【完】BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜

とかげになりたい僕

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一月

俺は邪魔をされずにデートをしたい その6

 突然現れたその子供は、忌々しいというように会長を睨みつけた。それくらいで引くような奴なら、俺はここまで苦労しなかったと思う。残念だったな、雪女(仮)。

「貴様が呪力の源だな。このオレの前に、むざむざ姿を現すとは、そんなに遊んでほしいのか?」
「会長、子供相手にそんな言い方……。いや、あれ子供か?」

 自分で言ってて疑問に思うが、その呪力とやらを見るのも初めてなのだし、ここは自分の目に見えるものを信じるしかない。
 すると子供は雪の上に降り立ち、足元の雪を手で掴むと玉を作り始めた。雪が子供の重みで沈むのを見て、そりゃ幽霊じゃないんだから沈むわなとか、雪玉なんか作って何してんのとか考えていると、

「護くん、こっちだ!」
「いぎっ!?」

と会長に手を引かれ、望んでもない会長の胸板に顔を埋めることになった。ふわりと鼻に優しい石鹸の香りがして、一瞬だけ、会長にほだされそうになる。

はな

 ビュンッ。
 何かが、俺の横を通り過ぎる。
 目で追えば、俺たちの後ろで、その何かが雪の上に落ちたような穴が出来ていた。再び子供に目をやれば、雪玉をまた作り、手の上でポーンポーンと遊ばせていた。

「え? まさか、あれ、今の、雪玉……?」

 言葉に対する答えのように、子供が雪玉を振りかぶる。さながらテレビで見るプロ野球選手みたいな綺麗なフォームだ。そしてそこから繰り出されるのは……。

「護くん、失礼する」
「ぎゃあああ!?」

 会長の手がぬるりと腰を這う。ゾクゾクと寒気が全身を走るが、今会長を拒否したら俺の人生が終わる気がして、仕方なく、されるがままに雪玉をよけた。
 ストレートの剛速球は一瞬で横を通り過ぎ、今度は落ちることなく果てなき世界へと消えていった。

「かかか会長、あれは一体なんすか!?」
「流石は護くんだ。腰の柔らかさといいくびれといい、オレが見込んだだけのことはある」
「人の話を聞けよ! つか擦るんじゃねぇ!」

 そう騒ぎ立ててやったが、会長は意に介する様子も見せず、俺の意志を尊重することなく腰を触り続けてきやがった。その手をビシビシと叩くも、やっぱり意味はない。

「おい会長、なぁって! やってる場合じゃないっすよ!」
「ふっ、なんだ、見られて恥ずかしいのか? いつも生徒会室の窓からやっているではないか。あれを見られていないとでも思っていたのか?」
「何々? 俺そんなの知らないっすよ!? ちょっと誰かと勘違いしてません!? 太刀根とか!」
「太刀根攻とは終わったことだ、思い出す必要はない」
「まじでやったの!?」

 引き剥がそうとしながらそんなやり取りをしていると、子供が「あああああ!」と言葉にならない叫び声を上げた。
 そうだよな。こんな会話、子供(?)には刺激が強いもんな!

「会長! 子供の前でこんな話をするから!」
「ふふふ。やっと本気を出したようだ」
「本気?」

 相変わらず会長に引き寄せられたままで(とても不本意だが)、会長に示されるまま子供に視線を向けた。子供の周囲に、雪玉が、それこそ数えられないほどに浮かび上がっている。

「あれは奴の力だ」
「は、はぁ」
「こうして力を出し尽くさせ、弱ったところを鎮める」
「てことは……」

 雪玉が一斉に向かってきた!

「やっぱりこうなるのかぁぁあああ!」
「ははははは! どちらが根を上げるか、勝負といこうではないか!」

 シュンッ。と人間離れした動きをする会長から、俺は振り落とされないようにと、誠に不本意ではあるが、ただただ必死にしがみついた。
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