神様とツンデレ吸血鬼と恥ずかしがり魔皇のトリニティデスティニー 〜神様と吸血鬼の姉妹が転生して、気まぐれに世界を救います〜

ネコトーニャ

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11話 ロリ魔王、魔力検査を受ける

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実技試験を終えて再びフクロウから言葉が発せられる。



「これにて実技試験を終了します。
合格者の皆さんは、大鏡の間へ移動してください」



上空からフクロウの声が響く。

大鏡の間は、闘技場から出てすぐそこである。
魔法障壁が解除されたのを確認すると、
私達は出入り口に引き返す。

その途中には
救護班の手に負えない程暴れ回り無様な醜態を晒しながら
床を転がり回っているゼオズ・キンピラーがいた。



「ああぁぁぁ……待てぇぇぇ……痛え……痛え……痛え……殺す……殺すぅぅ…………」

「おっと……ちょっとやりすぎたかな……?」


幾度も死を体験させられたことにより
精神が崩壊し錯乱状態に陥っている
ゼオズの精神状態を創世の力で正常に戻しておいた。






フクロウに言われた通り、私は大鏡の間にやってくる。
姿見よりも大きな鏡がいくつも置いてある部屋だ。

中にはすでに多くの魔族たちがいた。
ざっと見て百名ぐらい。恐らく全員実技試験の合格者たちだろう。



その中に姉さんの顔と見知った顔があった。



「よっ!お姉ちゃんと……ルミナたんとジャンヌちゃん!」


遠目でも分かる服装をしている金髪ツインテールの少女と

雪のように美しい白銀の少女と
 
白く綺麗な髪をふわりと揺らしながら、少女は振り向く。


「戦うのは苦手だって言ってたわりに
実技試験、ちゃんと突破出来たみたいでよかったね~」



「……たまたま……」



ジャンヌはそう言うが、さすがにたまたまでは勝てないだろう。
余程運が良いのか…それとも
案外、ゼオズよりも実力があるのかもしれない。



「ところで、この後はなにがあるんだったっけ?」



聞いたような気もするが、特に興味がなかったので覚えてない。

「シャルロット…………アンタは相変わらずね~」


「実技試験に合格すれば、入学は決定。
残りは魔力測定と適性検査」



「ということは、ここにいる全員が同級生になるというわけか~」



ざっと視線を巡らす。しかし、様子がおかしい。
誰も私達と目を合わせようとしないのだ。


視線が合った瞬間、怯えるように目を背ける者もいた。



「なんだ?なんだ?みんなして…人見知りする奴らだな?」



「……違うと思う……」



「でも、目を合わせようともしないわよ?」



「シャルロットとモルドレッドの魔法に怯えてる」



「というと?」



「……蘇生魔法と……大規模破壊………魔槍」



ふーん、なるほど。



「それを知ってるってことは、観客席で見えたの?」


彼女は無表情で首を横に振った。



「合格者は試験の様子が見られる」



そう口にして、彼女は目の前の大鏡を指さす。

そういうことか、と合点がいった。

この部屋の大鏡には
デモンズゲートのあらゆる場所を映す遠見の魔法がかけられている。
彼女は遠見の大鏡を通して、私達の実技試験の様子を見ていたのだ。



「しかし、お姉ちゃんの魔槍はともかくとして
蘇生程度に怯えられるというのは解せぬな。
大した魔法じゃないと思うのだが」



ジャンヌは無表情でじーっと私の顔を見つめている。



「……そんなにひどいか?」



こくり、とジャンヌはうなずく。



「ちなみに聞いておくが、どのぐらいひどい?」


ジャンヌは表情を変えずにじっと考える。



「……鬼畜外道魔法……?」



「あははっ。またまた~ご冗談を。
手持ちの魔法の中でもアレは健全な方だぞ」




「…………」



ジャンヌはまたじっくりと考え、小さな声で言った。



「撤回する」



「そうじゃろそうじゃろ~」



「魔法じゃなくて、アナタが鬼畜外道だゆ………」


「確かにそうかもしれないわね!」


「おいおい、二人とも酷いな~今のはほんの冗談だぞ」



そもそもここに来たばかりで
この世界の価値観が今ひとつわかっていないのだ。



「よかった」

「大丈夫ですよ、ジャンヌさん

シャルロットちゃんはそんなに怖い人じゃありませんから」


モルお姉ちゃんには疑いの目を向けられたが

ルミナとジャンヌちゃんには信じてもらえたので

ふう、と胸を撫で下ろす。



「でも、貴女はそんな私達に怯えないのね」



「怖いものはない」


「あら?見かけによらず、度胸があるのね貴女」



「普通」



そう淡々と喋る彼女が怖がるところは確かに想像がつきづらい。
ぼんやりしているとも言えるが、物怖じしない性格なのだろう。

二人の会話を聞きながら
そんなことを考えていると、またフクロウが飛んできた。



「只今より、魔力測定を行います。魔力水晶の前にお並びください。
測定後は隣の部屋に移動し、適性検査を行います」



魔力水晶? 聞いたことのない魔法具だ。

そもそも神話の時代では魔力を測定する方法がなかった。

どうやら退化したものばかりではないということか。

適性検査とやらは数年前に教会で行ったモノと同じモノだろうか?





