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竜の恩讐編
天坂千春の暗躍
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スマートフォンの着信音が鳴り、千春は手を伸ばしてそれを取った。
画面に『ヴィクトリア』と表示されているのを確認すると、『応答』をタップして耳に当てる。
「ヴィクトリア、できたの?」
「完、成、した」
「……そう、流石ね。あんなとんでもない注文に応えられるなんて」
計画は着々と進んでいるはずなのだが、千春はそれほど気分が乗っていない。
依頼人からの内容変更に不満があると同時に、その変更自体が千春の主義に微妙に反しているところがあるからだ。
「依頼人にはもう伝えたの?」
「伝、えた」
「そう。それで決行の日時は?」
スマートフォン越しにヴィクトリアから伝えられる内容を、千春はよく吟味した。
「分かったわ。動員する人数はあたしからルーシーに言ってく。千秋にも人払いの範囲を伝えておくわ。ヴィクトリアはソレの準備に専念して」
「了、解」
確認事項を全て済ませると、千春は通話を切った。
「ふう……さて、大事な電話も済んだし、お仕置き再開ね。綿茄木くん?」
そう言って見下ろす千春の下には、制服を肌蹴させられた男子生徒が一人、仰向けに寝かされていた。
ただ、綿茄木は動くことはおろか、言葉を発することさえできない。
両手と両足は革の拘束具で縛り付けられ、目はアイマスクで塞がれ、口には猿轡が噛まされていた。
そんな状態でベッドの上に投げ出された綿茄木に跨り、千春は目を恍惚とさせ、口元を嗜虐的に歪めていた。
「生徒会書記ともあろう者が、誤字脱字が十箇所以上。恥ずかしくないの?」
綿茄木を問い詰めつつ、千春は乱雑に腰を動かす。
「うぅ! うぅ~!」
しかし、綿茄木は猿轡のせいで何も答えることはできない。千春の言葉責めを一方的に受けながら、押し寄せる快楽に身を捩るだけだった。
「イッたらダメよ? これはお仕置きなんだから。反省して三度目はないようにしてもらわないと」
「うぅ! うぎぅ!」
「ああ、それともわざと間違えてお仕置きしてほしかったの? そういえば一度目は一箇所だけだったのに、二度目は十箇所以上ってありえないものねぇ?」
「ふびぃ! ぎふぃ!」
「こんな風にお仕置きされてよがってるなんて――――――とんだ変態ね」
「っ!」
千春に耳元で囁かれると、綿茄木の体は一際大きく跳ねた。
「ふっふひゅ~……ふひゅ~……」
「あ~あ、またイッちゃった。これで八回目」
荒い息継ぎをする綿茄木を蔑むように見つめると、千春は綿茄木の胸元に爪で引っかき傷をつけた。『正』の字を作るようにつけられた傷は、すでに八本目に達している。
「水泳の授業がない学期でよかったわね。でないと傷、ごまかしようがないものね」
千春はまだ血が滲む傷を一つ一つ、指先でなぞっていく。それすらも綿茄木には快感となり、荒い呼吸がより速くなる。
「でもいいかげん爪で引っかくのも面倒になってきたわね……そうだ」
千春はベッド脇に脱ぎ捨てていた制服のブレザーをまさぐり、一本の十字型のナイフを取り出した。
「次からはあたし愛用のペーパーナイフで切ってあげる。コレよく切れるから、爪よりは痛くないかもしれないわよ?」
千春はペーパーナイフの切っ先をゆっくりと舐め上げる。
しかし、それを聞いた綿茄木は急に暴れだし、ついには歯のダメージも厭わずに猿轡を噛み千切った。
「ご、ごめんなさい! か、会長にお仕置きしてほしくてわざと書類ミスしました! だから! だからもっと痛くお仕置きしてください! ナイフじゃなくて会長の指が! 爪がイイです! もっと、もっと痛く、カラダ中引っかいてもらってもいいですから!」
半ば泣きじゃくって懇願する綿茄木に、千春はさらに恍惚に顔を歪めさせた。人間の芯から滲み出る悲哀、苦痛、欲望が、千春の中にある鬼の血をより刺激した。
「ふふふ、やっぱりイケない書記だった。でもそれならなおのこと、爪はお預けね」
「そ、そんな……」
「その代わり―――」
千春は綿茄木の耳元に口を寄せた。
「あたしを満足させるのと、生徒会の仕事。どっちもがんばったら、今度は望みどおりのご褒美をあげるわ」
「っ!」
それを聞いた綿茄木の体はまたも大きく跳ねた。
「はい、九回目。まだまだ満足してないからがんばってね」
そこからは綿茄木の口から人の言葉が出ることはなく、二時間に渡って狂ったように腰を振り続けていた。
