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9.力業でも勝ちは勝ち
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「というわけで結婚する」
「馬鹿か」
呆然とした顔で副官が思わずこぼれたといったていで言う。ジョシュはその暴言をものすごく広い寛大な心で許し、笑みを崩さなかった。
「馬鹿だろうな。しかし、ウーラは俺と違って賢い。つまり、子どもは可愛いぞ」
「理屈がくるってますけど。というか、白の騎士団長なんですか相手。やっと女って気づいたんですか」
「理屈じゃねえよ人生は。――性別の件に関しては今度覚えてろよ」
「あなたにとっての人生はそうでしょうよ。で、白の騎士団長殿はなんと?――性別は気づかないあんたが馬鹿でしょう。あんなにどう嗅い――いえ、見ても女性なのに」
「さぁ……朝起きたらもう宿にいなかったからなぁ……。どうせ連絡先も知らないし、今更他人に聞くのもあれだが、まぁ、どうせ勤め先は同じなんだ。今日城を探して、見つけたら色々話し合おうと。ついでに住んでるところとか聞きださないとなぁ。結婚は大変だな。やることが山積みだ!」
「……」
ジョシュの晴れ晴れとした顔を見ながら、早速逃げられてやがる、とルイスが口の中でつぶやいたような気がしたが聞き逃すこととした。
「というか、もう一度聞きますけど、本当に結婚できるんですか。絶対無理でしょ、今までの経緯からして」
「ルイス、お前はミレーネを番だと認識したときのことを思い出せ。結婚しないという選択肢はなかったはずだ」
「そりゃ、出会った以上結婚しないという選択肢はありませんでしたけど、私とミレーネの話をあなたと白の団長のとでは大きく話が違うでしょう」
「前提は違うが、結論は変えるつもりはない」ジョシュは口元をゆがめて笑った。
その酷薄ともいえる笑みにルイスは無言で祈った。――主に白の騎士団長に降りかかるであろう今後の諸々に関して。
何しろ、こういう顔をするときのジョシュは止められない。止められたのは――、と考えて、思い出す。
ウーラだけ。粘り強く説き伏せ、口げんかの果てに一応にも理屈を叩き込んで逃げ場を無くし、止めに追い込むことができた。
しかし、今回はどうだ。ルイスの背中を汗が伝う。
男女の仲はわからない。いやしかし、この馬鹿のしたことを簡単に許せるほどウーラは能天気な人間ではないはずだ。
「というわけで、俺はさっそく陛下と宰相と将軍に報告してくるからお前は適当に雑用片付けてろ」
言い終わると同時にジョシュは軽い勢いで足を翻した。ルイスはジョシュの動きに慌てて声をかける。
「ちょ、正気ですか………!本人を先に探すべきでは!?本当にちゃんと謝ったんですか?!謝るべきですからね?!あと、仕事!!今日までの提出書類が山ほどあるんですけど!!?」ルイスの声を背中に聞きながらジョシュは返事をせずに素早い動きで執務室を出た。
ルイスは追いかけようとして、足を止めた。仕事の山をちらりと見た後、盛大にため息をつく。
――今度、白の団長に謝ろう。
謝ったところで結局彼女の不幸に変わりはないわけだが。
その日の午後、ジョシュは用事を終え、城門の前を通りがかったとき、見知った顔を見つけて足を止めた。視線の先に、げぇ、という顔でそこにいたのはウーラだった。
いつも通り、いや、いつも以上にきっちりぶかぶかのローブを着込み、ほぼ素肌は見えない。しかし、今のジョシュにはその中にいるのは真っ白の肌に、銀の髪、赤い目をした美しい女性。――自分の番、というか嫁にする(つもりの)ものだと知っている。
ジョシュは足取り軽く彼女に近づく。
「な、なんですか……」
警戒するようにウーラは一歩後ろに下がり、周りを見渡してから、あわてて背筋を伸ばした。
昼下がり。城門の前はそこそこ人がいるのだ。城門の警備の青の騎士団員が数名、仲が悪いと評判の黒と白の騎士団長が向き合っているのを面白そうに見ているし、その辺を通しかかった庶民やら商人やらが何か変わった雰囲気を感じて視線を二人へ向けている。
ジョシュは周りの目は気にせず、ウーラだけを見ていた。
「体は大丈夫か?」
「……おかげさまで」
