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第一部
シャワー室の甘い声
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車に乗せられ連れて行かれたのは、ここらでも有名な高級マンションの一室だった。流石に最上階ではないものの、そもそもここに住めることがすごいと言われている。
「リヒト、とりあえずシャワー浴びよっか。歩ける?」
「……」
横抱きにされたまま、僕はその腕の中で小さく首を横に振った。
「じゃ、ちょっと用意してくるから」
「……で」
「ん?」
ユーリの服を小さく掴んで、僕を一旦ベッドに座らせようとしていたユーリを引き止める。
「おねが……、いかないで……」
今離れられたら、嫌でもさっきの、ううん、それまでのことを思い出しそうで、僕は涙を流しながら懇願する。ユーリは少し考えるように固まり、それから「わかったよ」と僕を連れてお風呂場へと向かった。
流石に「ドア開けるから」と苦笑いされて、僕は大人しく床へと降りる。その間、ずっとユーリの服は掴んだままだ。
男二人で入ってもまだ余裕がありそうなほどに広く、ユーリはシャワーのヘッドを僕に向かって構えると、勢いよく頭からお湯を被せてきた。
「な、何する……ぶっ」
濡れた髪をかき上げ顔を上げれば、今度は顔面に思いきりお湯の洗礼を受けた。
「げほっ、やめ、ごぼっ」
お湯で目を開けられず、無我夢中でユーリからシャワーヘッドを奪おうと手を伸ばす。その際濡れた毛布がずり落ちたけれど、そんなこと知ったことか。
ユーリは笑い声を上げながらそれをかわし、やっとお湯をかけるのをやめてくれた頃、僕もそうっと目を開けた。
「ユーリ!」
「ははは」
僕が声を荒げてもユーリは笑うことをやめなかった。よく見れば、ユーリも着てきた服をぐっしょりと濡らしていて少し体が重そうに見える。笑い続けるユーリに呆れて、僕も「もう」と苦笑いをした。
「ユーリ……、今日は、その、ありがとう……」
シャワーの音で掻き消されないよう、でもそれなりに小さい声で呟いた言葉が、広いお風呂場に吸い込まれるようにして響いていく。ユーリはしばらく黙ったままだったけど、シャワーを止めてから壁にかけ、自分の服を脱ぎだした。
「俺も汗流したいしさ。リヒトの身体、洗ってあげよっか」
「い、いい、いらない!」
口からは否定の言葉が出る。けれど隠していない僕の身体は、ユーリに触れてもらえることを期待してか、それとも、シャワーで暖まったからなのか。すでにほんのりと熱を持ち始め、胸の先はつん、と恥ずかしいくらいに主張していた。
「俺が洗いたいだけだからさ、気にしないで」
椅子に座るよう促され、僕はおずおずと腰をおろした。勃ち上がりかけている自分がそれとなく恥ずかしくて、隠すように背中を丸めた。
慣れた手つきでスポンジに泡立てると、ユーリは後ろに回り僕の背中に触れる。ふわっとした感覚がくすぐったくて、僕は「んっ」と身じろぎをした。
「ほんと腰細いんだから。ちゃんと食べてる?」
「食べ、てる……っ。あ、冷蔵庫の……んんっ、ありがと……っ」
脇腹を手が掠め声が出る。そのまま前を触られるかと身構えたけれど、また背中を優しく擦られ、僕は内心肩を落とした。
触ってほしい。けれど言えない。その揺れる気持ちからか、微かに腰が揺れた。
「……リヒト」
「ひあっ」
不意に耳元で囁かれ、肩をびくりと震わせた。丸めていた背中が伸びていたことで、隠していた前を出す形になり、僕の股の間から、恥ずかしいほどに勃ち上がったモノが姿を現した。
「あれ? 俺は身体を洗ってただけだよ? リヒト、ねぇ、これは何?」
「こ、これは、その……」
お湯とは明らかに違った、ぬめりのある液で先端が濡れている。ユーリに見られていると思うだけで感覚は鋭くなり、止まるのを知らぬように溢れ出してくる。
「どんどん出てくるね」
「あっ、あああっ」
後ろから伸ばされたユーリの手が、ぬめりを確かめるよう先端に優しく触れる。指先で液体を塗り込められるようにされ、僕は「あっ」とたまらずユーリにもたれかかった。
「あーあ。また汚しちゃったね」
言われて気づけば、先端からどくどくと脈打つように欲が漏れ出している。それに恥じらう間も与えずに、ユーリの手は上へと移動し、今度は胸の突起を摘み上げた。
「こんなにして……。リヒトは一体何を期待してたの?」
「ひっ、ひうっ、ああんっ」
ぐりぐりと強く、たまに優しく揉まれるような手つきで、さらには左右で強さを変えてこねられ、僕の口からはみっともない声しか出ない。
「リヒト……、ね、入れていい……?」
腰辺りに熱いモノが押しつけられ、僕は「うん……」と強請るような甘い声を――
「って、ちょっと待ってユーリ!」
「……え」
ユーリとすれば、さぞかし肩透かしを食らったことだろう。だけど、ここで流されるようにことに及んでしまっては、今までとなんら変わらない。
「と、とりあえず、さ。身体を拭いて、髪を乾かして、えっと、それから、話を、そうだ、話をしたいんだ」
「いや……、うん、リヒトが言うならそれでいいよ……」
