神様とツンデレ吸血鬼と恥ずかしがり魔皇のトリニティデスティニー 〜神様と吸血鬼の姉妹が転生して、気まぐれに世界を救います〜

ネコトーニャ

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新世界創世編 ずっと一緒

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朝、目を覚ます。

しかし、隣で寝ていたはずの少女の姿がなかった。

「あら?あの子はどこに?」

辺りを探してみるが中々見つからない。


探している内に既に起きていたシャルロット以外の面々と出会う。



「おはようです~」


「……なにかあったの?」


「それが…あの子が見当たらなくて」

「あの少女か、それなら今朝、ローザの部屋から出ていくところを見たぞ」



「ほ、ほんとうですか!」

「確か、あの方角はアイツの部屋だったと思う。」


「わかりました、それでは行ってみましょう。」


「あの子…そっか、名前まだ決めてなかったわね。」


シャルロットが使っていた部屋に行くと

布団の一部が盛り上がっている。


三人はそれを捲っていると

あの少女がシャルロットの部屋に置いてあった
ぬいぐるみに抱きついて眠っていた。



「ホッ…」

「…よっぽど師匠のことが気に入っちゃったんですね?」

「よ…よかったです…てっきり逃げちゃったのかと思いました。」




あれから、ローザは彼女のことについて
色々と探ってみたが一切の情報を掴めなかった。

だが、しかし、分かったこともある。


「…彼女の心は、まるで今さっき作られた物のように

何も記憶が存在しない、記憶喪失なのか

それとも、そもそも最初から存在しないのか

ホムンクルスのような生み出された存在なのかは

定かではありませんが、ひとつだけ分かったことは

そして、シャルロットちゃんに近づくと僅かながら

心の波が発生し僅かに感情という物が芽生え、動く。」


「これは、シャルロットちゃんにだけ

懐いているということでしょうか?」



「いや、これは、ただ懐いているだけじゃない?」




まるで、生まれたばかりの雛がはじめて見た存在を
自身の親と認識する現象、刷り込みに近い感覚です。

シャルロットちゃんをお母さんと思っている可能性も高いですね。

この好意の感情の波の波長は、まさしく子供が母親に抱く物に似ている。



私は、少女の様子を観察してみたが

ご飯を食べる時も猫のように四足歩行のような格好をしながら食べており

キュウリや大きな音に反応したら

吃驚して大きくジャンプするなど習性が猫そのもの

身体能力が高く、屋根に登ったり石垣を軽々と飛び越える。

その他にも、魚や猫じゃらしに強く反応を示したり

遊んであげると猫と同じような動きが散見された。



なんだが産まれたての子猫のお世話をしているような気がしてきました。


しかし、ふと表情に影を起こす時がある。


今、あの少女はどこか寂しそうにしながら空を見つめている。


誰かに会いたがっているのかもしれません。



そして、これは予測出来ていたのですが

運命がそうなるように誘導しているのか

何故か、未然に防ぐことが出来ませんでした。


私達が目を離した隙に、あの子がどこかに消えてしまいました。









一方、その頃

シャルロットは何をするにも上の空だった。

あの子のことが気になって仕方がなかった。


まるで魔法でもかけられたように

あの子のことが気になって気になって


気がついたら、トーストにジャムではなく

間違えて海苔の佃煮を塗ってしまっていたが

非常に美味しかったので、よしとした。

他にも、服の裏表を逆にして着ても

モルドレッドに指摘されるまで気づかなかったり




普段のシャルロットの姿とは大きくかけ離れた様子に


モルドレッドとクルルは戸惑いを隠せないでいた。




「お姉様…一体どうしてしまったというのだ!?」


「シャルロット…そんなにあの子のことが心配なのね」




そんな時、通信用の魔法石に通信が入った。



「はいはーい……えっ!それはマジでございます!?」





「ど…どうしたのよ…!?」


「あの子が…居なくなった……らしい。」

「えっ!?」

「心配だから、私も探しに行ってくるねっ!」


「ちょっ!待ちなさいシャルロッ!?」

「……もういない」



現代日本に降り立ったシャルロットは夜の街を駆け回った。

あの子のことを何故か放っておけない


「おーい!どこ行ったの~!」

「どこー!いたら返事してくれーー!」




走りながらローザに聞いたが

どうやらあの子は、私に会いたくて
家を飛び出してしまったようだ。

悲しそうな顔をして落ち込んでいる少女の心を読んだら

彼女の心の中は空白だらけだったけど

私とあの子が一緒に居たのはごく僅かな時間だったけど

一緒に居た時間が長かったお姉ちゃん達より

あの子は私のことをずっと強く求めていた。


それを知ったら、どうしてか知らないが
気がついたら走っていた。 

もしかしたら、迷子になっているかも

一人になって寂しい思いをしているかもしれない。

もしかしたら、怖くて泣いているかもしれない。

そう思っていたら、転げて膝を擦りむいてしまったが

それでも私は、必死にあの子を探し続けた。



こんな必死に誰かの為に頑張ってるなんて
私らしくないと思ってしまう

こういうのはモルちゃんの役目だろう、と思ったが

それでもこの足が止まることはなく

あの少女に会いたくて会いたくて走り続けた。


もしかしたら、はじめて出逢った時のように公園にいるかもと思って
近くの公園に来てみたがそこにも居なかった。


「はあ…はあ…ここにも…いない…」


ベンチに座りながら夜空を見上げる。


「もしかしたらって思ったんだけどなあ」


「どこ行っちゃったんだよう…」



「ここ」


声がした方に振り返ると、私の隣にあの子が座っていた。


「…え…ええええええ!?」

少女が小さく微笑んだ気がした。

そしたら、気がついたら私は少女に抱きついて泣いてしまっていた。


「うわ~ん!」


「もう…どうして勝手にいなくなったりしたの~?

