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第四章
第三十六話
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翌朝、朝食後にマギクがふと言った。
「たまには頭だけじゃなくて、身体も動かしてみないかい?」
確かにここ数日は読書漬けだったり、町に滞在していたりで運動らしい運動はしていなかった。
「いいですね。是非やらせてください!」
「うん、良い返事だ。それじゃあ…」
奥から木剣片手に歩いてきた人物を見て、だんだん自信が無くなってきた。
「よろしく! 練習の相手はあたしだよ」
「金級」冒険者であり、「白巌流」の達人:「炎刃のリレラ」。
訓練とはいえ、実際に剣を交えるとなるとその緊張感は尋常ではない。
「あたしも最近はあんまり身体動かしてなかったからなあ。丁度良かった」
準備運動をしながら対戦相手は言う。
私も入念にストレッチをし、深呼吸する。
今回は互いに木剣を用いての試し合いで魔法は禁止、時間は3分を目安にするが、勝負が着いたと判断されればその時点で終了となる。
「リレラ、分かってるよな」
審判:ウロが睨む。
リレラは溜息をつき、
「分かってるってば。もちろん全力は出さないって」
そう言いながら、鋭く剣を構える。
その目線は私を力強く見据えていた。
「かと言って手は抜かないけど」
私も「蒼風流」式に剣を構え、胸に覚悟を抱く。
あくまでこれは訓練であり、試し合いであり、リハビリテーション。勝ち負け以上にどう戦い、何を得るかだ。
恐れるな。
「始めッ!」
ウロの声とともに地面を蹴って飛び出す。
様々な角度から「隼斬り」を連続で見舞う。
しかし、リレラはそれをその場から殆ど動かず僅かな剣の動きだけで全て防御している。
しかも、いくら打ち込んでも防御に使っている木剣が一切揺れず、むしろ攻撃しているこちらの手が痺れてきている。
まるで岩山を相手にしているかのようだ。
私はたまらず「雲歩」で距離を取り、そのままリレラの周りを「駿馬」でグルグルと回転し始めた。
一瞬の隙を見つけ、敵の真後ろから一気に接近する。
そして叩き込む首を狙った渾身の一撃。
しかし、敵は軽く剣を後ろに回すだけでそれを防いだ。
こちらには目もくれず。
すかさず追撃を放とうとすると、リレラが身体ごとこちらを向き、剣を振り下ろしてくる。
防御は間に合ったが、伝わる衝撃で剣を落としそうになった。
体勢を立て直すべく再度「雲歩」で距離を取ろうとしたが、敵も同時に近付いて来る。
左右から素早い斬撃。
一撃目は持ちこたえたが、追撃を受けてバランスを崩し、尻もちをつく。
敵が余裕げな笑みを浮かべ、剣を振り上げる。
きっと次の一言はチェックメイトだ、だろう。
でも、私だって伊達に修羅場を潜り抜けてきた訳じゃない。
私は地面に座ったまま、魔力を込めた右足を素早く振った。
「雲歩」や「駿馬」の踏み込みで地面深くまで沈んだブーツ。
その側面や靴底についていた土の欠片を、駿馬の速さで飛ばす。
「くっ!」
視界を塞がれたリレラは、一瞬だが動きを止めた。
その隙に立ち上がり、すかさず「駿馬」で加速し突きを繰り出す。
刺突は斬撃に比べて防ぎにくく、体重・速度が乗りやすい分防御を崩せるかもしれないとの考えがあってのことだ。
しかし、次の瞬間目の前から標的が消える。
戸惑い、速度を落とそうとした私の手から木剣が落とされ、横から別のが突き付けられる。
「こんなところかな」
「ああ。終わりだ」
リレラの声に、ウロが頷く。
「そこまで!」
「本当にすみませんでした。試し合いなのにムキになってしまって」
私はリレラに頭を下げた。
目潰しなんて決して仲間にしていいことじゃない。それに、最後の突きだって万が一「決まって」いれば骨折やその奥の臓器まで損傷させる重症になりかねなかった。
「全然大丈夫! むしろあたしは嬉しかったぞ。実は、試し合いを実戦から切り離された、ただの練習に過ぎないと無意識に考えてしまう剣士も多いんだ。しかも、そういう剣士は大体すぐに成長が頭打ちになる。だからこれぐらい本気になれるっていうのは凄いことなんだ!」
