ヌードな死神

犬童 幕

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ヌードな死神

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「あんた、もしかして死神かい?」

俺は目の前の美女に聞いた

この世に未練はないし

死ぬ事も特に怖くはない

「人間はあたいの事をそう呼ぶけど、あたいは神なんかじゃないわ」

死神は人間の美しい女の姿をしていた

さらに一糸まとわぬその姿に俺は圧倒された

とにかく俺は死ぬのだ

俺の胸に深々と刺さったナイフが他人事の様に思えて俺は笑った

「俺の行き先は地獄かい?」

「あなた、まさか天国にいく気だったんじゃないでしょうね」

今までさんざん悪事を重ねてきた俺が天国へ行けるとは思っちゃいない

地獄でどんな責苦が俺を待っているのか知らないが、裸の女と道連れなら楽しい旅になる筈だ

「地獄は悲惨な所よ」

ヌードな死神が言った

「あんたとなら何処へでも行くぜ」

「あら、嬉しい。それじゃあ楽しい事しながら行きましょう」

「俺、地獄にどれ位いる事になるのかな」

この世に未練はないと言っても、地獄に長居はしたくない

「あなたくらいの小悪党なら、千年ってところかしら」

千年も苦しめられるのか

それならもっと生きていたい

それに色っぽい死神との旅は一瞬で終わるに決まっている

「地獄までどれくらいかかる?」

「地獄は遠いわよ」

遠ければ遠いほど良い

少しでも地獄には遅く着きたい

「それで地獄までどれくらい? 一週間、それとも十日?」

「そんなんじゃ地獄の入り口にもたどり着けないわ。急いで七千年ってところかしら」

七千年? 七千年もかかるのか。目の前の裸の美女と七千年も楽しい事が出来るなら、先の事はその時に考えよう

「それじゃあ出発しましょう。裸になって私の背中につかまって」

「バックから失礼します」

俺は服を脱ぎ捨て美女の尻に抱きついた



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