ほんとにすっごく心配したんだからね!」



少女が私の手を優しく握る。


「……一緒が…いい……」


「うん…そうだね…ずっと一緒にいようね。」


「それじゃあ、帰ろうか、皆も心配してると思うから」


「……うん。」



そして、私は少女を連れて無事に帰ってこられた。



「あっお姉様が帰ってきたのだっ!」


「よかった…どうやら無事だったようですね。」

「…やれやれ、親子揃って心配をかけるとはな…」


「まったくもう…二人とも心配かけるんじゃないわよ~!」


「えへへ…ごめんね。」

「……ごめん」


「それで、この子のことなんだけど…

これからも私達の側に居させても良いかな…?」


「この子のお世話なら私が責任持ってしっかりするし
万が一危ない目に合わせちゃっても
ちゃんとこの子のことを守るって約束するから

どうかこの子をここに置いてくれませんでしょうか

おねがいしますっ!」



「…します。」


私が下げるとこの子も真似して頭を下げた。


「良い。」

久遠零が小さく呟いた。

反応に驚きながらも僅かながら沈黙の時間が訪れる。



「…え?ほんとにいいの?」

「最初から…良いと言おうと思っていた。」


「お前があの子を探している間に皆で話し合ったのだ。

あの子はシャルロットに非常に懐いている

私は貴様とあの子の間にまるで親子のような絆を感じた。

それに、私達もこの子のことを断る理由がないからな。

それに、シャルロットの元に置いておけば
今回のような脱走も、もう起きないだろう。

この子の暖かく受け入れ迎え入れるのが最善だという結論に至った。」


「それじゃあ…」

「ああ、この子と私達は一心同体一蓮托生。」

「私にシャルロットがしてくれたように
この子とずっと一緒にいるって約束をすることにしたの。」


少女が私の顔を覗き込んでいる。

「これからも…ずっと……一緒?」


「うんっ!ずっと一緒に居られるんだよ」


「そっか……ずっと…いっしょ……うれしい」


少女は嬉しそうに微笑んだ。









皆は現代から元いた世界に戻り
夕食を食べ終えた後リビングに集まり
この子の名前を決めることにした。


「それでは、我々に新しい仲間が加わりましたが

この子には名前が無いらしいので

今から、この子の名前を決めようと思います。」



「なにか良い案はある人は挙手してください。」



「はい!」


元気よく手を挙げたのは友達にして
シャルロットのサーヴァント

クルル・ヘル・ルシファー



「ルクシオンとかどうだ?
我ながらカッコイイ名前であろう?」


「可愛くないので却下します。」


「ガーーン!?」


「はい」

次に挙げたのはルミナ


「マカロンとかシナモンとかはどうでしょうか?」


「中々可愛くて良いですね~、候補に入れときます。」

次に手を挙げたのは、モルドレッド


「モフルン・フォールン・レガリナイト

皆の名前から取ってみたんだけど
こういう名前も、良いんじゃないかしら?」


「ほうほう、中々ありですねえ」


久遠零は、思いつかないのか中々手を挙げない。

そうこうしてる内に、シャルロットの番となる。



「そうだな…」



はじめて出逢った時のことを思い浮かべる。

月の光に照らされて神秘的な雰囲気をした

美しさを覚えるほど綺麗な少女。

そして、彼女の近くに綺麗な花が咲いてあったことを思い出していた。 


「月……光………ルークス…あの白い花の名前は…確か…そうだな…」


「ルクシア…なんてのはどうかな?」


「はい可愛い、最高、採用しま~す!」


「はああああああ!?採用までが早すぎるわよ!?

アンタ、もしかして最初から

シャルロットの決めた名前を採用するつもりだったでしょ!?」


「そんなことありません~
私が採用って言ったら採用なんです~」


「…ゴホン、とにかく」

「この子の名前は、ルクシア・フォールン・レガリナイトに決定しました。」


「というわけで、これからよろしくしますね。
ルクシアちゃん」



ルクシアは、ボーッとしてたが
シャルロットが彼女の名前を呼び、名前が決まった途端


「ルク………シア?」

シャルロットの言葉に反応して
決まった自分の名前を反芻する。

シャルロットは、ルクシアの頭を優しく撫でながら


「そうだよ、ルクシアちゃん。
君の名前だよ。気に入ってくれたかな?」

ルクシアはコクッと小さく頷く。
表情こそ変わらないものの、心なしが嬉しそうに見えた。



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