リレラは目をこすりながら言った。
「おっと、あんまり触んじゃねえぞ」
ウロが薬を持って現れる。
「大丈夫かい?」
続いてマギクもやって来て、二人で目の消毒をしていた。
実際にこうして治療している様子を見ると、どうしても罪悪感を感じてしまう。
その時、「ん?」
ウロがふとこちらを見た。
「心配してんのか? リレラの言った通りだ。お前も戦士だろ、いつまでもクヨクヨしてんじゃねえよ」
私は戦士だ。それに、「金級」パーティー:「夜明けの旅団」の一員になったのだ。
それに相応しくならなければ。
「はい!」
私はウロの言葉に応えると、そのままその場を後にした。
遠くに目的地が見えた。
「次の街では、テン君の墓を建てようと思う」
昨夜、マギクが言った。
どうやら彼はこれまでも立ち寄る町各地でそう出来ないか聞いて回っていたようだったが、生憎条件が合わなかった。
次の町は昔から戦士や冒険者の拠点として栄え、こういった事例に慣れているという。
到着し、宿で荷物を降ろしてから全員で街へ繰り出した。
流石というべきか、すぐに条件に答えてくれる店があり、その場で墓を作り始めた。
日が沈む頃には、完成したという報せが宿にいる私達の元へ届けられた。
翌朝、私達は墓場へと入っていった。
何の変哲もない、素朴な墓標。
「お前、ルーツは東洋だったよな。もし宗教的にこういうのが駄目ならごめんな。でも死んじまったんだからもう文句は聞けねえ。だから…許せよ」
ウロはそう言って、箱から花を取って捧げた。
「夜明けの旅団」メンバーが一人ずつ献花していく。
最後に私も花を捧げた時、
「私もいいですか?」と後ろで声が聞こえた。
さっきまでそこで寝ていた筈のラーラであった。
ラーラは了承を得て花を受け取ると、墓標の前に静かに跪いた。
「貴方からこのもらった命…決して無駄にはしません…」
静かにそう呟き、花をそっと乗せる。
立ち上がり、振り向いたその目には覚悟が宿っていた。
旧友に別れを告げ、再び前を向く。
私達は次の目的地に向けて、また出発した。
「たまには頭だけじゃなくて、身体も動かしてみないかい?」
確かにここ数日は読書漬けだったり、町に滞在していたりで運動らしい運動はしていなかった。
「いいですね。是非やらせてください!」
「うん、良い返事だ。それじゃあ…」
奥から木剣片手に歩いてきた人物を見て、だんだん自信が無くなってきた。
「よろしく! 練習の相手はあたしだよ」
「金級」冒険者であり、「白巌流」の達人:「炎刃のリレラ」。
訓練とはいえ、実際に剣を交えるとなるとその緊張感は尋常ではない。
「あたしも最近はあんまり身体動かしてなかったからなあ。丁度良かった」
準備運動をしながら対戦相手は言う。
私も入念にストレッチをし、深呼吸する。
今回は互いに木剣を用いての試し合いで魔法は禁止、時間は3分を目安にするが、勝負が着いたと判断されればその時点で終了となる。
「リレラ、分かってるよな」
審判:ウロが睨む。
リレラは溜息をつき、
「分かってるってば。もちろん全力は出さないって」
そう言いながら、鋭く剣を構える。
その目線は私を力強く見据えていた。
「かと言って手は抜かないけど」
私も「蒼風流」式に剣を構え、胸に覚悟を抱く。
あくまでこれは訓練であり、試し合いであり、リハビリテーション。勝ち負け以上にどう戦い、何を得るかだ。
恐れるな。
「始めッ!」
ウロの声とともに地面を蹴って飛び出す。
様々な角度から「隼斬り」を連続で見舞う。
しかし、リレラはそれをその場から殆ど動かず僅かな剣の動きだけで全て防御している。
しかも、いくら打ち込んでも防御に使っている木剣が一切揺れず、むしろ攻撃しているこちらの手が痺れてきている。
まるで岩山を相手にしているかのようだ。
私はたまらず「雲歩」で距離を取り、そのままリレラの周りを「駿馬」でグルグルと回転し始めた。
一瞬の隙を見つけ、敵の真後ろから一気に接近する。
