279 / 459
豪宴客船編
抗戦
しおりを挟む
「シャアアア!」
もはや顔の左半分しか残っていないオスタケリオンは、クラーケンの触手が何度も受け返されている状況に激昂していた。
すでに理性も記憶も消失しているが、結城を抹消するという目的だけは失わず、どす黒い水のように殺意が湧き続けている。
触手が一本でも命中すれば、クイーン・アグリッピーナ号の船体は真っ二つに折れ、全てが海の藻屑と消える。
だが、キュウやアテナに阻まれ続け、業を煮やしたオスタケリオンはついに触手を二本同時に持ち上げた。
「カアアアア!」
雄叫びを上げて二本の触手を振り下ろすオスタケリオン。これで防がれるようならまた一本、さらに一本と手数を増やしていくつもりだった。
触手が命中すれば、船は玩具のようにバラバラに砕け散る―――――――――はずだった。
船の最上部、プール施設がある辺りから、赤い流れ星のようなものが二つ飛び出し、触手に到達すると盛大な爆炎と轟音を発生させた。
「ギィ!?」
触手に大きなダメージはなかったが、またも押し返されたオスタケリオンはプール施設に目を向ける。
「少々思うところはありますが、この場においては良い品を持っていましたよ、エンジュ」
そこにはM202四連装ロケットランチャーを構えたアテナの姿があった。
「どこでこのような物騒な物を?」
「したにたくさんあった!」
対クラーケン用にアテナが使うであろう武器の数々を、媛寿は左袖からいくつも取り出し陳列していく。覚獲に落とされた兵器保管庫で、媛寿がくすねた品々だった。
「……あまり褒められる行いではありませんが」
残った最後のロケットを発射すると、アテナはランチャーを手放し、すぐさま次の武器を掴み取った。
「今は感謝します!」
トリガーを引き絞ると、六連装の銃身が回転し、弾丸を間断なく発射する。M134機関銃が放つ毎分4000発の銃弾が、クラーケンの触手の先を見事に牽制していた。
「おぉ~! あてなさま『たーみねーやん』みたい! かっくい~!」
本来なら銃架に固定して使うような機関銃を携えて掃射するアテナに、媛寿は目を輝かせて歓声を上げる。
ちなみに『ターミ姐ヤン』とはサイバーパンク戦国時代に送り込まれた女性型戦闘サイボーグ『HONDA-800』が、イエヤス・トクガワ少年を守って戦う近未来アクション映画である。
「えんじゅももういっことってくる! あいるびーば~っく!」
何か思いついたのか、媛寿は大興奮でプール施設の出入り口へと駆けていく。
「エンジュ! 私の槍と神盾も頼みます!」
「りょ~か~い!」
いつになく元気に返事をした媛寿は、出入り口のドアをすっと透過していった。
「キュウ! あと如何ほどの時間が必要なのですか!」
弾丸を撃ち尽くしたM134機関銃を置き、40mmグレネード弾がたっぷり差し込まれた弾薬ベルトを身に付けるアテナ。
「あらま~、聞かれちゃってましたか~」
「ユウキに約束させたことについては後々詰問します! 如何ほど時間を稼げばよいのですか!」
キュウが結城に持ちかけた取引については山のように大きな遺憾があれど、現状、アテナはキュウを当てにせざるを得なかった。
予想以上の実力を有していた楠二郎との闘いで、アテナはかなりの消耗に見舞われていた。
たとえ結城と融合したとしても、雷槍を撃てるかどうか怪しい。
大海の魔物を倒す決定打に欠ける以上、非常に業腹ではあるが、アテナはキュウの奥の手に頼るしかなかった。
「十分以内には~、何とかできると思います~」
「分かりました」
アテナは中折れ式の薬室を開き、弾薬ベルトから取り出したグレネード弾を装填する。
「その十分、守り通して見せましょう!」
襲い来る触手を迎撃すべく、アテナはM79グレネードランチャーの引き金を引いた。
一本の触手に榴弾が炸裂すると、滑らかな動作で銃身解放から排莢、再装填へと繋げ、二本目の触手にも榴弾を撃ち上げる。
それが戦うための道具である以上、戦女神にとって扱うのは造作もなかった。
なぜだか怪獣映画のワンシーンの様相を呈してきた状況に、結城だけが少し置いてけぼりになっている有様だった。
アテナは媛寿が持っていた兵器の数々で、クラーケンの攻撃を見事に捌いている。さながら大人気ゲーム『クリーチャーバスター』の女狩人のような戦いぶりである。
当の結城は格好つけたはいいが、キュウと一晩付き合うという条件を飲んだ上で、いまはキュウの準備が完了するまで待ちぼうけになってしまっている。
(っと、いけないいけない! ぼんやりしてないで僕も何か……)
これだけ混沌とした状況で自分がいるのも場違いな気がしないでもないが、言い出したのが自分であることも自覚しているので、結城も何かしようと周りを見渡す。
(ん?)
