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七月
夏だ! 海だ! 無人島だ!? その1
青い空、白い雲、燦々と照りつけてくる太陽。そして波打つ砂浜。
「御竿さ~ん!」
ビキニタイプの水着の上に、日焼け対策用のパーカーを羽織った観手が笑いかけてくる。白い肌に白いパーカー、なんとも言えぬいい光景だ。
しかし問題がある。そう、ここは。
「護! 今日の晩飯、釣ってきたぜ!」
「御竿くん、テント張れたよ。いつでも寝れるね」
「みんなぁ、食器になりそうなもの、見つけてきたわよぉ♪」
「怪我人いたらこっちに運べよー」
「護先輩! 薪集めてきました!」
「もう疲れた……。御竿護、早くご飯の用意してよ」
好き勝手なことを言う奴らを見て、俺は空に叫びだしたくなった。そう、ここは――
無人島。
※
夏休み。終業式を終え、校門をたくさんの生徒が出ていく。もちろん俺もその中を歩く一人で、これから始まる夏休みに胸を踊らせていた。
「御竿さ~ん!」
後ろから名前を呼ばれた気がしたが、聞こえないフリをして足早に校門を出た。あいつに関わるとロクなことがない。
「ちょっと御竿さん! 女の子を無視しないでくださいよ~。そんなんだからモテないんですよ?」
「煩いわ! お前に関係ないだろ!」
しまった、つい言い返してしまった……。
案の定と言うべきか。観手はにやりと笑い、それから素早く俺の前に回り込んできた。
「夏休みですよ、夏休み! 何か予定はありますか?」
目が輝いてるし、鼻息も荒いし、口から唾を飛ばしかねない勢いだ。女神のくせに汚……いや、清楚とは随分とかけ離れている。俺は邪魔とばかりに観手を押しのけ、
「あってもなくてもお前には関係ないし、俺に関わってくんな」
「じゃ、今から予定立てましょう! そうですね~、まずは図書館での宿題イベントをこなして」
「誰がやるか、そんなもん。宿題くらい一人で済ませるわ。つか邪魔」
と歩き出したところで。
「もう、仕方ないですね~。会長~、お願いします!」
「ふはははは! 任せたまえ!」
空から聞こえてきた声に、俺は反射的に見上げた。ん? 空?
「か、会長!?」
ヘリコプターをホバリングさせた会長が、開かれた扉から、身体を半分出す形でこちらを見ている。相変わらずあの人化け物だなとか、つか市街地でヘリコプターを乗り回すなとか、色々思うところはあったが、なんかもう気にしたらキリがない。
「早速だが護くん。キミを我が屹立家が所有する船に招待したいと思う。ということで、だ……フッ」
「っ!?」
首にチクリと痛みが走った。なんだ? 針?
「ぁ、ぁ、あれ……?」
視界がぐにゃりと歪む。会長を見上げれば、細い筒を得意げに構えていた。く、そ……。吹き矢とか、あの人、やっぱヤバす……ぎ――
※
「うわあああ!」
目が覚めた俺が最初に見たのは、青い空だった。慌てて身体を起こすと、海でよく見る椅子のような、ベッドのようなあれに寝ていたことがわかる。
頬を撫でる乾いた風に、鼻をくすぐる潮の香り。空を飛ぶウミネコ。なんだ、なんだなんだなんだ?
「あ、御竿さん!」
混乱する頭のまま、とにかく呼ばれるままそちらを見る。
「おいこら! どうなってんだ!」
「どうもこうも……。会長のお家(うち)が所有する豪華客船の上ですよ!」
「だからそれがどうなってんだって言ってんだよ!」
そんな俺の悲痛な叫び声は、壮大な海原の中心では全くの無意味なものなわけだが。
「御竿さ~ん!」
ビキニタイプの水着の上に、日焼け対策用のパーカーを羽織った観手が笑いかけてくる。白い肌に白いパーカー、なんとも言えぬいい光景だ。
しかし問題がある。そう、ここは。
「護! 今日の晩飯、釣ってきたぜ!」
「御竿くん、テント張れたよ。いつでも寝れるね」
「みんなぁ、食器になりそうなもの、見つけてきたわよぉ♪」
「怪我人いたらこっちに運べよー」
「護先輩! 薪集めてきました!」
「もう疲れた……。御竿護、早くご飯の用意してよ」
好き勝手なことを言う奴らを見て、俺は空に叫びだしたくなった。そう、ここは――
無人島。
※
夏休み。終業式を終え、校門をたくさんの生徒が出ていく。もちろん俺もその中を歩く一人で、これから始まる夏休みに胸を踊らせていた。
「御竿さ~ん!」
後ろから名前を呼ばれた気がしたが、聞こえないフリをして足早に校門を出た。あいつに関わるとロクなことがない。
「ちょっと御竿さん! 女の子を無視しないでくださいよ~。そんなんだからモテないんですよ?」
「煩いわ! お前に関係ないだろ!」
しまった、つい言い返してしまった……。
案の定と言うべきか。観手はにやりと笑い、それから素早く俺の前に回り込んできた。
「夏休みですよ、夏休み! 何か予定はありますか?」
目が輝いてるし、鼻息も荒いし、口から唾を飛ばしかねない勢いだ。女神のくせに汚……いや、清楚とは随分とかけ離れている。俺は邪魔とばかりに観手を押しのけ、
「あってもなくてもお前には関係ないし、俺に関わってくんな」
「じゃ、今から予定立てましょう! そうですね~、まずは図書館での宿題イベントをこなして」
「誰がやるか、そんなもん。宿題くらい一人で済ませるわ。つか邪魔」
と歩き出したところで。
「もう、仕方ないですね~。会長~、お願いします!」
「ふはははは! 任せたまえ!」
空から聞こえてきた声に、俺は反射的に見上げた。ん? 空?
「か、会長!?」
ヘリコプターをホバリングさせた会長が、開かれた扉から、身体を半分出す形でこちらを見ている。相変わらずあの人化け物だなとか、つか市街地でヘリコプターを乗り回すなとか、色々思うところはあったが、なんかもう気にしたらキリがない。
「早速だが護くん。キミを我が屹立家が所有する船に招待したいと思う。ということで、だ……フッ」
「っ!?」
首にチクリと痛みが走った。なんだ? 針?
「ぁ、ぁ、あれ……?」
視界がぐにゃりと歪む。会長を見上げれば、細い筒を得意げに構えていた。く、そ……。吹き矢とか、あの人、やっぱヤバす……ぎ――
※
「うわあああ!」
目が覚めた俺が最初に見たのは、青い空だった。慌てて身体を起こすと、海でよく見る椅子のような、ベッドのようなあれに寝ていたことがわかる。
頬を撫でる乾いた風に、鼻をくすぐる潮の香り。空を飛ぶウミネコ。なんだ、なんだなんだなんだ?
「あ、御竿さん!」
混乱する頭のまま、とにかく呼ばれるままそちらを見る。
「おいこら! どうなってんだ!」
「どうもこうも……。会長のお家(うち)が所有する豪華客船の上ですよ!」
「だからそれがどうなってんだって言ってんだよ!」
そんな俺の悲痛な叫び声は、壮大な海原の中心では全くの無意味なものなわけだが。
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