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竜の恩讐編
鬼と姫と女神と・・・ その7
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「何? いったい何が?」
丘の上から天逐山の麓の様子を見ていたクドは、異様な状況の変化に困惑した。
繋鴎の話していた計画では、リズベルを説得、それができない場合は強引にでも確保し、日本国外へと発たせる。
その際、妨害してくる者がいれば、多珂倉家お抱えの戦闘員たちが排除。
『ナラカ』は多珂倉家の当主がそのまま交渉し、依頼のキャンセルを取り付ける――――――はずだった。
それが繋鴎たちが到着してから、全く状況が動かない。
いや、正確には動くはずだったところを完封された。
巫女装束の女が多珂倉家当主の背後を取ってから様子がおかしい。
攻撃の合図を送るどころか、多珂倉家当主は指一本動かせないまま硬直している。顔も相当に強張っている。
眼帯を取ったクドの青い右眼は、離れた場所でも鮮明に物を視ることができるが、音声までは拾えない。
状況の変化までは判っても、稔丸とキュウが何を話したかまでは分からなかった。
「どうして動かないの?」
「それは私が説得したからですよ~」
「っ!?」
「おっと、あなたも動かないでくださいね~」
音もなくクドの背後に出現したキュウは、クドの項に尾の先端にある針を軽く当てた。
動こうものなら頸を刺し貫くという無言の脅迫だった。
(そ、そんな……巫女装束の女、まだあそこにいるのに……)
クドの右眼は、今も確かに稔丸の背後に立つキュウを捉えていた。
その同一人物が、今は自身の背後にも存在している。
クドはその時に覚った。
多珂倉家の戦闘員たちも、この方法で封殺されたのだ、と。
(おや~?)
尾の針をクドに触れさせていたキュウは、そこであることに気付いた。
(この娘、人間ではないですね~。付喪神、それもちょっと面白い型の……お?)
「ちょっと失礼~。今度は危ないから動かないでくださいね~」
「え―――うぐっ!?」
訳の分からないまま、クドは項を針で刺された。が、頸を貫通するまでではなく、針の先端が浅く刺さる程度だ。
(ほ~ほ~、ふ~むふむ)
「はぅ……ふひ……へき……」
しきりに頷くキュウとは別に、クドは見えない手で内臓をまさぐられるような感覚に襲われ、その度に体を痙攣させていた。
(なるほど~。そういうことがあったわけですね~)
「あうっ!」
何かに納得したキュウは針を引き抜き、クドは脱力して地面に手をついた。
「はあ……はあ……はあ―――あうっ!」
未知の感覚から解放され、呼吸を荒げていたクドの体を、キュウの尾が大蛇のように巻きつき拘束した。
「ぎぃ……ぐぅ……な、何を―――むぐっ!?」
最後に尾がもう一本、クドの口元に巻きつき、口の動きさえも封じた。
「さぁってと~」
拘束したクドを尾で持ち上げると、キュウはクドが監視していた天逐山の麓に目を向けた。
「ちょ~っとした意趣返しをさせていただきましょうか~?」
丘の上から天逐山の麓の様子を見ていたクドは、異様な状況の変化に困惑した。
繋鴎の話していた計画では、リズベルを説得、それができない場合は強引にでも確保し、日本国外へと発たせる。
その際、妨害してくる者がいれば、多珂倉家お抱えの戦闘員たちが排除。
『ナラカ』は多珂倉家の当主がそのまま交渉し、依頼のキャンセルを取り付ける――――――はずだった。
それが繋鴎たちが到着してから、全く状況が動かない。
いや、正確には動くはずだったところを完封された。
巫女装束の女が多珂倉家当主の背後を取ってから様子がおかしい。
攻撃の合図を送るどころか、多珂倉家当主は指一本動かせないまま硬直している。顔も相当に強張っている。
眼帯を取ったクドの青い右眼は、離れた場所でも鮮明に物を視ることができるが、音声までは拾えない。
状況の変化までは判っても、稔丸とキュウが何を話したかまでは分からなかった。
「どうして動かないの?」
「それは私が説得したからですよ~」
「っ!?」
「おっと、あなたも動かないでくださいね~」
音もなくクドの背後に出現したキュウは、クドの項に尾の先端にある針を軽く当てた。
動こうものなら頸を刺し貫くという無言の脅迫だった。
(そ、そんな……巫女装束の女、まだあそこにいるのに……)
クドの右眼は、今も確かに稔丸の背後に立つキュウを捉えていた。
その同一人物が、今は自身の背後にも存在している。
クドはその時に覚った。
多珂倉家の戦闘員たちも、この方法で封殺されたのだ、と。
(おや~?)
尾の針をクドに触れさせていたキュウは、そこであることに気付いた。
(この娘、人間ではないですね~。付喪神、それもちょっと面白い型の……お?)
「ちょっと失礼~。今度は危ないから動かないでくださいね~」
「え―――うぐっ!?」
訳の分からないまま、クドは項を針で刺された。が、頸を貫通するまでではなく、針の先端が浅く刺さる程度だ。
(ほ~ほ~、ふ~むふむ)
「はぅ……ふひ……へき……」
しきりに頷くキュウとは別に、クドは見えない手で内臓をまさぐられるような感覚に襲われ、その度に体を痙攣させていた。
(なるほど~。そういうことがあったわけですね~)
「あうっ!」
何かに納得したキュウは針を引き抜き、クドは脱力して地面に手をついた。
「はあ……はあ……はあ―――あうっ!」
未知の感覚から解放され、呼吸を荒げていたクドの体を、キュウの尾が大蛇のように巻きつき拘束した。
「ぎぃ……ぐぅ……な、何を―――むぐっ!?」
最後に尾がもう一本、クドの口元に巻きつき、口の動きさえも封じた。
「さぁってと~」
拘束したクドを尾で持ち上げると、キュウはクドが監視していた天逐山の麓に目を向けた。
「ちょ~っとした意趣返しをさせていただきましょうか~?」
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