結城は目の端で光る物を捉え、プールサイドを注視した。
(あ! あれは!)
結城とクロランが戦わされそうになった際、オスタケリオンが投げ渡してきた短剣だった。結城が投げ捨てたそれが、まだプールサイドに残っていた。
(せめてあれで!)
結城は急いで短剣を拾って戻ってくると、キュウを背にクラーケンに向かい合って短剣を構えた。もしクラーケンがキュウを狙ってきた時、短剣で応戦できるように。
「キュウ様。僕もキュウ様が準備できるまで守りますから」
そう言った結城の背中を、キュウは片目だけ開けて見つめた。
キュウほどの存在となれば、『守られる』という立場になることなどほとんどない。
結城もキュウの能力は何度となく見てきたはずだが、人智を超えた存在として扱うでもなく、普通に心配したり、普通に感謝したりする。
神であろうと、妖怪であろうと、獣人であろうと、結城は特に頓着することなく、普通に接する。
特別な才覚など何一つなく、凡百に等しいはずの小林結城という人間の特別とは、そういうところにあるのではないだろうかと、キュウは密かに思っていた。
(やっぱり面白い人間ですね。結城さんは)
「くすくす、ではお願いしますね~」
香炉から溢れ出た香煙は、すでに船体の上半分までを包み込もうとしていた。
(いったい何が起きてるんだ?)
稔丸スカイロフトスイートのドアをわずかに開け、廊下で起こっている事態を注意深く観察していた。
つい先程から、船内では怪しい煙が充満しつつある。
格闘大会でのアテナの戦いぶりにパニックを起こした乗客たちも、普通に船内を往来していた乗客たちも、その煙に触れただけで陸揚げられた魚のようになってしまった。
稔丸も『二十八家』の一角として、それが精気を吸い取る何かしらの妖術であることは看破している。
だが問題は、それがいったい何者による術なのかという点だった。
豪華客船に乗り合わせた乗客全員から、じわじわと精気を吸い取ってしまう妖怪。
そんな化け物クラスの存在が乗り合わせているなどという情報は、稔丸のところにも入っていなかった。
(小林結城たちの仕業ってわけじゃないよね。手口がエグすぎる)
煙に触れた人間たちは、皆白目を剥き、口から泡を吹き、胸を押さえながら痙攣を繰り返している。
稔丸の見立てでは、気力の弱っている人間なら、あっさりとショック死させられる威力を持った恐るべき妖術だった。
特別に取り寄せた魔除けの護符を所持していなければ、稔丸もまた精気を吸われた憐れな乗客たちの二の舞だった。
(シトローネとグリムにも持たせてあるから、大丈夫だとは思うけど……)
稔丸のもう一つの心配は船外、突如として現れた海の怪物、クラーケンのことだった。
(兵器の即売会で新製品のデモンストレーションやるって聞いてたけど、もしかしてクラーケンのことだったのかな?)
稔丸は窓の外で雄叫びを上げるクラーケンを見た。すでに本来の姿から、神話にも出てこないような異形の姿に変異してしまっている。
こちらも稔丸の見立てでは、軍用艦十隻に相当する戦闘力を有していた。
(確かにスゴいけど、あんなのはチョットやり過ぎな気がするね。例の武器密売組織は何考えてんだろ)
いまクラーケンは船の最上部にいる何者かと交戦している様子だった。
それがおそらく結城たちであることは、稔丸も予想がついていたが、
(クラーケンが出てくるのは予想外だったな。大丈夫かな)
口をへの字に曲げながら、稔丸は腕時計で時間を確認した。
「アクティブソナーに反応2あり。一つは大型船舶と確認。もう一つは不明」
インカムと機器で音響を確認した音響探査員が、てきぱきとした口調でつつがなく分析結果を伝える。
それを聞いた軍服姿の屈強な男は、すぐには指示を出さず、薄目で情報を吟味する。
「本艦は目標との距離を4kmで保持。このまま静観する」
軍服の男は艦内の要員にそう伝えると、
「それでいいな?」
横に立つもう一人の男に確認を取った。
「かまへんかまへん。どっちみちアレどつくんはワシらの役目やないんやし」
もはや顔の左半分しか残っていないオスタケリオンは、クラーケンの触手が何度も受け返されている状況に激昂していた。
すでに理性も記憶も消失しているが、結城を抹消するという目的だけは失わず、どす黒い水のように殺意が湧き続けている。
触手が一本でも命中すれば、クイーン・アグリッピーナ号の船体は真っ二つに折れ、全てが海の藻屑と消える。
