【完】BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜

とかげになりたい僕

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十一月

絶体絶命! 予測不能の期末勉強!? その5

 こうしてセンパイも加えた放課後補習タイムは、金曜日の放課後を迎えた。それなりに頭に入ってはきたけど、全教科赤点回避をするにはまだまだ足りない気がする。

「失礼します、鏡華ちゃん」

 いつもの調子で保健室に入る。奥の椅子に座り、難しい顔をしてプリントとにらめっこをしてる鏡華ちゃんがいた。

「おーい、鏡華ちゃん?」
「ん? あぁ、御竿か」

 定位置に座り、カバンから筆記用具を引っ張り出す。もう少しすればセンパイも来るはずだ。

「御竿、お前今日から日曜までここに泊まれ」
「へ? 泊まる?」

 いきなり宣言された単語に動揺を隠せず、俺の手からシャーペンが転がった。慌てて拾い直してから、改めて「どこに?」と鏡華ちゃんを見据える。

「ここだ、ここ、保健室。まぁ、学校ともいうが」
「なんでいきなり」

 鏡華ちゃんは立ち上がり、手にした何枚かのプリントを俺の前に並べた。ここ一週間、俺が解いてきた各教科の問題だ。全部鏡華ちゃんの手作りである。

「御竿。このままだと赤点ギリギリだ」
「前と変わってない、ってこと?」
「いや、前回までは赤点“確実”だった。それが赤点“ギリギリ”になったんだ、効果は確実に出ている」

 喜んでいいのか、それとも自分の不甲斐なさにもっと嘆くべきなのか。どう反応すればいいか躊躇っていると、鏡華ちゃんは「とにかく」とプリントを整頓した。

「期末は来週月曜日から。もう時間がない。ならこの週末で詰め込むしかないだろ。あぁ大丈夫だ、安心しろ。親御さんには連絡済みだ」
「何勝手に決めちゃってくれてんの? 俺に選択肢ないじゃん」

 いくら鏡華ちゃんといえど強引ではなかろうか。不満の意を込めて下から睨んでやる。だけど鏡華ちゃんは大して気にもせず、むしろ「ふっ」と鼻を鳴らし、まとめたプリントを机の隅に置くと、机をぐるりと回って俺の横に立った。

「選択肢ならあるだろ? 赤点を取ってをするか、赤点を回避して楽しくパーティに参加するか、だ。にしても」

 鏡華ちゃんの手が伸び、俺の顎に触れた。全身に鳥肌が立って、口からは「ひっ」と小さな悲鳴が漏れた。

「こいつのどこがいいのかねぇ……?」
「おいそれどういうことだ。鳥肌も引っ込んだわ」

 鏡華ちゃんは俺の答えに満足したのか、手を離し、可笑しくて堪らないとばかりに喉を鳴らしてから、

「ま、俺様の手を煩わせるなよ? あぁそうだ、当日風邪でも引くか? その場合、俺様が迎えに行くことになるが」

と反対側の椅子に腰掛けた。

「いや、うん、頑張るよ、勉強」

 色々想像すると冷や汗ものである。半ば震える手でノートやら問題集やらを出していると、ノックもなしに扉がガラリと開かれた。

「鏡華、今日もこのボクが補習受けに来てあげたよ! 感謝してよね!」
「終。いつも言ってるがノックくらいしろ。病人や怪我人がいたらどうするんだ」
「ボクより大事なの!?」
「当たり前だ」

 即答かよ。一応主治医、なんだよな?
 センパイは何かしら文句を言いながらも、大人しく俺の隣に座った。

「そうだ、終、お前も今日から日曜まで泊まりだ」
「センパイも!?」
「え!? なんでボクがこんなとこで!」

 ほぼほぼ同時に抗議の声を上げれば、

「俺様が直々に教えてんのに、成果がほとんど見られねぇからだよ。嫌なら、今後は普段からしっかりと授業を受けるこったな」

と鬼の形相で睨まれたのだった。
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