ユーリはわかるくらいに肩を落とした。でも僕の意思を尊重はしてくれるようで、先に僕の身体を洗い流してから「先に出てて」と半ば僕は追い出されるようにして、お風呂場から先に出た。
「リヒト、とりあえずシャワー浴びよっか。歩ける?」
「……」
横抱きにされたまま、僕はその腕の中で小さく首を横に振った。
「じゃ、ちょっと用意してくるから」
「……で」
「ん?」
ユーリの服を小さく掴んで、僕を一旦ベッドに座らせようとしていたユーリを引き止める。
「おねが……、いかないで……」
今離れられたら、嫌でもさっきの、ううん、それまでのことを思い出しそうで、僕は涙を流しながら懇願する。ユーリは少し考えるように固まり、それから「わかったよ」と僕を連れてお風呂場へと向かった。
流石に「ドア開けるから」と苦笑いされて、僕は大人しく床へと降りる。その間、ずっとユーリの服は掴んだままだ。
男二人で入ってもまだ余裕がありそうなほどに広く、ユーリはシャワーのヘッドを僕に向かって構えると、勢いよく頭からお湯を被せてきた。
「な、何する……ぶっ」
濡れた髪をかき上げ顔を上げれば、今度は顔面に思いきりお湯の洗礼を受けた。
「げほっ、やめ、ごぼっ」
お湯で目を開けられず、無我夢中でユーリからシャワーヘッドを奪おうと手を伸ばす。その際濡れた毛布がずり落ちたけれど、そんなこと知ったことか。
ユーリは笑い声を上げながらそれをかわし、やっとお湯をかけるのをやめてくれた頃、僕もそうっと目を開けた。
「ユーリ!」
「ははは」
僕が声を荒げてもユーリは笑うことをやめなかった。よく見れば、ユーリも着てきた服をぐっしょりと濡らしていて少し体が重そうに見える。笑い続けるユーリに呆れて、僕も「もう」と苦笑いをした。
「ユーリ……、今日は、その、ありがとう……」
シャワーの音で掻き消されないよう、でもそれなりに小さい声で呟いた言葉が、広いお風呂場に吸い込まれるようにして響いていく。ユーリはしばらく黙ったままだったけど、シャワーを止めてから壁にかけ、自分の服を脱ぎだした。
「俺も汗流したいしさ。リヒトの身体、洗ってあげよっか」
「い、いい、いらない!」
口からは否定の言葉が出る。けれど隠していない僕の身体は、ユーリに触れてもらえることを期待してか、それとも、シャワーで暖まったからなのか。すでにほんのりと熱を持ち始め、胸の先はつん、と恥ずかしいくらいに主張していた。
「俺が洗いたいだけだからさ、気にしないで」
椅子に座るよう促され、僕はおずおずと腰をおろした。勃ち上がりかけている自分がそれとなく恥ずかしくて、隠すように背中を丸めた。
慣れた手つきでスポンジに泡立てると、ユーリは後ろに回り僕の背中に触れる。ふわっとした感覚がくすぐったくて、僕は「んっ」と身じろぎをした。
「ほんと腰細いんだから。ちゃんと食べてる?」
「食べ、てる……っ。あ、冷蔵庫の……んんっ、ありがと……っ」
脇腹を手が掠め声が出る。そのまま前を触られるかと身構えたけれど、また背中を優しく擦られ、僕は内心肩を落とした。
触ってほしい。けれど言えない。その揺れる気持ちからか、微かに腰が揺れた。
「……リヒト」
「ひあっ」
不意に耳元で囁かれ、肩をびくりと震わせた。丸めていた背中が伸びていたことで、隠していた前を出す形になり、僕の股の間から、恥ずかしいほどに勃ち上がったモノが姿を現した。
「あれ? 俺は身体を洗ってただけだよ? リヒト、ねぇ、これは何?」
「こ、これは、その……」
お湯とは明らかに違った、ぬめりのある液で先端が濡れている。ユーリに見られていると思うだけで感覚は鋭くなり、止まるのを知らぬように溢れ出してくる。
「どんどん出てくるね」
「あっ、あああっ」
後ろから伸ばされたユーリの手が、ぬめりを確かめるよう先端に優しく触れる。指先で液体を塗り込められるようにされ、僕は「あっ」とたまらずユーリにもたれかかった。
「あーあ。また汚しちゃったね」
言われて気づけば、先端からどくどくと脈打つように欲が漏れ出している。それに恥じらう間も与えずに、ユーリの手は上へと移動し、今度は胸の突起を摘み上げた。
「こんなにして……。リヒトは一体何を期待してたの?」
「ひっ、ひうっ、ああんっ」
ぐりぐりと強く、たまに優しく揉まれるような手つきで、さらには左右で強さを変えてこねられ、僕の口からはみっともない声しか出ない。
「リヒト……、ね、入れていい……?」
腰辺りに熱いモノが押しつけられ、僕は「うん……」と強請るような甘い声を――
「って、ちょっと待ってユーリ!」
「……え」
ユーリとすれば、さぞかし肩透かしを食らったことだろう。だけど、ここで流されるようにことに及んでしまっては、今までとなんら変わらない。
「と、とりあえず、さ。身体を拭いて、髪を乾かして、えっと、それから、話を、そうだ、話をしたいんだ」
「いや……、うん、リヒトが言うならそれでいいよ……」
ユーリはわかるくらいに肩を落とした。でも僕の意思を尊重はしてくれるようで、先に僕の身体を洗い流してから「先に出てて」と半ば僕は追い出されるようにして、お風呂場から先に出た。
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