千春はそんな様子を愉しむ一方で、数日後に控えた『依頼』の決行を見据えていた。
(準備はほぼ整った。あとは日を待つだけ……)
画面に『ヴィクトリア』と表示されているのを確認すると、『応答』をタップして耳に当てる。
「ヴィクトリア、できたの?」
「完、成、した」
「……そう、流石ね。あんなとんでもない注文に応えられるなんて」
計画は着々と進んでいるはずなのだが、千春はそれほど気分が乗っていない。
依頼人からの内容変更に不満があると同時に、その変更自体が千春の主義に微妙に反しているところがあるからだ。
「依頼人にはもう伝えたの?」
「伝、えた」
「そう。それで決行の日時は?」
スマートフォン越しにヴィクトリアから伝えられる内容を、千春はよく吟味した。
「分かったわ。動員する人数はあたしからルーシーに言ってく。千秋にも人払いの範囲を伝えておくわ。ヴィクトリアはソレの準備に専念して」
「了、解」
確認事項を全て済ませると、千春は通話を切った。
「ふう……さて、大事な電話も済んだし、お仕置き再開ね。綿茄木くん?」
そう言って見下ろす千春の下には、制服を肌蹴させられた男子生徒が一人、仰向けに寝かされていた。
ただ、綿茄木は動くことはおろか、言葉を発することさえできない。
両手と両足は革の拘束具で縛り付けられ、目はアイマスクで塞がれ、口には猿轡が噛まされていた。
そんな状態でベッドの上に投げ出された綿茄木に跨り、千春は目を恍惚とさせ、口元を嗜虐的に歪めていた。
「生徒会書記ともあろう者が、誤字脱字が十箇所以上。恥ずかしくないの?」
綿茄木を問い詰めつつ、千春は乱雑に腰を動かす。
「うぅ! うぅ~!」
しかし、綿茄木は猿轡のせいで何も答えることはできない。千春の言葉責めを一方的に受けながら、押し寄せる快楽に身を捩るだけだった。
「イッたらダメよ? これはお仕置きなんだから。反省して三度目はないようにしてもらわないと」
「うぅ! うぎぅ!」
「ああ、それともわざと間違えてお仕置きしてほしかったの? そういえば一度目は一箇所だけだったのに、二度目は十箇所以上ってありえないものねぇ?」
「ふびぃ! ぎふぃ!」
「こんな風にお仕置きされてよがってるなんて――――――とんだ変態ね」
「っ!」
千春に耳元で囁かれると、綿茄木の体は一際大きく跳ねた。
「ふっふひゅ~……ふひゅ~……」
「あ~あ、またイッちゃった。これで八回目」
荒い息継ぎをする綿茄木を蔑むように見つめると、千春は綿茄木の胸元に爪で引っかき傷をつけた。『正』の字を作るようにつけられた傷は、すでに八本目に達している。
「水泳の授業がない学期でよかったわね。でないと傷、ごまかしようがないものね」
千春はまだ血が滲む傷を一つ一つ、指先でなぞっていく。それすらも綿茄木には快感となり、荒い呼吸がより速くなる。
「でもいいかげん爪で引っかくのも面倒になってきたわね……そうだ」
千春はベッド脇に脱ぎ捨てていた制服のブレザーをまさぐり、一本の十字型のナイフを取り出した。
「次からはあたし愛用のペーパーナイフで切ってあげる。コレよく切れるから、爪よりは痛くないかもしれないわよ?」
千春はペーパーナイフの切っ先をゆっくりと舐め上げる。
しかし、それを聞いた綿茄木は急に暴れだし、ついには歯のダメージも厭わずに猿轡を噛み千切った。
「ご、ごめんなさい! か、会長にお仕置きしてほしくてわざと書類ミスしました! だから! だからもっと痛くお仕置きしてください! ナイフじゃなくて会長の指が! 爪がイイです! もっと、もっと痛く、カラダ中引っかいてもらってもいいですから!」
半ば泣きじゃくって懇願する綿茄木に、千春はさらに恍惚に顔を歪めさせた。人間の芯から滲み出る悲哀、苦痛、欲望が、千春の中にある鬼の血をより刺激した。
「ふふふ、やっぱりイケない書記だった。でもそれならなおのこと、爪はお預けね」
「そ、そんな……」
「その代わり―――」
千春は綿茄木の耳元に口を寄せた。
「あたしを満足させるのと、生徒会の仕事。どっちもがんばったら、今度は望みどおりのご褒美をあげるわ」
「っ!」
それを聞いた綿茄木の体はまたも大きく跳ねた。
「はい、九回目。まだまだ満足してないからがんばってね」
そこからは綿茄木の口から人の言葉が出ることはなく、二時間に渡って狂ったように腰を振り続けていた。
千春はそんな様子を愉しむ一方で、数日後に控えた『依頼』の決行を見据えていた。
(準備はほぼ整った。あとは日を待つだけ……)
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