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二月
涙の防災訓練、今からお前を追放する!? その2
そんなわけで異世界に飛ばされた、いや防災訓練をしに来たのだけど、一体何をどうすればいいんだ? そもそも他のクラスメイトはどこに行ったんだ?
寝転んだままで、真っ青すぎる空を眺めながらぼーっと考える。
あくまで防災訓練だ。自分でなんとかする方法を見つけないと駄目とか? つか、ここ言葉通じんのかな。いや、まず異世界ってどこよ。
「だーっ」
考えれば考えるほど泥沼にはまりそうだ。
ここは深く考えず、とりあえず行動するかと起き上がる。肩やら腰やらについた草を払えば、どことなく草の香りが舞いがった気がした。
「うーん、とりあえず装備……は制服のままか。ん? なんか落ちてる」
起き上がってみて気づいたが、近くに小さな箱が落ちていた。フタには校章が入っていて、一目でそれが学校のものだとわかる。
拾い上げて中身を確認する。鞭と小瓶と、一枚の紙切れが入っていた。
『皆のためにささやかだけどプレゼントを送るわ♪ これで無事に生き残ってね♪』
「生き残るってなんだよ! 下手すれば死ぬのか、これ!?」
怒りに任せて紙切れをぐしゃりと握りしめてから、ズボンのポケットに突っ込んだ。風に流そうかとも思ったけど、環境的によくない気がしたのでそれはやめた。
プレゼントというなら有り難く使わせてもらうか。鞭をベルトの隙間にぐいと差し込んでから、小瓶を手に取り眺めてみる。
“薬湯”と書かれてある。
「風呂かよ! こんなもん飲めるか!」
叩き割りたくなったが、役に立つかもしれん。ブレザーの胸ポケットにでも入れておくか。
さて。こんなところにいても仕方がない。
いい加減どこかに向かうかと歩き始めた時だ。
「あ! 護!」
「あれ、太刀根……?」
前方からやって来たのは、同じく制服姿の太刀根だ。手には杖を握っている。
「合流出来てよかったぜ!」
「あ、あぁ。皆は?」
とりあえず見知った顔に会えて安心した。この様子だと、他のクラスメイトの居場所も知ってそうだ。
「皆、かどうかはわからねぇけど、この先の町に何人かいるぜ。護も来いよ!」
「そうだな」
この世界のこともよくわからんし、何より一人より二人のほうが心強いのは確かだ。そうして俺は、いや俺たちは町へ向けて出発した。のだが――
「護! そっちに行ったぞー!」
記念すべき最初の敵は、やはり定番の、とでもいうべきか。あのゼリー状の柔らかそうな青いアイツと出会ったわけだ。
「ピギーッ」
必死に逃げるそいつを鞭でビシバシやるのも気が引けて、俺は戦う気力も失くし、様子を見ているだけにしようと思っていたのだ。
「護、なんでやらないんだよ?」
「いや、なんか可哀相な気がして」
「そういう優しいところ、俺は好きだけどさ。でもそいつ、きっと悪さするぞ?」
「んー」
足に「ピギッ、ピギッ」と擦り寄るそいつをちらりと見る。ヌメヌメしていてなんだかゾクゾクしてくるが、至って悪さをするようには見えない。
「俺にはそうは見えないけどな」
それを聞いたそいつが、目を大きく開いて俺を見上げてきた。うるうるしてる目が、良心に訴えかけてくるようで直視出来ず、俺が「う」と目を反らした時だ。
「おにいさん、いいひとだね。ぼくをこぶんにしてよ!」
少し甲高い、マスコット特有の可愛らしい声が聞こえた。
「え? お前、話せんの?」
「あたりまえだよ! くちがあるんだから!」
「そうじゃなくてだな……」
頭が痛くなってきた。魔物、とでもいうのか。そんな奴と会話を、しかも日本語でする日がくるなんて。
「なら最初から話せ。話せないわけでもあるのか?」
「あ、それはね。はなせないほうがかわいいでしょ? そのほうがもてるかr……ぐぶはっ」
