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第14幕【約束の地:それぞれの記憶】
しおりを挟む―4か月後:ハミルトラル王国―
ハミルトラル王国はライアの手によって正に落とされようとしていた
何万という数の不死の軍隊は列を組み前進する
幾度となく再生する骸骨はハミルトラル王国の兵士に充分な恐怖を与えていた
「申し上げます!
背水の陣にてカルヴァリの丘を死守していた我が軍隊は全滅!!
ついに街中に侵入されました!
総大将トレバ将軍は討ち死にされた模様…」
「なんと!?
トレバがやられたのか‥」
「あれ程‥用意周到に準備しておったのに‥
まさか、これほど圧倒的に差があるとは‥
天は何故このような試練を与えるのかっ!?
400年を刻んだこの国も滅んでしまうのか‥
無念である…」
ハミルトラルの王は天を見上げた
その遥か先には大気が歪み放電を繰り返す中心に魔導師が静止していた
「ゆけー!スケルトン共よ!!
この場所はわらわに取って大切な地 。
全てを破壊せよ!
全てを抹殺せよ!」
不死の軍隊の勢いが増す
断末魔を残し倒れゆく兵士達‥
「この世には神などいないのかぁ-っ!!」
胸に突き刺さる剣をガッと握りしめ、兵士はズルズルと崩れ落ちた
何百何千とも迫る骸骨に士気は下がり、絶望と支配が全てを飲み込んでいった‥
「伝令!街中も突破され、城前まで到達!!
ここもすでに危険です。陛下、至急ご避難を」
」
「…これまでか」
王は唇を深く噛み締めた
―城門前―
「この城はわらわの拠点とする。
門だけ破壊せよ!」
キイェェェェ
ブブブブブ
2体の魔物が現れた!
《シェアト【sheat】》
[属性:風]殺人により討伐対象となっている邪悪なハーピィ。
ボサボサの髪の下で強い憎しみを放つ赤い眼が不気味に光る。
生まれながらにして耳を塞ぎたくなるような酷い声しか出すことができず、絶望して逸れ者となり、嫉妬心から美しい声を持つ吟遊詩人などを次々と襲うようになった
《スティヌージ【styenhuge】》
[属性:土]全身からひどい悪臭を放つ大型魔物。
ファナトマーミという街のゴミや排水の廃棄場になっていた汚い湖から現れた。
悪食で大食い。
流れてくるゴミだけでは満足できないほど成長したために街に侵入し人を襲うようになった(※魔物事典抜粋)
◆ドオンッ!ドオンッ!
城門を揺さぶる
裏側では最後の兵士達が破られまいと最後の力を振り絞り必死に門を押さえている
城内にはここに逃げ込んだ国民達も最後の祈りを捧げ、恐怖に潰されそうになっていた
◆ドオンッ!ドオンッ!
「守れー!
ここを破られたら‥
もうこの国もおしまいだ…」
その強烈な衝撃に門に亀裂が入った
「ほ~ほっほっほっほ」
ライアは勝ち誇っていた
この丘は彼女らにとって大切な場所であり、もうこの手中に入る寸前であったからだ
そして最後の一押しを指揮する寸前
ライアの頭に声が響いた
「久しぶりじゃのう、オルクス」
!!?
「‥これは驚いた。あなたからお声がかかるとは
お元気でしたか?
アルターロイメン!!」
ライアの口元がニヤリと笑う
「ふえっふぇっふえっ
元気じゃよ」
「よくここが分かりましたね‥」
「ここがどこだか忘れた訳ではあるまいに
わしは時をあまかける者じゃ。
おぬしがどう動くかすでに分かっておるよ」
「フッ。そうでしたね。
あなたにはその能力がありましたねぇ
それに
ここはわたし達3人にとって【約束の地】であり、我が主が命をたたれた場所‥」
「その通りじゃ
我々三種の神器には、それぞれに与えられた力は異なる」
「えぇ、分かってますわよ。わたしは魔力を与えられ、あなたは時を自由に操れる」
「そして‥フリューゲル・シュヴェルトは力じゃ」
「彼は何をしてるんでしょうねぇ」
「ヤツはまだあの城におるようじゃて」
ライアは高笑いした
「まだ、あの城に!?
彼はあの聖魔大戦が終わってないとでも?」
「詳しくは分からん。結界が張られておるからのぅ」
「フフフ、今度会いにいってみようかぇ。
あなたもそのお話し具合から前とのイメージがかなり違うようですねぇ。
お美しい方なのに‥」
「このほうが色々と都合がいいのじゃ」
「あなたの美貌がうらやましかったぇ」
「われわれの体など、ただの形にしか過ぎぬだろうに‥」
「我が主にあなただけ人の姿を与えられたのが妬ましかった‥」
「それで人の姿をしておるのか?」
「…今はどうでもよくてよ。
私が存在するため理由の1つだからぇ。
で、何用かしら?
加勢にでも来られたのかしらぇ?」
「‥お主を止めに来たのじゃ。
今度こそ終わりにしようぞ。この地で」
「そうですか‥
これで敵同士という訳ですねぇ。
ではお待ちしていますわぇ」
「ここからおぬしの姿がよく見えるのう…」
◆ぶあっ
ライアは後ろを振り向いた
不死の軍隊も一斉に振り向く
カルヴァリの丘にはひとりの男が立っている!!
ライアは嬉々として目を見開いた
「エステリオ~ス!」
「来るぞぃ!」
「…よし!!」
魔導師が迫る!
エステリオスは剣を‥
抜いたっ!!
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