
なんで話しかけてくるんだよ! 敢えて背中を向けて外を見てたっていうのに!
仕方なく苦笑いと共に振り返れば、両手にプリントを持った委員長タイプの奴が突っ立っていた。
「とんだ災難だったね。まさか始業式の日、階段から落ちるなんて」
待って、前の俺(御竿護だっけ)どんだけドジだったんだよ。いくらゲームの世界だからってそんなことある?
まぁ。これでわかったのは、どうやら俺は始業式の日、式へ向かう途中で階段から落ちて頭を打ったと。そしてその時に記憶を失くして、そこからこのゲームは始まるということだ。
「御竿くん?」
黙る俺を不思議に思ったのか、持っていたプリントを抱え直して、奴が「大丈夫かい?」ともう一度俺に尋ねてきた。
「あ、ごめんごめん。ところでさ、君は、えぇと、誰だっけ?」
「僕? 同じクラスの猫汰巧巳だよ。頭を打ったって聞いたから、それで記憶が混濁しちゃったんだね」
「あ、あー、そう、かも。あれ? 同じクラスなら太刀根とも同じってこと?」
ついさっき別れたばかりの赤毛を思いだして、俺は無意識にその名前を口にした。途端に猫汰の端正な顔が歪んだのを見て、俺は何かやらかしたかと額から汗が流れ出した。
「そうだね、彼とも一緒だよ。もう会ったのかい?」
「う、うん。外でちょっと話しただけなんだけど……」
そこまで言った俺に、猫汰が一歩踏み出して壁に追い詰めてきた。俺の足の間に、自身の足をねじ込むようにして入れ、簡単に逃げられないようにしてくる。
「あのさ。記憶が無いから仕方ないのかもしれないけど、僕の前であいつの話を極力出さないでもらえるかな? それともあれかな、御竿くんはまた口を塞いでほしいのかな?」
「へ!?」
俺の引きつった表情を見た猫汰が、可笑しいと言わんばかりに「くくっ」と笑うと、
「嘘だよ。まぁ、嘘じゃなくしてもいいんだけど?」
と言い離れると、猫汰は「それじゃ」とさっきとは打って変わって柔和な笑みを見せ、プリントを再び抱え直して廊下を歩いていく。
「嘘……? え、本当に? てかこの学校怖い……」
震える身体のまま、猫汰の姿が階段を登って見えなくなるのを待ち、俺は職員室への扉に手をかけた。
「失礼しまーす」
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