【完】BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜

とかげになりたい僕

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五月

GWは引きこもっていたかった! その9

 翌朝、GW二日目だ。明日で休みは終わってしまうから、今日と明日でなんとか頭に叩き込むしかない。前世では一夜漬けなんて当たり前だったし、それよりはまだマシだろう。

「でも範囲も何もわかんねぇぞ」

 この一ヶ月。大人しく学生生活を送っていたが、それらしい話なんてただのひとつもなかった。いや、聞き逃していたのかもしれないが。
 さてどうするか。誰かに教えてもらうのが一番手っ取り早いが、人選をミスるわけにはいかない。

「うーん……」

 スマフォを目の前に置いて胡座をかきながら、どうしたものかと唸っていると。

 パンポーン。家のベルが鳴った。
 母さんが玄関に向かったのか、何やら楽しそうな話し声が聞こえてくる。その少し後に、

「護、お友達よ。太刀根くんと猫汰くん」

と部屋の扉を勝手に開けられて、にこやかに手を振る太刀根と、少しうんざりした雰囲気の猫汰が立っていた。

「は? なんで二人が!? てか俺、いいよって言ってないよね!?」
「まぁ、なんて他人行儀なの? 前は毎日のように来てたのに、最近とんと来なくなったから心配してたのよ」
「いや、俺の心配して!」

 この狭い部屋に三人? 正気か?
 でも俺の胸中を察してくれるわけでもなく、太刀根が「変わってねぇのな」とズカズカと入ってきた。猫汰が「ちょっと」と止めるもお構いなしだ。

「さ、護。勉強しようぜ」

 慣れた手つきでテーブルを出してから、太刀根は隅に畳まれた布団に腰を下ろした。なんで俺の枕を肘置き代わりにしてるのかわからんが、とっとと携帯ゲーム機を取り出したのを見るに、こいつは真面目に勉強する気はないらしい。

「いや、せめて外、図書館とかさ」
「図書館じゃ俺が暇になっちまうだろ? いつもやってたし、別に今さらじゃん」

 その“今さら”が俺にはピンと来ないのだが? だけど猫汰も呆れながら部屋に入ってくると、バタンと扉を閉め、さらに鍵までかけやがった。

「はい。御竿くんはあっちが定位置、僕がこっちだよ」

 猫汰に言われるまま、部屋の奥から、畳んだ布団に座る太刀根、その前に座る俺、そして机を挟んで猫汰が座った。早速広げられたノートは猫汰のものなのか、びっしりと綺麗な文字で、ん? 文字、で……。

「おいこれ何語だ」
「何って、ギリシャ語だよ。今度の中間考査、ギリシャ神話も範囲に入ってたはずだけど」
「よーしよしよし、よしわかった。百歩譲ってギリシャ神話はいいとしよう。なんでそれがギリシャ語で書かれてんの」

 後ろからゲームの起動音が聞こえる。

「あぁ、それ巧巳の趣味だったろ。クセになってんだよ、ギリシャ語でノート取るの」
「どっかで聞いたフレーズだな!? てか日本語で取れよ、もう意味わかんねーよ!」
「とりあえず始めるけど、いいかな」
「はい、オネガイシマス」

 かくして、お世辞にも楽しいとは言えない恐怖のお勉強会が始まったのだ。ちなみに俺はこれから、ギリシャ神話に続いて、日本神話も勉強することになる。
 今回の中間考査、神話試験なんだってよ。そんなもん一切、授業で聞いちゃいないんだがな。
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