最後まで言わさず、俺は力の限り青いそいつを蹴り上げた。
寝転んだままで、真っ青すぎる空を眺めながらぼーっと考える。
あくまで防災訓練だ。自分でなんとかする方法を見つけないと駄目とか? つか、ここ言葉通じんのかな。いや、まず異世界ってどこよ。
「だーっ」
考えれば考えるほど泥沼にはまりそうだ。
ここは深く考えず、とりあえず行動するかと起き上がる。肩やら腰やらについた草を払えば、どことなく草の香りが舞いがった気がした。
「うーん、とりあえず装備……は制服のままか。ん? なんか落ちてる」
起き上がってみて気づいたが、近くに小さな箱が落ちていた。フタには校章が入っていて、一目でそれが学校のものだとわかる。
拾い上げて中身を確認する。鞭と小瓶と、一枚の紙切れが入っていた。
『皆のためにささやかだけどプレゼントを送るわ♪ これで無事に生き残ってね♪』
「生き残るってなんだよ! 下手すれば死ぬのか、これ!?」
怒りに任せて紙切れをぐしゃりと握りしめてから、ズボンのポケットに突っ込んだ。風に流そうかとも思ったけど、環境的によくない気がしたのでそれはやめた。
プレゼントというなら有り難く使わせてもらうか。鞭をベルトの隙間にぐいと差し込んでから、小瓶を手に取り眺めてみる。
“薬湯”と書かれてある。
「風呂かよ! こんなもん飲めるか!」
叩き割りたくなったが、役に立つかもしれん。ブレザーの胸ポケットにでも入れておくか。
さて。こんなところにいても仕方がない。
いい加減どこかに向かうかと歩き始めた時だ。
「あ! 護!」
「あれ、太刀根……?」
前方からやって来たのは、同じく制服姿の太刀根だ。手には杖を握っている。
「合流出来てよかったぜ!」
「あ、あぁ。皆は?」
とりあえず見知った顔に会えて安心した。この様子だと、他のクラスメイトの居場所も知ってそうだ。
「皆、かどうかはわからねぇけど、この先の町に何人かいるぜ。護も来いよ!」
「そうだな」
この世界のこともよくわからんし、何より一人より二人のほうが心強いのは確かだ。そうして俺は、いや俺たちは町へ向けて出発した。のだが――
「護! そっちに行ったぞー!」
記念すべき最初の敵は、やはり定番の、とでもいうべきか。あのゼリー状の柔らかそうな青いアイツと出会ったわけだ。
「ピギーッ」
必死に逃げるそいつを鞭でビシバシやるのも気が引けて、俺は戦う気力も失くし、様子を見ているだけにしようと思っていたのだ。
「護、なんでやらないんだよ?」
「いや、なんか可哀相な気がして」
「そういう優しいところ、俺は好きだけどさ。でもそいつ、きっと悪さするぞ?」
「んー」
足に「ピギッ、ピギッ」と擦り寄るそいつをちらりと見る。ヌメヌメしていてなんだかゾクゾクしてくるが、至って悪さをするようには見えない。
「俺にはそうは見えないけどな」
それを聞いたそいつが、目を大きく開いて俺を見上げてきた。うるうるしてる目が、良心に訴えかけてくるようで直視出来ず、俺が「う」と目を反らした時だ。
「おにいさん、いいひとだね。ぼくをこぶんにしてよ!」
少し甲高い、マスコット特有の可愛らしい声が聞こえた。
「え? お前、話せんの?」
「あたりまえだよ! くちがあるんだから!」
「そうじゃなくてだな……」
頭が痛くなってきた。魔物、とでもいうのか。そんな奴と会話を、しかも日本語でする日がくるなんて。
「なら最初から話せ。話せないわけでもあるのか?」
「あ、それはね。はなせないほうがかわいいでしょ? そのほうがもてるかr……ぐぶはっ」
最後まで言わさず、俺は力の限り青いそいつを蹴り上げた。
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