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七月
夏だ! 海だ! 無人島だ!? その2
戸惑う俺のところに、拉致った張本人である会長がやって来た。ブーメランの海パンを履いていて、上半身には何も着ていない。割れている腹筋に多少殺意が湧いた。
「起きたかね、護くん」
「いや、あんたのせい……」
「すまないが、服を替えさせてもらったよ。サイズは合っていると思うが……、まぁ違っていたら遠慮なく言ってくれて構わない」
「さ、サイズ……? 服?」
なんのことだ。いや、そういえばおかしい。
空やら船やら、この状況に呑まれてよく見てなかったが、制服を着ているにしてはそれほど息苦しくない。俺は恐る恐る、自分の服装を確認し、
「なんで水着いいいい!?」
と自分でも聞いたことがないくらいの声が出た。赤い海パンは膝丈ではあるものの、これを履いてるってことは、つまり、それは、そういうこと、だよなぁ!?
「会長、え? な、なんで、海パン!?」
「今から優雅なクルーズに行くのだ。クルーズといえば水着だろう?」
「そうじゃなくて! なんで俺も水着になってんだよ!」
敬語なんて忘れて話すが、会長は特に気にする様子もなく、むしろ当たり前だと言わんばかりに両手を大きく広げた。
「安心したまえ。金は取らん」
「アホか!」
俺の心配とは全く違う答えを返して、会長は「まぁ、楽しんでいきたまえ」と高笑いと共に船内へ消えていった。
「……観手」
「はい」
「俺は、まだ大丈夫、だよな?」
「それはどうでしょうね~」
はぐらかすように人差し指を口元に当て、観手は意地悪をするように笑った。こんな奴にドキッとしたのは、一体どこのどいつだろうな。
「それはそれとしてですね、御竿さん」
「何」
「レアイベですよ、これ」
「拉致られるのがか?」
この運営は頭おかしいんじゃないか。これのどこがレアイベなんだ。
「このクルーズイベはですね、ここまでに好感度マックスが最低条件で、更に終先輩の複雑なイベをこなしつつ、体育祭でもフラグを立てつつ勝利するという……」
「俺何もしてないだろ。つか俺とお前だけ?」
「まさか。こっちに来てください!」
観手が先端の手すりから俺を呼ぶ。身体を起こし同じように手すりから下を見れば。
「げ。やっぱいるのかよ……」
俺たちがいるのは二階デッキだったらしい。下を見れば、屋外プールではしゃぐ太刀根とそれを見ている下獄(大柄)、その脇にある椅子に座って読書をする猫太、暑さでへばるセンパイを介護する鏡華ちゃん、そしてSPにオイルを塗られている牧地がいた。
「何、この豪華勢揃いは……」
「だからレアイベって言ったじゃないですか。楽しみですね~。あ、ちなみに私も、どんなイベントかは把握していないんですよ。レアですからね!」
こんな糞みたいなイベントがあってたまるか。すぐにでも帰りたい衝動に駆られるが、ここは海の上。更に言うなれば、この間の母さんの様子を見るに、家族への根回しは済ませているんだろう。
ズルズルとへたり込んだ俺に、観手の「何が起こるんでしょうね!」と期待に満ちた視線が向けられた。あぁ、こんな逃げ場のない場所で、俺はどうやって過ごせばいいんだ……。
「起きたかね、護くん」
「いや、あんたのせい……」
「すまないが、服を替えさせてもらったよ。サイズは合っていると思うが……、まぁ違っていたら遠慮なく言ってくれて構わない」
「さ、サイズ……? 服?」
なんのことだ。いや、そういえばおかしい。
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「安心したまえ。金は取らん」
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「はい」
「俺は、まだ大丈夫、だよな?」
「それはどうでしょうね~」
はぐらかすように人差し指を口元に当て、観手は意地悪をするように笑った。こんな奴にドキッとしたのは、一体どこのどいつだろうな。
「それはそれとしてですね、御竿さん」
「何」
「レアイベですよ、これ」
「拉致られるのがか?」
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「このクルーズイベはですね、ここまでに好感度マックスが最低条件で、更に終先輩の複雑なイベをこなしつつ、体育祭でもフラグを立てつつ勝利するという……」
「俺何もしてないだろ。つか俺とお前だけ?」
「まさか。こっちに来てください!」
観手が先端の手すりから俺を呼ぶ。身体を起こし同じように手すりから下を見れば。
「げ。やっぱいるのかよ……」
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