【完】BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜

とかげになりたい僕

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五月

GWは引きこもっていたかった! その3

 受付は二階らしく、入ってすぐ右手にある階段を上がっていく。カウンターに立つ綺麗なお姉さんが、

「あら、お帰りなさい。そちらの可愛い子は?」

と俺を見て優しく笑った。目元にある泣きぼくろがチャームポイントで、薄ピンク色の制服(受付の人がよく着ているようなやつ)がよく似合っている。

「あ、ども……」
「ふふふ、恥ずかしがり屋さんかな? それでサイちゃん、どうしたの?」

 カウンターに身を乗り出し、両肘をつくようにすれば、お姉さんのたわわなそれに嫌でも目がいった。だってさ、カウンターに乗ってるんだって。見ちゃうって、こんなん。
 綺麗なお姉さんの綺麗なメロンに目を奪われていると、牧地が俺の肩に手を置き、

「アタシのクラスの子なの。どう? 可愛いでしょ? 一度やってみない?」
「そうねぇ、でも今日はこれからアルバイトの子に説明をするところで……」

とカウンターの奥のカーテンを振り返った。

「すみません! 制服を着るのに手間取ってしまって……って、御竿先輩?」
「下獄じゃん。どうしたんだよ」

 そう。ムキムキ筋肉の下獄が、薄ピンクの制服をはち切れんばかりにしながら、少し恥ずかしそうに出てきたのだ。まさかここで会うとは思わず、俺はぽかんと口を開けたまま下獄を見つめる。

「嬢ちゃん、お友達?」
「あ、はい! ウチの尊敬する先輩なんです!」
「そうなの? じゃあ、お手並み拝見も兼ねて、嬢ちゃんのテクを見せてもらおうかな?」
「ウ、ウチが、先輩に……!?」

 下獄は頬をぽぽぽと染め、それから両手でガッツポーズをきめた。

「任せてください! ウチ、先輩の為ならどんなことも頑張れます!」
「待って待って待って。俺は全く話が見えないし、見えたとしても身体が拒否したいって叫んでる気がするわ」

 助けてくれた牧地には悪いが、俺は男にテク(なんのかは知らんが)を披露してもらうつもりも、それを受け取るつもりもない。苦笑いをしながら「ありがとうございましたぁ……」と後退りすれば。

「逃さないわよ?」

 お姉さんが手元にある何かを操作した。すると、飾られていた観葉植物が動き出し、その葉っぱを飛ばしてきたのだ! ミノムシよろしく、葉っぱを全身に巻かれた俺は、情けなくもその場に転んでしまった。

「逃げる子にはちょっと手荒な真似させてもらうわね」
「なんだこれ!? 何? 何? 魔法か何か!?」
「まるでお伽噺みたいなこと言って……。ロマンチックなのね」
「あんたが言うなよ!」

 つい年上に向かって乱暴なことを言ってしまったが、俺は後悔なんてしていない。なんたって、観葉植物が鉢ごと跳ねてきて、枝でミノムシ状態の俺を軽く持ち上げたんだぞ!?

「嫌だ! 嫌だぁ! 誰か助けてくれぇ!」

 もちろん今度こそ、俺は誰にも助けられなかった。



 用意されたでかい鏡に写る女子は、なんとも嫌そうな顔でこっちを睨んでいる。フリフリのブラウス、フリフリのスカート、髪にはリボン、靴もなんかすっげぇ可愛いし。

「やっぱり御竿先輩は、何を着ても似合いますね!」
「そうか……、そうか」

 何を隠そう、いやもう察しているだろうが、この鏡に写っている女子は俺、御竿護である。
 どう見ても作画が変わっただろとしか言いようのない変わりようである。目はぱっちり二重だし、髪色も長さも違うし、カラコン入れてるわけでもないのに目の色も違うし。なんなら背丈も違う気がする。
 これは最早ファンタジーではないだろうか。

「まぁ! 御竿ちゃん、可愛くなったわね! 先生嬉しいわ!」
「……っす」

 俺は全然嬉しくないが。ちなみにこれ一式、下獄のチョイスである。結構ファンシーな趣味だったんだな、意外だ。

「それじゃ御竿ちゃん、行きましょ?」
「は!? どこに? このカッコで!?」

 心なしか声も微かに高い気がするが、声より今は、牧地がどこへ行こうとしてるかが問題だ。

「助けてあげたでしょ? なら、アタシのワガママに付き合いなさいな」
「……」

 だから俺は、外に出たくなかったんだ――
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