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第四章
第十三話
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あまりに突然の出来事に呆然としていた。
「三人とも、離れろ!!」
だがマギクの声で正気に戻る。
私はテン、そして背中のラーラと共に急いで距離を取った。
「グォォォォォォ…」
地面を揺らすような低い声で唸りながら、敵がその全身を現す。
橙色をした六角形の鱗に覆われた、体長10mはありそうな巨体には足がなく、太く丸々として高さもある。
その顔は蛇に似ているが蛙のように目が飛び出していて、口先から二股の舌をチロチロと出している。
まさしく蛇が鎌首をもたげるように上半身を立ち上がらせ、蟷螂のそれに似ているが前腕部が分厚い殻によって覆われた前足を構えている。
図鑑に記録されていたのよりずっと体格が大きい。
敵はマギクや私達を見下ろすと、その口を大きく開けた。
マギクが咄嗟に魔力を溜める。
先程と同じように火球が吐き出され、マギクはそれを巨大な水の球体で包み込むが、爆発の威力を殺しきれず後方に弾き飛ばされた。
マギクに追撃しようとする敵に対し、ウロが液体の入ったガラスの大瓶を投げ付ける。
敵は中身が自分に掛からないよう、それを指先で小突いて割った。
「にゃろう…!」
ウロが慌てて真っ黒な傘状の魔具を広げ、雨のように落ちてくる液体を防いだ。
落ちた液体が地面を溶かす。
その時、相手は急にウロに接近してその腕を振り上げた。
それを見たマギクが注意を引き付けようと「光槍」を発射するが、敵の身体に当たった瞬間消滅してしまう。
「くっ…」
ウロも地面の骨をまき散らしながら弾き飛ばされ、胸から出血しながら近くの木の幹に激突した。
その時、横から傷だらけのリレラが駆け上がって来る。
「うぉぉぉぉぉ!!」
敵に反応させる間も与えず、その左腕から横腹に掛けてを超高温の刃で大きく切り裂いた。
尻尾が大きくのたうち、鞭のようにリレラを叩く。地面が大きく抉れ、骨と石が飛び、土煙が立つ。
だが「真紅の女傑」は大きく跳躍して躱しながら敵の身体の上に飛び乗り、勢いのまま剣を突き刺した。
「グォォォォォォ!!」
悶えながら身体を大きく揺らす。しかし彼女は離れない。決して剣から手を離さない。
敵は首を大きく背中側に曲げ、口を大きく開けるとリレラ目掛けて火球を吐き出す。
「させないぞ!」
マギクが敵の横を走り抜けながら手を翳し、水の壁を作り出す。
魔力で出来ているそれはどんどん鱗に吸われて小さくなり、結果リレラは火球を受けて剣ごと吹き飛んでいった。
「リレラ…!」
相方を心配するマギクを蟷螂の腕が襲う。
彼はそれを結界を張った右手で、意図してなのかは分からないが、大きく弾いた。
「ナイスだ、リーダー」
その瞬間、普段は邪魔な腕が弾かれたことでがら空きになった敵の腋を、いつの間にか木の上に居たジールバードが寸分の誤差無く撃ち抜く。
腋は急所だ。血管や神経が多く集まっている。
そこを破壊された敵は大量に出血し、また苦しそうに唸った。
苦痛によって攻撃が止んでいる間に、四人が体勢を整えていく。
最初はどうなるかと思われたが、リレラのあの一撃をきっかけに一気に優勢になり、勝機が見えてきた。
そう思った矢先、敵に異変が起こった。
敵の身体がみるみるうちに縮んでいく。
図鑑に書いてあったことは嘘ではなかった。
「三人とも、離れろ!!」
だがマギクの声で正気に戻る。
私はテン、そして背中のラーラと共に急いで距離を取った。
「グォォォォォォ…」
地面を揺らすような低い声で唸りながら、敵がその全身を現す。
橙色をした六角形の鱗に覆われた、体長10mはありそうな巨体には足がなく、太く丸々として高さもある。
その顔は蛇に似ているが蛙のように目が飛び出していて、口先から二股の舌をチロチロと出している。
まさしく蛇が鎌首をもたげるように上半身を立ち上がらせ、蟷螂のそれに似ているが前腕部が分厚い殻によって覆われた前足を構えている。
図鑑に記録されていたのよりずっと体格が大きい。
敵はマギクや私達を見下ろすと、その口を大きく開けた。
マギクが咄嗟に魔力を溜める。
先程と同じように火球が吐き出され、マギクはそれを巨大な水の球体で包み込むが、爆発の威力を殺しきれず後方に弾き飛ばされた。
マギクに追撃しようとする敵に対し、ウロが液体の入ったガラスの大瓶を投げ付ける。
敵は中身が自分に掛からないよう、それを指先で小突いて割った。
「にゃろう…!」
ウロが慌てて真っ黒な傘状の魔具を広げ、雨のように落ちてくる液体を防いだ。
落ちた液体が地面を溶かす。
その時、相手は急にウロに接近してその腕を振り上げた。
それを見たマギクが注意を引き付けようと「光槍」を発射するが、敵の身体に当たった瞬間消滅してしまう。
「くっ…」
ウロも地面の骨をまき散らしながら弾き飛ばされ、胸から出血しながら近くの木の幹に激突した。
その時、横から傷だらけのリレラが駆け上がって来る。
「うぉぉぉぉぉ!!」
敵に反応させる間も与えず、その左腕から横腹に掛けてを超高温の刃で大きく切り裂いた。
尻尾が大きくのたうち、鞭のようにリレラを叩く。地面が大きく抉れ、骨と石が飛び、土煙が立つ。
だが「真紅の女傑」は大きく跳躍して躱しながら敵の身体の上に飛び乗り、勢いのまま剣を突き刺した。
「グォォォォォォ!!」
悶えながら身体を大きく揺らす。しかし彼女は離れない。決して剣から手を離さない。
敵は首を大きく背中側に曲げ、口を大きく開けるとリレラ目掛けて火球を吐き出す。
「させないぞ!」
マギクが敵の横を走り抜けながら手を翳し、水の壁を作り出す。
魔力で出来ているそれはどんどん鱗に吸われて小さくなり、結果リレラは火球を受けて剣ごと吹き飛んでいった。
「リレラ…!」
相方を心配するマギクを蟷螂の腕が襲う。
彼はそれを結界を張った右手で、意図してなのかは分からないが、大きく弾いた。
「ナイスだ、リーダー」
その瞬間、普段は邪魔な腕が弾かれたことでがら空きになった敵の腋を、いつの間にか木の上に居たジールバードが寸分の誤差無く撃ち抜く。
腋は急所だ。血管や神経が多く集まっている。
そこを破壊された敵は大量に出血し、また苦しそうに唸った。
苦痛によって攻撃が止んでいる間に、四人が体勢を整えていく。
最初はどうなるかと思われたが、リレラのあの一撃をきっかけに一気に優勢になり、勝機が見えてきた。
そう思った矢先、敵に異変が起こった。
敵の身体がみるみるうちに縮んでいく。
図鑑に書いてあったことは嘘ではなかった。
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