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リョウ外伝8【警戒】
しおりを挟む∵少し、おしゃべりが過ぎましたねぇ
これで終わりにしましょう∵
(待って!!
エルトワはどこにあるのっ!?)
∵‥…∵
∵まだ言うのですか?
あなたに教えるつもりもありませんし、誰もここから出しませんよ
死んでいく者にそれが必要なことでしょうか∵
(なぜそんなことを‥)
∵私の魔力をもっと増すためには、あなたのそのエルトワの血が必要だからです
それ以外に何があるというんですか?∵
(‥狂ってる)
∵あっはははははっ
私にそういう事が言えるとは‥
ではこうしましょう
あなた方にプレゼントを用意しました
私に会いに来るもよし、そこで死ぬもよし、それはお任せします
‥
‥…
‥……おや?
あなた以外に懐かしい友人もいますねぇ∵
(友人て誰のこと!?)
∵…そこまでお人好しではありませんよ
せいぜい、その友人に殺されなよう頑張って探して下さいね
お待ちしておりますから‥∵
◆キュィィィーン
レイナリアは後ろにのけぞった
「レイナ姫!!」
リョウが抱きかかえる
Σ!!?
レイナリアは思い出した
「わ‥わたしは一度ここに来たことがある…」
その小さな体は幼き心に戻り恐怖に震えていた
―ラングレー班―
「何か手がかりはあったか?」
「いえ、この部屋にもなさそうですね」
この小部屋は待合室のようで、正面に等身大の金で装飾された大きな鏡が飾られ、豪華な棚には金の置物が置かれていた
絨毯は赤い花びらに金の刺繍が施されており、長椅子はふかふかで座り心地が良かった
戦利品だろうか
壁にキングスコーピオンの剥製が飾られてある
「凄い部屋だな」
「どこかにお宝の部屋みたいのがあったりしてな」
兵士達は驚いていた
通路とは反対側にドアがある
◆ギ、ギギギ~
1人の兵士がドアを開けた
奥にも部屋があるが暗くてよく見えない
その兵士が覗き込もうとしたその時、先程までいた大広間の方から今までと打って変わって、余りにも不釣り合いな大きな音と共に地響きが伝わってきた
「なんだ?」
一斉に振り向き、剣を抜き構える兵士達
「皆さん、気をつけて下さい!我々は眠れる何かを起こしてしまったのかも知れません」
ランガは気合いを入れ直した
グルルル‥
「!?」
妙なうめき声にドアノブを握っていた兵士がゆっくりと向きなおると、足元に大きな緑色の足が見える
恐る恐る見上げると目が合った
Σ!!?
◆バターンッ!!
突然の音にびっくりして全員が振り向いた!
「おいっ!?
レックスはどこに行ったんだ?
隣の部屋に入ったのか?」
そのドアノブに触ろうとした瞬間、中から異様な音がっ!!
バキバキグチャグチャゴリゴリチューチュー……‥ップ
「なんだ?この音‥!?」
恐る恐る耳を近づけると‥
◆バーーーン!
グオオオオォーン
ドアを蹴破り現れた物は顎から上のない兵士をぶら下げ飛び出してきた
その怪物は身の丈3メートル、全身緑色で巨大な棍棒を手に持ち、兵士の脳みそを吸っている
唸り声を上げ周囲を威嚇した
「オークだ!!
オークが出たぞーっ!!」
慌てて剣先を向け身構えた
「ぎゃー」
今度は後ろから悲痛な声と共に兵士が倒れる
その兵士はガタガタと震え、あっという間に皮膚の色が紫色になり血を吹き出して息絶えた
カサカサ
天井を見上げると‥
「おいおい、嘘だろ‥!?」
剥製だったはずのキングスコーピオンの姿が消え天井には巨大な蠍が獲物を狙っている
前方にはオーク
後方にはスコーピオン
正に前門の虎・後門の狼のごとくであった
「下がるなーっ!今こそ、レダの生き様を見せろーっ!!」
ラングレーが指揮を高めると一斉に飛びかかった
うおおおーーっ
◆ガキーーン!!
スコーピオンに数人が打ち込むが甲羅が硬くてなかなか貫通しない!
◆シャキンシャキン
スコーピオンは巨大なハサミを振り襲いかかってくる
グオオオオォー
オークが棍棒を振り回した!
棍棒は狙った獲物の腕に当たり、そのまま腕をへし折りあばらにめり込んでゆく
◆ドグオオオーン
壁まで吹き飛ばされ倒れる兵士
「キースッ!!」
叫んだ兵士の首にハサミが食い込んだ
◆ブシューウ
血が噴き出し首が床を転がる
兵士が切りかかる!
腕を斬りつけひるむオークに、ランガの回し跳び蹴りが顔面にめり込む!!