不都合な事実を適度に隠した問いにウーラは言葉少なに答えて、逃げだす算段を考えているようだった。
ジョシュはそんなウーラの動きを封じるように、彼女の後ずさる距離を足の長さで縮め、彼女に触れることができるほどの近さに立った。
彼女は人目を気にするように周囲をちらりと見渡した後、諦めたようにジョシュを見上げた。
「……この間のことは一時の気の迷いですので、責任等求めていません。何度考え直しても完全な気の迷いなので、なかったことに、できなくでも、なかったことにしてください」
「……」
「言っておきますけど、この間の件以前のあなたの仕打ちは一切許していませんし、謝罪も受け入れる気はありませんからね。――本当に気の迷いだったんですよ。冷静に考えれば考えるほどありえませんから」
ジョシュは無言で彼女を見下ろしていた。
ジョシュとて馬鹿ではあるが、思考力がないわけではない。彼女にしたことが許されることだとは思っていないし、当然の結論だと分かっている。わかってはいるのだが。
「………なんですか」自分を見下ろしたまま黙り込んでいるジョシュにしびれを切らせたウーラが呟くように言った。
ジョシュはウーラの目の前で片膝をついた。
「??!ちょ、な、なんですか!?やめてください!!ホントやめてください、土下座でもする気ですか?!なかったことでいいですから!あの、本当やめてください、せめて人のいないところで――」
慌てて制止しようとするウーラの手を取り、ジョシュは手の甲に口づけた。
ローブから見えるウーラの肌は一気に赤くなった。
思い違いに気づいたらしいウーラは思わず手を引いたが、力でかなうわけもなく。
「ウーラ、白の騎士団長、ウーラ・ドレ・ミレンジェ。俺と結婚してくれ」
「な――!!!!」
馬鹿は馬鹿として、結局同じことを彼女に伝えるしかない。
――完全に押しの一手だった。
◇◇◇
ジョシュの声はかなり通りがいい。そのため、ただでさえ注目を集めていた二人の間の会話は、何事かと耳を澄ます周りにはよく聞こえていたわけで。
数日ぶりに聞いた、その前の時にはなんやかんやなかったことにしようと思いたかった求婚の言葉が再びウーラの精神に打撃を加え、おまけに周囲からの、おおお!と、どよめく人の声がとどめを刺した。
(意味が分からない……)
拒絶してもだめ、理屈をいってもだめ。しかもこんな公衆の面前で求婚など、外堀まで埋められ始めた。――本気だ。馬鹿が本気だ。
どうしたら、馬鹿を止めることができるのかわからない。仕事上のことであれば、粘り強く逃げ場を無くして追い詰めればどうにかなるのだが、この件に関してはジョシュの勢いが違う。
そもそも、抱かれたのがダメだった。本当だめだった。私の馬鹿馬鹿、ほだされて馬鹿。
ウーラは反省しきりだった。朝起きて頭を抱えて、腰が立たないのに赤面して回復魔法を自分に重ね掛けして体を拭いて一目散に逃げたが、何度考えても気の迷いだった。その間にジョシュの能天気にすやすやと寝ている顔を何度ひっぱたこうと思ったかわからない。起きられても困るのでひっぱたかなかったが。
今日も朝からジョシュとの夜がなかったことになっていますようにいっそ出合い頭に罵倒されますように。とまで考えながら城内をこそこそ歩いていたが、見つかった瞬間にこれだ。
――ダメだ、私だめだ
許せるわけもない。しかし、馬鹿があきらめてもくれそうにもない。
今後こそ気が遠くなりそうになったウーラの返事を待たず、ジョシュは勝手にウーラの指に指輪をはめていた。――灰色の石のはまった上品で高そうな婚約指輪である。
ウーラは遠のく意識の中で「これってジョシュの目の色だなー」と他人事のように思い、見下ろすジョシュの手には赤の石のはまった同じデザインの婚約指輪がはまっていることを他人のことのように受け止めた。
「ぴったりだな。さっき見に行ったらいいのがあったからそのまま買ってきたんだ。似合うぞ?ほら、とりあえず将軍ジジイには話は通しておいたから大丈夫だ。行くぞ。今なら、まだ会議前だから報告に間に合う」
ジョシュはさっさと立ち上がり、自分がウーラにはめた婚約指輪(仮)に満足げに口づけし、そのまま腕を引いて歩き出した。
ウーラは呆然と力ないまま、引かれるままについていく。
――だから、なんで……?