「で、その魔力水晶とやらはどこにあるのだ?」


「こっち」


ジャンヌが歩き出したので、私達はその後についていった。

他の受験者たちも場所を知っているようで
しばらくして数本の列が形成され始めた。
どうやら、魔力水晶はいくつもあり、各箇所で測定が行われているようだ。


その様子を見物してみる。
魔力水晶は紫色の巨大なクリスタルで大鏡とセットになっていた。
クリスタルに触れると魔力を検知し、
その者のステータスを計測し、結果が大鏡に映し出されるようだ。



「106」

「208」

「35」

「75」



大鏡の前にいるフクロウが数字を口にしている。
それが測定した魔力というわけだ。
神話の時代では肌感覚でしか知ることのできなかった
能力や魔力が数値化ができるとは、便利な時代になったものだな。



魔力測定は数秒で結果が出る。列はみるみるうちに進み
ジャンヌの番だった。



「がんばれ~」



「……結果は同じ……」


確かに頑張ったところで魔力が増減するわけでもないか。



「まあ、そうね!でも、応援してるわ!ファイト~!」


ジャンヌは無表情で私達をじっと見る。


「……ん……」


そう短く返事をして、彼女は魔力水晶に触れた。

数秒後、大鏡に結果が表示される。



「596700」



その魔力の高さに思わず、私達は感心した。
これまでは殆ど三桁代の数字が続いていたのに、
まさか五十万超えとは。
彼女は思った以上に魔法の才能に優れているようだな。



「すごいな」


そう褒めると、少し照れたのか、彼女は俯いた。



「……シャル達は、もっとすごい……?」

「ええ、当然」

「もちろん」



そう口にして、私達は魔力水晶に触れた。
魔力を計るのは初めての経験だが、果たしてどのぐらいの数値になるのか?

ひょっとすると億や兆を超えてしまうかもしれないな。

そうなれば、さすがにこの時代の鈍い連中共も
私が始祖だということを理解せざるを得ないだろう。



「0」

「0」

「0」

フクロウが言うのと同時にバシュンッと音を立てて
三つの魔力水晶が粉々に砕け散った。



「計測は終了しました。適性検査にお進みください」


ふむ。魔力水晶が壊れたことを、あまり気にしていないように見えるな。 


「はうぅぅ………0………やっぱり私は最弱魔皇なんだぁ」



「ちょっと!0ってどういうことよ!納得いかないわ!」

「おいおい、流石に0はありえないと思うのだが……」


それではそもそも魔法は使えないではないか。
考えればわかることだが、フクロウは言った。



「計測は終了しました。適性検査にお進みください」



ちぇ、使えない使い魔だ。



「使い魔は命令に従うだけ……話しかけるだけ無駄だゆ………」


ジャンヌがそう言った。



「まあ、そうみたいだな」



じーっと私達の顔を見つめる。



「ん?どうした?私達の顔に何か付いてたか?」



「……初めて見た……」



「なにが?」



「魔力が強すぎて魔力水晶が壊れるところ」



ああ、なるほどな。


魔力水晶の破片を拾い上げて、その構造を解析したところ
どうも触れた者の魔力に反応し、水晶内部の魔力が肥大化しているようだ。
水晶の魔力がどれだけ増えたかを計測して
それを数値に変換しているというわけである。


しかし、一定以上の魔力になると限界を超えて
激しい魔力反応により粉々に砕け散ってしまう。
便利なものができたと思ったが
これでは魔王の魔力を計るなど到底できないだろう。
創ったやつはポンコツか?


「0じゃなくて測定不能ってことにしておいてくれればいいのにね~」



「無理」


「なんでよ?」

「なんでじゃ?」

「そうなんですか?」


「魔力水晶は壊れない」



「いや、現に壊れたぞパリーンと」



一瞬口を閉ざし、ジャンヌは淡々と言った。



「貴女達は規格外」



「でも、アナタにはわかったわけよね?」



「私は魔眼が得意。多分他の人には無理」


魔力が強すぎて魔力水晶が壊れたということが
他の人にはわからないという意味か。

それに、どうもこの入学試験は、使い魔に任せきりのようだからな。

命令されたことしか実行できない使い魔は
そもそも魔力水晶が壊れたときの対処をろくにできない。
せいぜい新しいものを用意するぐらいだろう。

魔力が0ということと、魔力水晶の破壊は無関係だと判断されるわけだ。



「わかる人にはわかる。でも、大体無理」

 

やれやれ。学院側にまともな人材がいればよかったのだが
まさか入学試験で魔力水晶を破壊するほどの
魔力の持ち主が来るとは想定していなかったのだろう。


魔王が転生するという話は語り継がれていただろうに。


それとも、魔王アルビオンであっても
そんな規格外の魔力を持っているわけがないと決めつけていたとかか?

だとすれば、魔王も随分と舐められたものだな。


とはいえ、数字にこだわるのも大人気ないか。

私達の魔力が減ったわけでもあるまい。

「まあ、わかってくれた人がいたからそれでいいことにするか」

「そうね」

無表情で考えた後、彼女は言った。


「……どういたしまして………?」


そして、その後も適性検査を受けたが
結果は私達を測りきれる訳もなく

私は当然として
この数年で力を着実につけていった結果

ルミナやモルちゃんまで測りきれなくなっており
ステータスや称号、その他の項目が全て白紙の状態になっていた。





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