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12話 ロリ魔王、少女を家に誘う。
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適正検査が終了し、私達はその部屋を後にする。
帰り際になにやら入学について説明していた
フクロウの言葉を軽く聞き流して、大鏡の間を抜ける。
すると、外にはジャンヌと久遠零が立っていた。
なにをするわけでもなく、二人してぼんやりと虚空を見つめている。
「…………なにしてるんだ?」
声をかけると、二人は顔をこっちに向けた。
相変わらず無表情だ。
「この子と……待ってた……」
「誰を?」
こくりとジャンヌがうなずく。
「検査が終わったらまた後でって言ったから」
「私は家までの帰り道が分からず迷子となった。
そしてここまで戻ってきたのだ。」
そういえば、言ってたなそんなこと。
そして、我が半身である妹は相変わらず迷子となっていた。
大方、歩いてる時に睡魔に襲われて
夢遊病のように寝ながら歩き回っていたのであろう。
「ごめんごめん。今日の日程はもう終わりだったんだよね?」
「……ん……」
しかし、わざわざ待っていてもらったというのに、
このまま、じゃあまたな、と帰すのは気まずいな。
我が半身を家に帰すついでに彼女も家に招待するか。
「なら、合格祝いに、少し私の家で遊んで行かない?」
ジャンヌは無表情のまま、ほんの少し首をかしげる。
「わたしと?」
「おうよ!」
「いいの?」
「私が誘ってるのだ。良いに決まってる。」
なにを考えているのか、ジャンヌは俯いて黙ったままだ。
「用事があるなら別にいいぞ~?」
「…………行く……」
「そうか。そんじゃ、とりあえず家に来ない?
たぶん、お母さんがご馳走作って待ってるだろう」
ジャンヌはこくりとうなずく。
「よ~し。私の腕につかまりな」
手を差し出すと、ジャンヌはそこにそっと手を置いた。
「こう?」
「それじゃ、置いてかれるぞ」
「………飛行魔法なら使える………」
「いいから、もっと強くつかまって」
「わかった」
彼女は素直に私の手をぎゅっと握った。
四人の足元の地面に転移の魔法陣が浮かび上がり
目の前の風景が真っ白に染まる。
次の瞬間、目の前には喫茶店の看板が見えた。
木造で、二階部分が住居になっている。
「ついたぞ。ここが私達の家だよ」
そう口にするが、ジャンヌはじーっと目の前の看板を見つめたままだ。
表情に変化はないのだが、なんとなく気配で驚いているというのがわかる。
「……魔法……?」
驚いているジャンヌに零がこの魔法の説明をする。
「これは転移魔術。簡単に言えば
空間と空間をつなげて一瞬で移動する移動用の魔法。
超便利………だから覚えておくといいぞ。」
一瞬、ジャンヌは口を閉ざす。
それから、呟くように言葉を漏らした。
「それは……失われた魔法……」
ふむ。聞き覚えがないな。
「なんだそれ?」
「使い手がいなくなった魔法のこと。
主に神話の時代に失われた。」
なるほど。二千年の間にずいぶんと魔法は退化しているようだし
存在は知られているものの使い手がいなくなった魔法もあるのだろう。
「……シャルロット達は天才……?」
あははは、と思わず笑ってしまう。
「……本気……」
「いやいや、悪い。これぐらいで天才って言われるのがこそばゆくてな」
天才だというのを否定するわけではないが、
どうせなら、世界を創造したり滅ぼしたりする
誰にも真似できない神の魔法を見せたときに言われたいものだ。
「……シャルロット達は何者……?」
「転生した世界の創造主で始祖の魔王本人だ。」
「私は真祖の吸血鬼で破壊の神よ。」
「世界創造主と始祖の魔王の半身。」
「えっと…わたしは…………六天魔皇……です。」
「それと魔王の始祖を倒した勇者レガリアの子孫に
それから神殺しの魔王がいるぞ。ここには」
ずっと無表情だったジャンヌが目を丸くして驚いた。
「………………凄すぎて………よく分からなかった……?