馬鹿の戦法は外堀を埋めるというやっぱりロクでもない結論であったが、意表をつくとか混乱を巻き起こすといった面では非常に成功した。しかし、それと受け入れられるといった意味では全く話が違うわけで。
“体が動くより頭が先立つ”常識人ウーラがやっとのこと、“考える前に行動”馬鹿ジョシュに「だから、結婚するわけないっていってるでしょう!!!せめて謝ってください!!!」と腕を振り払えたのは、城の中、二人の直属の上司である将軍に報告する直前の出来事だった。
その数秒後またジョシュは謝り、再び馬鹿の一つ覚えで求婚の言葉を繰り返したため、ウーラはとうとう張り手をした。
◇◇◇
その後、ジョシュ・ブランシュ・エルデットは馬鹿の一つ覚えで延々と謝罪と求婚と外堀を埋めることを続け、根負けしたウーラ・ドレ・ミレンジェは求婚を受け入れた。
結婚するまでのそこそこの期間の間でウーラはかなりやつれ、「馬鹿につける薬はないんですか、治らないんですか」とぼやいた。なお、それを聞いたジョシュは「結婚すれば治るかもしれない」等とうそぶいた。
もちろん結婚しても馬鹿は治らなかった。
「馬鹿か」
呆然とした顔で副官が思わずこぼれたといったていで言う。ジョシュはその暴言をものすごく広い寛大な心で許し、笑みを崩さなかった。
「馬鹿だろうな。しかし、ウーラは俺と違って賢い。つまり、子どもは可愛いぞ」
「理屈がくるってますけど。というか、白の騎士団長なんですか相手。やっと女って気づいたんですか」
「理屈じゃねえよ人生は。――性別の件に関しては今度覚えてろよ」
「あなたにとっての人生はそうでしょうよ。で、白の騎士団長殿はなんと?――性別は気づかないあんたが馬鹿でしょう。あんなにどう嗅い――いえ、見ても女性なのに」
「さぁ……朝起きたらもう宿にいなかったからなぁ……。どうせ連絡先も知らないし、今更他人に聞くのもあれだが、まぁ、どうせ勤め先は同じなんだ。今日城を探して、見つけたら色々話し合おうと。ついでに住んでるところとか聞きださないとなぁ。結婚は大変だな。やることが山積みだ!」
「……」
ジョシュの晴れ晴れとした顔を見ながら、早速逃げられてやがる、とルイスが口の中でつぶやいたような気がしたが聞き逃すこととした。
「というか、もう一度聞きますけど、本当に結婚できるんですか。絶対無理でしょ、今までの経緯からして」
「ルイス、お前はミレーネを番だと認識したときのことを思い出せ。結婚しないという選択肢はなかったはずだ」
「そりゃ、出会った以上結婚しないという選択肢はありませんでしたけど、私とミレーネの話をあなたと白の団長のとでは大きく話が違うでしょう」
「前提は違うが、結論は変えるつもりはない」ジョシュは口元をゆがめて笑った。
その酷薄ともいえる笑みにルイスは無言で祈った。――主に白の騎士団長に降りかかるであろう今後の諸々に関して。
何しろ、こういう顔をするときのジョシュは止められない。止められたのは――、と考えて、思い出す。
ウーラだけ。粘り強く説き伏せ、口げんかの果てに一応にも理屈を叩き込んで逃げ場を無くし、止めに追い込むことができた。
しかし、今回はどうだ。ルイスの背中を汗が伝う。
男女の仲はわからない。いやしかし、この馬鹿のしたことを簡単に許せるほどウーラは能天気な人間ではないはずだ。
「というわけで、俺はさっそく陛下と宰相と将軍に報告してくるからお前は適当に雑用片付けてろ」
言い終わると同時にジョシュは軽い勢いで足を翻した。ルイスはジョシュの動きに慌てて声をかける。