だが、キュウやアテナに阻まれ続け、業を煮やしたオスタケリオンはついに触手を二本同時に持ち上げた。
「カアアアア!」
雄叫びを上げて二本の触手を振り下ろすオスタケリオン。これで防がれるようならまた一本、さらに一本と手数を増やしていくつもりだった。
触手が命中すれば、船は玩具のようにバラバラに砕け散る―――――――――はずだった。
船の最上部、プール施設がある辺りから、赤い流れ星のようなものが二つ飛び出し、触手に到達すると盛大な爆炎と轟音を発生させた。
「ギィ!?」
触手に大きなダメージはなかったが、またも押し返されたオスタケリオンはプール施設に目を向ける。
「少々思うところはありますが、この場においては良い品を持っていましたよ、エンジュ」
そこにはM202四連装ロケットランチャーを構えたアテナの姿があった。
「どこでこのような物騒な物を?」
「したにたくさんあった!」
対クラーケン用にアテナが使うであろう武器の数々を、媛寿は左袖からいくつも取り出し陳列していく。覚獲に落とされた兵器保管庫で、媛寿がくすねた品々だった。
「……あまり褒められる行いではありませんが」
残った最後のロケットを発射すると、アテナはランチャーを手放し、すぐさま次の武器を掴み取った。
「今は感謝します!」
トリガーを引き絞ると、六連装の銃身が回転し、弾丸を間断なく発射する。M134機関銃が放つ毎分4000発の銃弾が、クラーケンの触手の先を見事に牽制していた。
「おぉ~! あてなさま『たーみねーやん』みたい! かっくい~!」
本来なら銃架に固定して使うような機関銃を携えて掃射するアテナに、媛寿は目を輝かせて歓声を上げる。
ちなみに『ターミ姐ヤン』とはサイバーパンク戦国時代に送り込まれた女性型戦闘サイボーグ『HONDA-800』が、イエヤス・トクガワ少年を守って戦う近未来アクション映画である。
「えんじゅももういっことってくる! あいるびーば~っく!」
何か思いついたのか、媛寿は大興奮でプール施設の出入り口へと駆けていく。
「エンジュ! 私の槍と神盾も頼みます!」
「りょ~か~い!」
いつになく元気に返事をした媛寿は、出入り口のドアをすっと透過していった。
「キュウ! あと如何ほどの時間が必要なのですか!」
弾丸を撃ち尽くしたM134機関銃を置き、40mmグレネード弾がたっぷり差し込まれた弾薬ベルトを身に付けるアテナ。
「あらま~、聞かれちゃってましたか~」
「ユウキに約束させたことについては後々詰問します! 如何ほど時間を稼げばよいのですか!」
キュウが結城に持ちかけた取引については山のように大きな遺憾があれど、現状、アテナはキュウを当てにせざるを得なかった。
予想以上の実力を有していた楠二郎との闘いで、アテナはかなりの消耗に見舞われていた。
たとえ結城と融合したとしても、雷槍を撃てるかどうか怪しい。
大海の魔物を倒す決定打に欠ける以上、非常に業腹ではあるが、アテナはキュウの奥の手に頼るしかなかった。
「十分以内には~、何とかできると思います~」
「分かりました」
アテナは中折れ式の薬室を開き、弾薬ベルトから取り出したグレネード弾を装填する。
「その十分、守り通して見せましょう!」
襲い来る触手を迎撃すべく、アテナはM79グレネードランチャーの引き金を引いた。
一本の触手に榴弾が炸裂すると、滑らかな動作で銃身解放から排莢、再装填へと繋げ、二本目の触手にも榴弾を撃ち上げる。
それが戦うための道具である以上、戦女神にとって扱うのは造作もなかった。
なぜだか怪獣映画のワンシーンの様相を呈してきた状況に、結城だけが少し置いてけぼりになっている有様だった。
アテナは媛寿が持っていた兵器の数々で、クラーケンの攻撃を見事に捌いている。さながら大人気ゲーム『クリーチャーバスター』の女狩人のような戦いぶりである。
当の結城は格好つけたはいいが、キュウと一晩付き合うという条件を飲んだ上で、いまはキュウの準備が完了するまで待ちぼうけになってしまっている。
(っと、いけないいけない! ぼんやりしてないで僕も何か……)
これだけ混沌とした状況で自分がいるのも場違いな気がしないでもないが、言い出したのが自分であることも自覚しているので、結城も何かしようと周りを見渡す。
(ん?)
結城は目の端で光る物を捉え、プールサイドを注視した。
(あ! あれは!)