シャルロットが………魔王様………?転生した……?」
「そうだ…と言ったら、その言葉、信じるか?」
ジャンヌはじっと考え、訊いた。
「……証拠は、ある……?」
やはり、そこが気になるだろうな。
「私の存在そのものが証拠である。としか言えないな。
でもなあ、この時代の連中は脆弱すぎて
私達の魔力を見ることさえできないんだよね~」
困ったように彼女が黙り込む。
本来、魔王というのは古来から力で証明するもの。
しかし、表面的なことばかりを気にする
この時代では、少々私達の考えとは違うのかもしれない。
「貴女達の魔力は膨大。私にも底が見えない」
ジャンヌに見えないのなら、殆どの連中には分かるわけがないだろうし。
これ以上、彼女を困らせても仕方あるまい。
「まあ、そのうちわかる。行こう。」
「……ん……」
そうして私は家のドアを開けた。
帰り際になにやら入学について説明していた
フクロウの言葉を軽く聞き流して、大鏡の間を抜ける。
すると、外にはジャンヌと久遠零が立っていた。
なにをするわけでもなく、二人してぼんやりと虚空を見つめている。
「…………なにしてるんだ?」
声をかけると、二人は顔をこっちに向けた。
相変わらず無表情だ。
「この子と……待ってた……」
「誰を?」
こくりとジャンヌがうなずく。
「検査が終わったらまた後でって言ったから」
「私は家までの帰り道が分からず迷子となった。
そしてここまで戻ってきたのだ。」
そういえば、言ってたなそんなこと。
そして、我が半身である妹は相変わらず迷子となっていた。
大方、歩いてる時に睡魔に襲われて
夢遊病のように寝ながら歩き回っていたのであろう。
「ごめんごめん。今日の日程はもう終わりだったんだよね?」
「……ん……」
しかし、わざわざ待っていてもらったというのに、
このまま、じゃあまたな、と帰すのは気まずいな。
我が半身を家に帰すついでに彼女も家に招待するか。
「なら、合格祝いに、少し私の家で遊んで行かない?」
ジャンヌは無表情のまま、ほんの少し首をかしげる。
「わたしと?」
「おうよ!」
「いいの?」
「私が誘ってるのだ。良いに決まってる。」
なにを考えているのか、ジャンヌは俯いて黙ったままだ。
「用事があるなら別にいいぞ~?」
「…………行く……」
「そうか。そんじゃ、とりあえず家に来ない?
たぶん、お母さんがご馳走作って待ってるだろう」
ジャンヌはこくりとうなずく。
「よ~し。私の腕につかまりな」
手を差し出すと、ジャンヌはそこにそっと手を置いた。
「こう?」
「それじゃ、置いてかれるぞ」
「………飛行魔法なら使える………」
「いいから、もっと強くつかまって」
「わかった」
彼女は素直に私の手をぎゅっと握った。
四人の足元の地面に転移の魔法陣が浮かび上がり
目の前の風景が真っ白に染まる。
次の瞬間、目の前には喫茶店の看板が見えた。
木造で、二階部分が住居になっている。
「ついたぞ。ここが私達の家だよ」
そう口にするが、ジャンヌはじーっと目の前の看板を見つめたままだ。
表情に変化はないのだが、なんとなく気配で驚いているというのがわかる。
「……魔法……?」
驚いているジャンヌに零がこの魔法の説明をする。
「これは転移魔術。簡単に言えば
空間と空間をつなげて一瞬で移動する移動用の魔法。
超便利………だから覚えておくといいぞ。」
一瞬、ジャンヌは口を閉ざす。
それから、呟くように言葉を漏らした。
「それは……失われた魔法……」
ふむ。聞き覚えがないな。
「なんだそれ?」
「使い手がいなくなった魔法のこと。
主に神話の時代に失われた。」
なるほど。二千年の間にずいぶんと魔法は退化しているようだし
存在は知られているものの使い手がいなくなった魔法もあるのだろう。
「……シャルロット達は天才……?」
あははは、と思わず笑ってしまう。
「……本気……」
「いやいや、悪い。これぐらいで天才って言われるのがこそばゆくてな」
天才だというのを否定するわけではないが、
どうせなら、世界を創造したり滅ぼしたりする
誰にも真似できない神の魔法を見せたときに言われたいものだ。
「……シャルロット達は何者……?」
「転生した世界の創造主で始祖の魔王本人だ。」
「私は真祖の吸血鬼で破壊の神よ。」
「世界創造主と始祖の魔王の半身。」
「えっと…わたしは…………六天魔皇……です。」
「それと魔王の始祖を倒した勇者レガリアの子孫に
それから神殺しの魔王がいるぞ。ここには」
ずっと無表情だったジャンヌが目を丸くして驚いた。
「………………凄すぎて………よく分からなかった……?
シャルロットが………魔王様………?転生した……?」
「そうだ…と言ったら、その言葉、信じるか?」
ジャンヌはじっと考え、訊いた。
「……証拠は、ある……?」
やはり、そこが気になるだろうな。
「私の存在そのものが証拠である。としか言えないな。
でもなあ、この時代の連中は脆弱すぎて
私達の魔力を見ることさえできないんだよね~」
困ったように彼女が黙り込む。
本来、魔王というのは古来から力で証明するもの。
しかし、表面的なことばかりを気にする
この時代では、少々私達の考えとは違うのかもしれない。
「貴女達の魔力は膨大。私にも底が見えない」
ジャンヌに見えないのなら、殆どの連中には分かるわけがないだろうし。
これ以上、彼女を困らせても仕方あるまい。
「まあ、そのうちわかる。行こう。」
「……ん……」
そうして私は家のドアを開けた。
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