「ちょ、正気ですか………!本人を先に探すべきでは!?本当にちゃんと謝ったんですか?!謝るべきですからね?!あと、仕事!!今日までの提出書類が山ほどあるんですけど!!?」ルイスの声を背中に聞きながらジョシュは返事をせずに素早い動きで執務室を出た。
ルイスは追いかけようとして、足を止めた。仕事の山をちらりと見た後、盛大にため息をつく。
――今度、白の団長に謝ろう。
謝ったところで結局彼女の不幸に変わりはないわけだが。
その日の午後、ジョシュは用事を終え、城門の前を通りがかったとき、見知った顔を見つけて足を止めた。視線の先に、げぇ、という顔でそこにいたのはウーラだった。
いつも通り、いや、いつも以上にきっちりぶかぶかのローブを着込み、ほぼ素肌は見えない。しかし、今のジョシュにはその中にいるのは真っ白の肌に、銀の髪、赤い目をした美しい女性。――自分の番、というか嫁にする(つもりの)ものだと知っている。
ジョシュは足取り軽く彼女に近づく。
「な、なんですか……」
警戒するようにウーラは一歩後ろに下がり、周りを見渡してから、あわてて背筋を伸ばした。
昼下がり。城門の前はそこそこ人がいるのだ。城門の警備の青の騎士団員が数名、仲が悪いと評判の黒と白の騎士団長が向き合っているのを面白そうに見ているし、その辺を通しかかった庶民やら商人やらが何か変わった雰囲気を感じて視線を二人へ向けている。
ジョシュは周りの目は気にせず、ウーラだけを見ていた。
「体は大丈夫か?」
「……おかげさまで」
不都合な事実を適度に隠した問いにウーラは言葉少なに答えて、逃げだす算段を考えているようだった。
ジョシュはそんなウーラの動きを封じるように、彼女の後ずさる距離を足の長さで縮め、彼女に触れることができるほどの近さに立った。
彼女は人目を気にするように周囲をちらりと見渡した後、諦めたようにジョシュを見上げた。
「……この間のことは一時の気の迷いですので、責任等求めていません。何度考え直しても完全な気の迷いなので、なかったことに、できなくでも、なかったことにしてください」
「……」
「言っておきますけど、この間の件以前のあなたの仕打ちは一切許していませんし、謝罪も受け入れる気はありませんからね。――本当に気の迷いだったんですよ。冷静に考えれば考えるほどありえませんから」
ジョシュは無言で彼女を見下ろしていた。
ジョシュとて馬鹿ではあるが、思考力がないわけではない。彼女にしたことが許されることだとは思っていないし、当然の結論だと分かっている。わかってはいるのだが。
「………なんですか」自分を見下ろしたまま黙り込んでいるジョシュにしびれを切らせたウーラが呟くように言った。
ジョシュはウーラの目の前で片膝をついた。
「??!ちょ、な、なんですか!?やめてください!!ホントやめてください、土下座でもする気ですか?!なかったことでいいですから!あの、本当やめてください、せめて人のいないところで――」
慌てて制止しようとするウーラの手を取り、ジョシュは手の甲に口づけた。
ローブから見えるウーラの肌は一気に赤くなった。
思い違いに気づいたらしいウーラは思わず手を引いたが、力でかなうわけもなく。
「ウーラ、白の騎士団長、ウーラ・ドレ・ミレンジェ。俺と結婚してくれ」
「な――!!!!」
馬鹿は馬鹿として、結局同じことを彼女に伝えるしかない。
――完全に押しの一手だった。
◇◇◇
ジョシュの声はかなり通りがいい。そのため、ただでさえ注目を集めていた二人の間の会話は、何事かと耳を澄ます周りにはよく聞こえていたわけで。