結城とクロランが戦わされそうになった際、オスタケリオンが投げ渡してきた短剣だった。結城が投げ捨てたそれが、まだプールサイドに残っていた。
(せめてあれで!)
結城は急いで短剣を拾って戻ってくると、キュウを背にクラーケンに向かい合って短剣を構えた。もしクラーケンがキュウを狙ってきた時、短剣で応戦できるように。
「キュウ様。僕もキュウ様が準備できるまで守りますから」
そう言った結城の背中を、キュウは片目だけ開けて見つめた。
キュウほどの存在となれば、『守られる』という立場になることなどほとんどない。
結城もキュウの能力は何度となく見てきたはずだが、人智を超えた存在として扱うでもなく、普通に心配したり、普通に感謝したりする。
神であろうと、妖怪であろうと、獣人であろうと、結城は特に頓着することなく、普通に接する。
特別な才覚など何一つなく、凡百に等しいはずの小林結城という人間の特別とは、そういうところにあるのではないだろうかと、キュウは密かに思っていた。
(やっぱり面白い人間ですね。結城さんは)
「くすくす、ではお願いしますね~」
香炉から溢れ出た香煙は、すでに船体の上半分までを包み込もうとしていた。
(いったい何が起きてるんだ?)
稔丸スカイロフトスイートのドアをわずかに開け、廊下で起こっている事態を注意深く観察していた。
つい先程から、船内では怪しい煙が充満しつつある。
格闘大会でのアテナの戦いぶりにパニックを起こした乗客たちも、普通に船内を往来していた乗客たちも、その煙に触れただけで陸揚げられた魚のようになってしまった。
稔丸も『二十八家』の一角として、それが精気を吸い取る何かしらの妖術であることは看破している。
だが問題は、それがいったい何者による術なのかという点だった。
豪華客船に乗り合わせた乗客全員から、じわじわと精気を吸い取ってしまう妖怪。
そんな化け物クラスの存在が乗り合わせているなどという情報は、稔丸のところにも入っていなかった。
(小林結城たちの仕業ってわけじゃないよね。手口がエグすぎる)
煙に触れた人間たちは、皆白目を剥き、口から泡を吹き、胸を押さえながら痙攣を繰り返している。
稔丸の見立てでは、気力の弱っている人間なら、あっさりとショック死させられる威力を持った恐るべき妖術だった。
特別に取り寄せた魔除けの護符を所持していなければ、稔丸もまた精気を吸われた憐れな乗客たちの二の舞だった。
(シトローネとグリムにも持たせてあるから、大丈夫だとは思うけど……)
稔丸のもう一つの心配は船外、突如として現れた海の怪物、クラーケンのことだった。
(兵器の即売会で新製品のデモンストレーションやるって聞いてたけど、もしかしてクラーケンのことだったのかな?)
稔丸は窓の外で雄叫びを上げるクラーケンを見た。すでに本来の姿から、神話にも出てこないような異形の姿に変異してしまっている。
こちらも稔丸の見立てでは、軍用艦十隻に相当する戦闘力を有していた。
(確かにスゴいけど、あんなのはチョットやり過ぎな気がするね。例の武器密売組織は何考えてんだろ)
いまクラーケンは船の最上部にいる何者かと交戦している様子だった。
それがおそらく結城たちであることは、稔丸も予想がついていたが、
(クラーケンが出てくるのは予想外だったな。大丈夫かな)
口をへの字に曲げながら、稔丸は腕時計で時間を確認した。
「アクティブソナーに反応2あり。一つは大型船舶と確認。もう一つは不明」
インカムと機器で音響を確認した音響探査員が、てきぱきとした口調でつつがなく分析結果を伝える。
それを聞いた軍服姿の屈強な男は、すぐには指示を出さず、薄目で情報を吟味する。
「本艦は目標との距離を4kmで保持。このまま静観する」
軍服の男は艦内の要員にそう伝えると、
「それでいいな?」
横に立つもう一人の男に確認を取った。
「かまへんかまへん。どっちみちアレどつくんはワシらの役目やないんやし」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
青の雀
恋愛
ある冬の寒い日、公爵邸の門前に一人の女の子が捨てられていました。その女の子はなぜか黄金のおくるみに包まれていたのです。
公爵夫妻に娘がいなかったこともあり、本当の娘として大切に育てられてきました。年頃になり聖女認定されたので、王太子殿下の婚約者として内定されました。
ライバル公爵令嬢から、孤児だと暴かれたおかげで婚約破棄されてしまいます。
怒った女神は、養母のいる領地以外をすべて氷の国に変えてしまいます。
慌てた王国は、女神の怒りを収めようとあれやこれや手を尽くしますが、すべて裏目に出て滅びの道まっしぐらとなります。
というお話にする予定です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる