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六月
掴み取れ! 勝利をこの手に! その1
GW明けの中間考査は、あの二人のお陰で赤点を逃れ、季節は体育祭の時期へと移り変わっていた。
今はクラスで、誰がどの種目に出るのかを決めているところなのだが。
「はぁい、みんなぁ。推薦する人、いるかしらぁ?」
牧地が黒板に書いた種目は、ざっと数えて十種目。パン食い競走、四人四脚、騎馬戦、障害物競走。この辺まではまだいい。
ケツ圧測定、サンドイッチ競走、愛の宅配便、友情道、美脚競走、玉入れ断固拒否。どう見ても名前がおかしい。
種目を見て困惑する俺のことなど露知らず、観手が「先生!」と元気よく手を上げた。嫌な予感がした俺は「おい」と思わず席を立った。
「あら、二人とも元気がいいわね♪ じゃ、最初に観手ちゃんから」
「私はパン食い競走と友情道と、それから騎馬戦と美脚競争に、御竿さんを推します!」
「多すぎだろ! どんだけ俺に出させる気だよ!」
つい突っ込んでから気づいた。牧地が意地の悪い笑みで俺を見ていることに。
「じゃあ、御竿ちゃんは、少なかったら出てくれるってことよね?」
「い、いや俺運動苦手ですし。ほら、太刀根とか! 猫汰なんか運動神経いいって聞きましたよ!」
話題に上がると思っていなかったのか、隣の猫汰は「え?」ときょとんとし、それから「まぁ、いいけど」と小さくため息をついた。しかし逆に、太刀根は待ってましたと言わんばかりに机を叩いて立ち上がると、
「出ようぜ! 俺は護とならなんでもいいし!」
「いや、俺は個人競技でいい」
あっさり言った俺と、がっかりする太刀根を見ていた牧地がくすくすと笑い、
「意気込んでるとこ悪いんだけど、今年から学年合同種目になったからね♪」
とわけのわからんことを言ってきた。もちろん俺だけでなく、隣で聞いていた猫汰も驚きを隠せないのか、焦りでシャーペンをカツンと床に落とした。
「先生、それどういうことだ?」
「いい質問ね、太刀根ちゃん。去年までは、学年ごとに種目に出る生徒を決めていたのだけど、今年からは同じ色の学年で種目も合同でやることになったのよ♪」
「ちょっと待ってくれ先生。俺らの色って……」
絶望的な顔をする太刀根は、自分の予想が外れてほしいというように両手を組んだ。俺も同じ気持ちで、牧地の行動を待つ。牧地が手元のバインダーに挟んだ紙を何枚かめくっていく。
「会長ちゃんと、下獄ちゃんのクラスね。誰が何に出るかまではまだ決まってないみたいだけど」
あぁやっぱり。これが本当の主人公補正ってやつか。プレイヤー側に都合良すぎる展開だが、生憎俺にとっては地獄の始まりでしかない。
こんな補正なら、正直いらなかった。いやまじで。
「先生。会長が何に出るのか、わかりますか?」
立ったままで小さく挙手して言えば、牧地は「あら?」と微かに頬を染めた。
「まぁ御竿ちゃん。会長ちゃんと同じ種目に出たいのね!?」
「いえ全然。むしろよけるために知りたいんですが」
「護! 俺というものがありながら、会長と同じ種目に出たいのかよ!?」
「うん違うって。人の話聞けよ、な?」
太刀根の言葉に頭を悩ませ、それでも落ち着けている間に、観手が勝手に進言して種目を決めてしまった。
俺が出るのは、友情道、騎馬戦、美脚競争らしい。まともな名前の種目がひとつしかないのに、俺はさらに絶望した。
今はクラスで、誰がどの種目に出るのかを決めているところなのだが。
「はぁい、みんなぁ。推薦する人、いるかしらぁ?」
牧地が黒板に書いた種目は、ざっと数えて十種目。パン食い競走、四人四脚、騎馬戦、障害物競走。この辺まではまだいい。
ケツ圧測定、サンドイッチ競走、愛の宅配便、友情道、美脚競走、玉入れ断固拒否。どう見ても名前がおかしい。
種目を見て困惑する俺のことなど露知らず、観手が「先生!」と元気よく手を上げた。嫌な予感がした俺は「おい」と思わず席を立った。
「あら、二人とも元気がいいわね♪ じゃ、最初に観手ちゃんから」
「私はパン食い競走と友情道と、それから騎馬戦と美脚競争に、御竿さんを推します!」
「多すぎだろ! どんだけ俺に出させる気だよ!」
つい突っ込んでから気づいた。牧地が意地の悪い笑みで俺を見ていることに。
「じゃあ、御竿ちゃんは、少なかったら出てくれるってことよね?」
「い、いや俺運動苦手ですし。ほら、太刀根とか! 猫汰なんか運動神経いいって聞きましたよ!」
話題に上がると思っていなかったのか、隣の猫汰は「え?」ときょとんとし、それから「まぁ、いいけど」と小さくため息をついた。しかし逆に、太刀根は待ってましたと言わんばかりに机を叩いて立ち上がると、
「出ようぜ! 俺は護とならなんでもいいし!」
「いや、俺は個人競技でいい」
あっさり言った俺と、がっかりする太刀根を見ていた牧地がくすくすと笑い、
「意気込んでるとこ悪いんだけど、今年から学年合同種目になったからね♪」
とわけのわからんことを言ってきた。もちろん俺だけでなく、隣で聞いていた猫汰も驚きを隠せないのか、焦りでシャーペンをカツンと床に落とした。
「先生、それどういうことだ?」
「いい質問ね、太刀根ちゃん。去年までは、学年ごとに種目に出る生徒を決めていたのだけど、今年からは同じ色の学年で種目も合同でやることになったのよ♪」
「ちょっと待ってくれ先生。俺らの色って……」
絶望的な顔をする太刀根は、自分の予想が外れてほしいというように両手を組んだ。俺も同じ気持ちで、牧地の行動を待つ。牧地が手元のバインダーに挟んだ紙を何枚かめくっていく。
「会長ちゃんと、下獄ちゃんのクラスね。誰が何に出るかまではまだ決まってないみたいだけど」
あぁやっぱり。これが本当の主人公補正ってやつか。プレイヤー側に都合良すぎる展開だが、生憎俺にとっては地獄の始まりでしかない。
こんな補正なら、正直いらなかった。いやまじで。
「先生。会長が何に出るのか、わかりますか?」
立ったままで小さく挙手して言えば、牧地は「あら?」と微かに頬を染めた。
「まぁ御竿ちゃん。会長ちゃんと同じ種目に出たいのね!?」
「いえ全然。むしろよけるために知りたいんですが」
「護! 俺というものがありながら、会長と同じ種目に出たいのかよ!?」
「うん違うって。人の話聞けよ、な?」
太刀根の言葉に頭を悩ませ、それでも落ち着けている間に、観手が勝手に進言して種目を決めてしまった。
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