数日ぶりに聞いた、その前の時にはなんやかんやなかったことにしようと思いたかった求婚の言葉が再びウーラの精神に打撃を加え、おまけに周囲からの、おおお!と、どよめく人の声がとどめを刺した。
(意味が分からない……)
拒絶してもだめ、理屈をいってもだめ。しかもこんな公衆の面前で求婚など、外堀まで埋められ始めた。――本気だ。馬鹿が本気だ。
どうしたら、馬鹿を止めることができるのかわからない。仕事上のことであれば、粘り強く逃げ場を無くして追い詰めればどうにかなるのだが、この件に関してはジョシュの勢いが違う。
そもそも、抱かれたのがダメだった。本当だめだった。私の馬鹿馬鹿、ほだされて馬鹿。
ウーラは反省しきりだった。朝起きて頭を抱えて、腰が立たないのに赤面して回復魔法を自分に重ね掛けして体を拭いて一目散に逃げたが、何度考えても気の迷いだった。その間にジョシュの能天気にすやすやと寝ている顔を何度ひっぱたこうと思ったかわからない。起きられても困るのでひっぱたかなかったが。
今日も朝からジョシュとの夜がなかったことになっていますようにいっそ出合い頭に罵倒されますように。とまで考えながら城内をこそこそ歩いていたが、見つかった瞬間にこれだ。
――ダメだ、私だめだ
許せるわけもない。しかし、馬鹿があきらめてもくれそうにもない。
今後こそ気が遠くなりそうになったウーラの返事を待たず、ジョシュは勝手にウーラの指に指輪をはめていた。――灰色の石のはまった上品で高そうな婚約指輪である。
ウーラは遠のく意識の中で「これってジョシュの目の色だなー」と他人事のように思い、見下ろすジョシュの手には赤の石のはまった同じデザインの婚約指輪がはまっていることを他人のことのように受け止めた。
「ぴったりだな。さっき見に行ったらいいのがあったからそのまま買ってきたんだ。似合うぞ?ほら、とりあえず将軍ジジイには話は通しておいたから大丈夫だ。行くぞ。今なら、まだ会議前だから報告に間に合う」
ジョシュはさっさと立ち上がり、自分がウーラにはめた婚約指輪(仮)に満足げに口づけし、そのまま腕を引いて歩き出した。
ウーラは呆然と力ないまま、引かれるままについていく。
――だから、なんで……?
馬鹿の戦法は外堀を埋めるというやっぱりロクでもない結論であったが、意表をつくとか混乱を巻き起こすといった面では非常に成功した。しかし、それと受け入れられるといった意味では全く話が違うわけで。
“体が動くより頭が先立つ”常識人ウーラがやっとのこと、“考える前に行動”馬鹿ジョシュに「だから、結婚するわけないっていってるでしょう!!!せめて謝ってください!!!」と腕を振り払えたのは、城の中、二人の直属の上司である将軍に報告する直前の出来事だった。
その数秒後またジョシュは謝り、再び馬鹿の一つ覚えで求婚の言葉を繰り返したため、ウーラはとうとう張り手をした。
◇◇◇
その後、ジョシュ・ブランシュ・エルデットは馬鹿の一つ覚えで延々と謝罪と求婚と外堀を埋めることを続け、根負けしたウーラ・ドレ・ミレンジェは求婚を受け入れた。
結婚するまでのそこそこの期間の間でウーラはかなりやつれ、「馬鹿につける薬はないんですか、治らないんですか」とぼやいた。なお、それを聞いたジョシュは「結婚すれば治るかもしれない」等とうそぶいた。
もちろん結婚しても馬鹿は治らなかった。
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