そして叩き込む首を狙った渾身の一撃。
しかし、敵は軽く剣を後ろに回すだけでそれを防いだ。
こちらには目もくれず。
すかさず追撃を放とうとすると、リレラが身体ごとこちらを向き、剣を振り下ろしてくる。
防御は間に合ったが、伝わる衝撃で剣を落としそうになった。
体勢を立て直すべく再度「雲歩」で距離を取ろうとしたが、敵も同時に近付いて来る。
左右から素早い斬撃。
一撃目は持ちこたえたが、追撃を受けてバランスを崩し、尻もちをつく。
敵が余裕げな笑みを浮かべ、剣を振り上げる。
きっと次の一言はチェックメイトだ、だろう。
でも、私だって伊達に修羅場を潜り抜けてきた訳じゃない。
私は地面に座ったまま、魔力を込めた右足を素早く振った。
「雲歩」や「駿馬」の踏み込みで地面深くまで沈んだブーツ。
その側面や靴底についていた土の欠片を、駿馬の速さで飛ばす。
「くっ!」
視界を塞がれたリレラは、一瞬だが動きを止めた。
その隙に立ち上がり、すかさず「駿馬」で加速し突きを繰り出す。
刺突は斬撃に比べて防ぎにくく、体重・速度が乗りやすい分防御を崩せるかもしれないとの考えがあってのことだ。
しかし、次の瞬間目の前から標的が消える。
戸惑い、速度を落とそうとした私の手から木剣が落とされ、横から別のが突き付けられる。
「こんなところかな」
「ああ。終わりだ」
リレラの声に、ウロが頷く。
「そこまで!」
「本当にすみませんでした。試し合いなのにムキになってしまって」
私はリレラに頭を下げた。
目潰しなんて決して仲間にしていいことじゃない。それに、最後の突きだって万が一「決まって」いれば骨折やその奥の臓器まで損傷させる重症になりかねなかった。
「全然大丈夫! むしろあたしは嬉しかったぞ。実は、試し合いを実戦から切り離された、ただの練習に過ぎないと無意識に考えてしまう剣士も多いんだ。しかも、そういう剣士は大体すぐに成長が頭打ちになる。だからこれぐらい本気になれるっていうのは凄いことなんだ!」
リレラは目をこすりながら言った。
「おっと、あんまり触んじゃねえぞ」
ウロが薬を持って現れる。
「大丈夫かい?」
続いてマギクもやって来て、二人で目の消毒をしていた。
実際にこうして治療している様子を見ると、どうしても罪悪感を感じてしまう。
その時、「ん?」
ウロがふとこちらを見た。
「心配してんのか? リレラの言った通りだ。お前も戦士だろ、いつまでもクヨクヨしてんじゃねえよ」
私は戦士だ。それに、「金級」パーティー:「夜明けの旅団」の一員になったのだ。
それに相応しくならなければ。
「はい!」
私はウロの言葉に応えると、そのままその場を後にした。
遠くに目的地が見えた。
「次の街では、テン君の墓を建てようと思う」
昨夜、マギクが言った。
どうやら彼はこれまでも立ち寄る町各地でそう出来ないか聞いて回っていたようだったが、生憎条件が合わなかった。
次の町は昔から戦士や冒険者の拠点として栄え、こういった事例に慣れているという。
到着し、宿で荷物を降ろしてから全員で街へ繰り出した。
流石というべきか、すぐに条件に答えてくれる店があり、その場で墓を作り始めた。
日が沈む頃には、完成したという報せが宿にいる私達の元へ届けられた。
翌朝、私達は墓場へと入っていった。
何の変哲もない、素朴な墓標。
「お前、ルーツは東洋だったよな。もし宗教的にこういうのが駄目ならごめんな。でも死んじまったんだからもう文句は聞けねえ。だから…許せよ」
ウロはそう言って、箱から花を取って捧げた。
「夜明けの旅団」メンバーが一人ずつ献花していく。
最後に私も花を捧げた時、
「私もいいですか?」と後ろで声が聞こえた。
さっきまでそこで寝ていた筈のラーラであった。
ラーラは了承を得て花を受け取ると、墓標の前に静かに跪いた。
「貴方からこのもらった命…決して無駄にはしません…」
静かにそう呟き、花をそっと乗せる。
立ち上がり、振り向いたその目には覚悟が宿っていた。
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