╂AVALON-ROAD╂外伝《リョウ編》【奪還!シュヴェルト城】

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リョウ外伝10【宿命】

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―シュウトウ班―

レイナリアは幼き頃に見た記憶を思い出した

「わ‥わたしは一度ここに来たことがある…」
その小さな体は震えている

◆ドーーンガラガラガラ

突如として大広間から何らかの凄まじい音がした

ドシ.ン..
ズシ.ン..
ドシ.ン..
音は地響きと共に間違いなくここへ近寄って来る

「来るぞ!!」

音のする方へ身構えおのおの剣を抜き身構えた


《わたしが見たこのヴィジョン‥...大きな魔物が現れ…》

レイナリアは思い出そうとしていた


暗闇の回廊からキラリと光る
「ん?」

≡ヒュュュュル
◆ドシューー!
ぐわぁ!

巨体な槍が2人の兵士を貫き止まった

ドシン・ドシン・ドシン・ドシン

Ψ‥Ψ
―ヴェルダーシュタイン(石の門番)が現れた―

「こいつはさっき大広間にあった石像だ!」
「で、でかい」
兵士達はひるんだ


Ψ‥Ψ石像は何も言わず槍を引き抜く

《わたしたちは‥》

「盾を構えよ!石像の攻撃を防ぐのじゃ!」

シュウトウが叫び兵士達は集まり、盾を重ね合わせ甲羅の布陣を取った


《そのまま‥奥に逃げ込み…》

◆ドガッ!
Ψ‥Ψ石像はその布陣に蹴りを入れ弾き飛ばした

うぅぅ
兵士が目を開けると巨大な足が映る

うわーっ
顔を覆った
◆ブシュゥ
それを踏み潰す

「皆、引けー!
奥に逃げるぞ!」

《右の階段を上に上がり…》

Ψ‥Ψ
◆ドシンドシンドシン
石像が後を追う

その行き止まりで兵士が左の回廊へ曲がる

《みんなは一人一人倒れ…》

Σわわわわ
不死の軍隊がぞろぞろと迫っていた

「こっちは駄目だーっ!後ろへ!!」
慌てて戻る

後ろに戻った兵士に槍の洗礼が届く
◆ブシュー
ぐえっ‥あががっ

石像は兵士を持ち上げ、そのまま槍を壁に叩きつけた
◆グチャ!!

《そして…》

「右の階段だ!」
残った者は全員駆け出す

《わたしたちは…》
リョウはレイナリアを抱え必死に走った


石像は階段に向かって槍を投げつける

◆ドガーン!!ガラガラガラ..
階段は崩れ落ちレイナリアを抱えるリョウと兵士が落ちた

「きゃあ」

落ちゆくリョウは必死に手を伸ばす

「だ‥だめか」
◆バシィィ
その手をシュウトウが掴んだ!

「御師様ぁ!」

「大丈夫か!」
「はいっ!レイナ姫しっかり」
リョウを引き上げる


下に落ちてしまった兵士にスケルトンが群がる

「うわわわ‥やめてくれえ
足があ!足が折れて‥」

ぎゃーー
兵士の断末魔を最後に、スケルトン達は何度も何度も剣を突き立てた

「ひどい‥」
レイナリアは目を反らした

「姫!悲しんでいても致し方あるまい。早くここを出なければ‥」

…そしてリョウを見た

「リョウよ‥姫だけは必ず逃がすのじゃ‥よいな」

「はいっ!
でも御師様は?」
「わしのことは心配するな‥」

「リョウよ‥」
「はい?」

「‥
わしはお前を息子のように思い育ててきた‥

よいか、生きて、生きて姫様とここを出るのじゃ」

シュウトウはリョウを抱きしめた

「御師様‥」
これが父親のぬくもりなのだろうか
そう思うと涙が込み上げる

「行くぞっ!!」
2人は走った


やがて巨大な門の前にたどり着く

それを見たレイナリアは自分の運命を知る

《わたしの運命…
わたしの運命はそこにあるのね…》

扉を開けた

そこは高い天井一面に絵が描かれており、正面に玉座があった

その玉座に誰かが座っている

「誰だ!?」

その男は立ち上がり近寄る

「ランガか‥」
リョウはほっとした

「無事だったのか!
他の者はどうした?」

「死んだよ」

「‥そうか、ラングレー殿もか‥」

シュウトウは目を閉じた

「その剣どうしたんだ?」
リョウが尋ねる

「これかぁ?
ああ‥これは拾ったんだよ」

レイナリアはランガの周りを纏う黒き炎が、一段と増していることに恐怖を感じ、リョウの服をギュっと握りしめた

その緊張はリョウにも伝わっていた


「お前‥なんか変わったな」
リョウは不信な眼でランガを見つめる


「オレが変わったぁ?
ハハハ‥
オレが変わったか!?」

ランガはウヒャウヒャと笑い出した


《駄目だわ…追ってくる…

そして‥
私の前に立ちはだかる人は…

……誰?》

―ヴィジョンの中のレイナリアはゆっくりと見上げる―

《その顔は…》


◆ゴゴゴゴゴゴゴ

玉座の間がかすかに揺れ出した

「そんな話しは後でよい!
ランガわしの横に来い!
来るぞ!!」

◆ドガーン!!!
Ψ‥Ψ
扉を吹き飛ばし、石像が現れた

その後ろに不死の軍隊も続く

「あいよ」
ランガはニヤリと笑う


レイナリアは思い出した!!

《はっ!?その顔は!!》

「シュート!危ないっ!!」

レイナリアは手を伸ばし叫んだっ!

◆ヒュンシュバ!

「ん?」
シュウトウは床を見た
転がる両腕を‥
◆ブシュュュユ

「ぐわっ‥」
大量の血が吹き出しシュウトウは膝をついた

「御師様ー!!」

◆ドクン・ドクン

《ぁぁ…そしてわたしは!?》



ゆっくり振り向く...




◆スゥゥゥ
冷たい金属が腹部を通り、レイナリアの服が赤く染まった‥


レイナリアはランガの腕をつかんだ!

◆ぶわっ
ギュオオオオオーン
レイナリアの脳裏にヴィジョンが映る

漆黒の闇は狂気が乱舞し、渦巻く死霊の陰はもがき苦しむランガの姿を捕らえていた‥

《ランガー!》

手を差し伸べると
その顔が自分に変わる

《わたし‥?
そう…わたしだったのね…

これが…
最後に見た【夢】

そしてわたしの呪われた運命…》

レイナリアは倒れた


「レイナ姫ーっ!!」
リョウは抱きしめ叫んだ!

「こふっ‥
ねえ、リョウ?」


「‥はい」

「ありがとう、最後までわたしのために…」

「‥そんな」


ぶあ
リョウの目から涙が溢れ、それがレイナリアの頬に落ちた‥

「リョウは優しいのね…」


レイナリアの目が閉じる

「姫!!しっかり!!」

揺さぶるとレイナリアはゆっくりと目を開けた

「…ねえ
わたしはおとうさまのお役に‥なれたのでしょうか…」

「はい‥」



「そう…
それは‥
よかっ‥た」





エルトワの血に翻弄され、1人の少女の運命が幕を閉じる
やがて大人になり、目の前に現れる白馬の王子と逢えることを信じて...

レイナリア・アムス・フリュッデン・エルトワ

=享年12才であった=
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