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第3話 王都脱出

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「貴様との婚約破棄にそれほどの損害がわるわけがない!
たとえいくらか不利益が出たとしても、我が国ならどうとでもできるわ!」

へー、そうなのですか。
なら、わたくしが何かいうこともありませんわね。

「そうですか。では、婚約破棄はこの場で成立しました。
わたくしはお父様たちに報告もありますのでこれで失礼させてもらいますわ。」

わたくしはカーテシーをとって、そのままパーティー会場を後にします。
そして、会場の外に待機させてある我が公爵家の馬車に乗り込みます。
一度、王都にある公爵邸へ向かうことにしましょう。



公爵邸につくと、お兄様が出迎えてくださいましたわ。

「やあセレナ、おかえり。」

「ただいま帰りましたわお兄様。」

「それにしても、卒業パーティーはもう終わったのかい?少し早すぎる気がするが。」

「いえ、卒業パーティーはまだ続いているでしょう。
そのことで、お話があります。」

真剣な表情で言うと、お兄様も大事な話なのだろうと悟り、すぐに執務室で話すこととなりました。

「フィーベルト様、セレナ様お茶をお持ちいたしました。」

「ありがとう、みんなは部屋の外にいてくれ。」

「かしこまりました。失礼します。」

メイドがお茶を持ってきて、それを受け取ると、お兄様は人払いをして、今部屋には2人きりの状態です。

「では、話を聞こうか。」

「はい、実は本日、フリード殿下が婚約破棄を宣言なさいました。」

「ほう。」
お兄様は少し怒りを含んだ声をだします。

それから、卒業パーティーでおきたことをできるだけ詳しう話しました。

「つまり、あのバカは我が公爵家を敵に回すということでいいのかな?」

「おそらく。まあ、何も考えていないだけでしょうけど。
ああ、もちろん、わたくしへの冤罪や浮気の慰謝料の請求もお願いしますね。」

「ああ、もちろんだろ。
そうと決まれば、とりあえずここを引き払って、公爵領へ戻ろうか。」

「ええ、そうですわね。
使用人はどうしましょうか。」

「もちろん連れて行くさ。彼らは優秀だからね。僕は使用人達を集めて事情を説明しておくから、セレナは準備をしておくといい。
あのバカのことだからおそらく、国王にも宰相にも話は通してないだろう。
国王達が勘づくまえに、王都を出よう。」

「分かりましたわ。」

それからわたくし達はすぐに準備に取り掛かりましたわ。
殿下は本当に何も分かっていないのでしょうね。これから、ご自分のしたことをじっくりと後悔していただきましょうか。
ああ、おそらくこれが王都にくる最期の機会となるのでしょう。
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