グオオオオォー
しかし全く効いていない!
オークは棍棒を振り下ろした!
§極意【まほろば】!
◆ドガッ
それをゆるりと交わしオークの懐に飛び込んだ
†奥義【轟暫絶掌】!!
一歩踏み込んだ右足に全体重をかけ、上半身を回しながら渾身の一撃を脇腹に繰り出した!!
!!!はっ!!!
◆ドコーーン!!
ランガの拳がめり込む
グアァァ
オークはのけぞった!
「効いている
効いているぞー!!」
ラングレーの声で2人が飛びかかった
一振りは左肩に刺さり、もう一振りは腕に食い込む!
しかし、そのまま兵士の頭を鷲掴みにし指の隙間から肉片が吹き飛ぶ
◆グチュャ
オークは指を流れる血をしゃぶりながら次の獲物を見定めた
蠍の毒針がラングレーを強襲!
それを交わしハサミを弾き返してスコーピオンの目に突き刺す!
ギョシュュオーー
スコーピオンは後ろに下がった
兵士が毒針にしがみつくがそのまま前に弾き飛ばされ
それを待っていたかのように棍棒を振り抜く
兵士は真っ二つに折れ天井に血しぶきが飛び散った
天井から血の雨が降り注ぐ
うぁあ
逃げようとした兵士は床に転がる肉塊につまずき前のめりに倒れ込む
脅える兵士に容赦なく毒針を打ち込んだ
「ラ‥ラング‥レー隊長‥」
兵士は血を吹き出し息絶えた
「‥シーマン」
ハァハァ‥ふう
「もはやこれまでか…」
ラングレーは息を切らし、血の海に溺れる状況を理解した
「ランガよ
お前だけでも生き残れ!!
そして、姫の元へ‥行け!!」
「いえ、それは出来ません
火の鳥の国の漢には‥
後退の文字はない!!」
◆ボゥ
構えるランガに黒い炎が燃え上がった!
「これは一体‥!?」
жここで死なれては元も子もない‥ж
「誰だ!?」
ж誰でもよかろう
さっさと始末せよж
◆ゴウウウウ
体に力がみなぎる!
ランガは手を合わせた
§極・極意
【四獣降臨】!!!
「四獣の言霊を拳に宿し、己の敵を打ち砕く!朱雀光臨」
拳が炎に包まれた
更に重ねて奥義に繋げる
†極・奥義
【七掌抜刀撃】!!!
目にも留まらぬ速さで炎の拳の連打炸裂!!
◆バ!バ!!バ!!!バ!!!!バ!!!!!バ!!!!!!バ!!!!!!!
甲羅に亀裂が入った
うりゃーー!!
前方回転からのかかと落としがその亀裂にめり込む!
◆ブシュッウ
‥ギギーギー
スコーピオンはバタッと両腕を落とし停止した
「出来た‥極の技が…」
リョウは己の拳を見つめる
「うおーやったー」
兵士は希望の光を見た
が、それは脆くも打ち砕かれた
後ろから棍棒が頭にめり込みそのまま床にたたきつけられる
グシュルルー
オークが睨みつける
「ランガ逃げろ~!」
ラングレーは剣を振りかざした
「今の私には出来るはず!!」
ランガはラングレーの前に立ち両手を回し上下に構える!
†オークの渾身の一撃!
§極・極意
【不知火】!!!
◆ブーン
ランガが3人に分裂!!
オークの一撃は空を切った
3人のランガが同時に飛び出し奥義に繋がる【布石】を打つ
★1人はオークの顔面に真空回し蹴り!
★1人は壁を蹴り、延髄にかかと落とし!
★1人は下から顎を蒼天蹴り!
グアァァ
◆ドスン
オークがついに両膝をついたのだ!!!
3人のランガは同時に飛び込み、【人中】の経内に掌底を叩き込む!!
オークは大きくのけぞった!
★「勝機!!」
★「勝機!!」
★「勝機!!」
一気に肘打ちを【丹田】へと打ち込み、その勢いのまま裏拳を喉へ!
回転し両手を合わせ、波動の構えにて同時に叩き込む!!
†極・奥義
【猛虎硬爬山・獅子吼】!!!!
◆ドゴーーォォオン!!!
グググ・グハ‥
◆ドターーン
オークは崩れ落ちた
はあはあハア‥やった
「やったな」
ラングレーは声を上げるが、この惨劇をみると次の言葉が詰まる‥
「…生き残った者は俺とギブソン‥
そしてランガ‥か
我々の班はもう3人になってしまった‥
一度、姫の元に戻ろう!向こうも大変なことになっとるかもしれん…」
「ラングレー隊長、そうしましょう」
3人はここで死んだ仲間達の冥福を祈り、一旦戻ることにした
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