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十二月
七匹のオオカミと一人の人間、そして牡蠣? その3
それほど積もっていない通学路を歩いていく。サクサク、ギシギシと雪を踏んだ時の、独特の音が鳴るのが少し楽しい。
平日は車や他の歩行者が先に通るため、なかなかこんな経験はない。嬉しい気持ち半分、せっかくの冬休み始まりがパーティなことに対する悲しさ半分ってとこだ。
「マモル、マモル」
「なんだよ」
肩から頭に移動した牡蠣が、器用にバランスを取りながら声をかけてきた。大して重くなく、どうしてかと聞いたら「自由自在だからさ!」なんて意味がわからんことを言われた。
「パーティ、気をつけろよ?」
「言われなくてもわかってるよ。特にあいつら、俺に対して容赦ないからな」
顔を思い浮かべるだけで頭痛がしてきそうだ。だからといって、休むわけにもいかないし。休んだらそれはそれで何かしら起こりそうだし。
滑らないように気をつけながら、遅れないように少しだけ早く歩くようにしながら。俺は内心ため息をついた。
「ま、アイツらもそうだけど。今回はそれだけじゃあない」
「どういうこった」
「因果ってのはやけに強力でな。歯向かおうとした瞬間、ソイツらはすぐに牙を剥いてきやがる。なんとしてでも、そうはさせまいってな」
「なんだそりゃ」
牡蠣のくせになんだか小難しいことを言ってやがる。俺は「変なこと言ってんなよ」と苦笑いして、サクサクと音を鳴らしながら進んでいく。
そうして見慣れた校舎が見えた頃だ。校門あたりに、見慣れた赤髪と水色髪が見えて、俺はやっぱりなと肩を落とした。その反動で下がってきたカバンを掛け直して、俺は「よ」と小さく笑う。
なぜか二人とも普通の服装だった。まるで俺だけ楽しみにしているようでシャクである。
「まも……!」
「御竿くん、おはよう。本当は迎えに行こうかと思ったんだけど、雪道を歩いてくる御竿くんを撮りたくてここで待っていることにしたんだよ」
駆け寄ろうとした太刀根をおしのけて、薄く笑った猫汰が、持っていたスマフォを大事そうにカバンに突っ込んだ。
「盗撮はやめろ。今すぐ消せ」
「大丈夫。ちゃんと撮れてるし、寒そうに手をこする御竿くんはとても煽情的でよかったよ。鼻先が少し赤いのもポイント高いよね」
「だから消せって……」
猫汰のことだ。動画をネット上にあげることはしないだろう。それよりもこいつは、自分だけで見て楽しみたいタイプだ。だからこそ消してほしい。
「それよりも護、おはよ! なんの服だ、それ」
押しのけられたことを気にせず、太刀根が俺の服装を指差した。一見すればただのスーツだし、確かにわかりづらいかもしれない。
「あぁ、これは映画館でよく見るあいつだよ。逃げてるあいつ」
俺の説明に納得した太刀根が「あぁ!」と手を合わせた。猫汰は「へぇ」と何やら嬉しそうに、笑いを堪えるように口元に手をやった。
その意味深な仕草に、俺は話を逸らすように「あのさ」と切り出した。
「二人は? なんか普段着っぽいけど」
「俺は部室のロッカーに置いてあるんだ。今から行って着替えるとこ」
「僕はカバンに入れてあるよ。着ていくにはちょっと不都合があってね。今から部室で着替えてくるよ」
部室やらロッカーやらを私物化していいのかと思ったが、この二人ならアリかもしれん。
俺は着替えてから向かうと言った二人と別れて、ひと足先に会場になっている講堂へ向かった。
平日は車や他の歩行者が先に通るため、なかなかこんな経験はない。嬉しい気持ち半分、せっかくの冬休み始まりがパーティなことに対する悲しさ半分ってとこだ。
「マモル、マモル」
「なんだよ」
肩から頭に移動した牡蠣が、器用にバランスを取りながら声をかけてきた。大して重くなく、どうしてかと聞いたら「自由自在だからさ!」なんて意味がわからんことを言われた。
「パーティ、気をつけろよ?」
「言われなくてもわかってるよ。特にあいつら、俺に対して容赦ないからな」
顔を思い浮かべるだけで頭痛がしてきそうだ。だからといって、休むわけにもいかないし。休んだらそれはそれで何かしら起こりそうだし。
滑らないように気をつけながら、遅れないように少しだけ早く歩くようにしながら。俺は内心ため息をついた。
「ま、アイツらもそうだけど。今回はそれだけじゃあない」
「どういうこった」
「因果ってのはやけに強力でな。歯向かおうとした瞬間、ソイツらはすぐに牙を剥いてきやがる。なんとしてでも、そうはさせまいってな」
「なんだそりゃ」
牡蠣のくせになんだか小難しいことを言ってやがる。俺は「変なこと言ってんなよ」と苦笑いして、サクサクと音を鳴らしながら進んでいく。
そうして見慣れた校舎が見えた頃だ。校門あたりに、見慣れた赤髪と水色髪が見えて、俺はやっぱりなと肩を落とした。その反動で下がってきたカバンを掛け直して、俺は「よ」と小さく笑う。
なぜか二人とも普通の服装だった。まるで俺だけ楽しみにしているようでシャクである。
「まも……!」
「御竿くん、おはよう。本当は迎えに行こうかと思ったんだけど、雪道を歩いてくる御竿くんを撮りたくてここで待っていることにしたんだよ」
駆け寄ろうとした太刀根をおしのけて、薄く笑った猫汰が、持っていたスマフォを大事そうにカバンに突っ込んだ。
「盗撮はやめろ。今すぐ消せ」
「大丈夫。ちゃんと撮れてるし、寒そうに手をこする御竿くんはとても煽情的でよかったよ。鼻先が少し赤いのもポイント高いよね」
「だから消せって……」
猫汰のことだ。動画をネット上にあげることはしないだろう。それよりもこいつは、自分だけで見て楽しみたいタイプだ。だからこそ消してほしい。
「それよりも護、おはよ! なんの服だ、それ」
押しのけられたことを気にせず、太刀根が俺の服装を指差した。一見すればただのスーツだし、確かにわかりづらいかもしれない。
「あぁ、これは映画館でよく見るあいつだよ。逃げてるあいつ」
俺の説明に納得した太刀根が「あぁ!」と手を合わせた。猫汰は「へぇ」と何やら嬉しそうに、笑いを堪えるように口元に手をやった。
その意味深な仕草に、俺は話を逸らすように「あのさ」と切り出した。
「二人は? なんか普段着っぽいけど」
「俺は部室のロッカーに置いてあるんだ。今から行って着替えるとこ」
「僕はカバンに入れてあるよ。着ていくにはちょっと不都合があってね。今から部室で着替えてくるよ」
部室やらロッカーやらを私物化していいのかと思ったが、この二人ならアリかもしれん。
俺は着替えてから向かうと言った二人と別れて、ひと足先に会場になっている講堂へ向かった。
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