神木さんちのお兄ちゃん!

雪桜 あやめ

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第16章 コスプレと橘家

第228話 画像とメッセージ

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「なんだ~。双子ちゃんのためだったのね!」

 それから、かくかくしかじか。大河も交え、3人で美里への誤解をとくと、場の空気はやっと落ち着き、和やかな雰囲気に戻っていた。

「そうなんですよー! 絶対、神木くんなら、今でも女装似合うだろうと思って!」

「確かに、大河くんの言う通り、よくにあってるわ。飛鳥くん、とても20歳にはみえないし、このまま女の子に紛れて、メイド喫茶で働いていても、絶対に男の子だなんて気づかないわね!」

「……………」

 メイド服の飛鳥を囲んで、話を弾ませる大河と美里。

 その姿を、飛鳥は、なんとも複雑な表情でみつめていた。

 似合わないよりは、似合うほうがいいのかもしれないが、はっきりいって、男としては全く嬉しくない。

(はぁ……とりあえず目的は果たしたし、そろそろ着替えて)

「あ! そうだわ、飛鳥くん!」

「?」

 すると、美里がパンと手を叩き明るい声を発した。

「せっかくだし、撮ってもいいかしら?」

「……え?」

 まさかの提案に、飛鳥は当然のごとく口元を引き攣らせた。

「えーと……それは……っ」

「だって、こんなに似合ってるんだし、撮らなきゃもったいじゃない。 ね? 1枚だけでいいから」

「…………」

 撮らせるつもりは微塵もない。だが、断ろうにも、全く邪気のない笑顔で「お願い♪」と手を合わせる美里を見てしまうと

「………ど、どうぞ」

「お前、1枚でも撮ったら、はっ倒すんじゃなかったのか?」

「美里さんに、そんなこと出来るわけないだろ!」

 渋々、承諾すると、その返事を聞いて隆臣が、突っ込む。

 そう、実は飛鳥、昔から美里にだけは弱いのだ!

 結局、その後カメラを持ってきた美里により、飛鳥は大河と隆臣の三人で、仲良く写真を撮ることになってしまったのだった。




 ◇

 ◇

 ◇


 そして、それから数時間後のロサンゼルスにて。

 飛鳥の父である、神木 侑斗は朝食をとりながら、パソコンに向かっていた。

(あれ? 珍しいな、橘さんからだ)

 こんがり焼きあがったトーストにかぶりつきながら、日課であるメールチェックをしていると、久しぶりに届いた美里からのメールに、侑斗は頬を緩ませた。

 なんだろう──と、手早くマウスをクリックすると、そこには"添付ファイル"と共に、美里からのメッセージが添えられていた。



✤──────────────────✤


 神木さん、お久しぶりです。

 ロスでのお仕事はどうですか?
 体調を崩されたりしていませんか?

 今日は、飛鳥君が隆臣達とメイド服を着て遊んでいました。
 飛鳥くん、相変わらず可愛いですねー(^^)


✤──────────────────✤


「ぶほっ!? げほッ!?」

 メールに書かれていた文面と添付された写真。それを見て、侑斗は豪快に吹き出した!!

 見れば、その写真の中には、隆臣ともう一人見知らぬ男の子(大河)の間に立つ、メイド服姿の我が子が写っていた。

 そう、侑斗の可愛い可愛い飛鳥くんが!!

「な……なんで!?」

 確かに可愛い。
 それは、どう見てもメイドさんだった。

 しかも、どことなく色っぽいし、親の贔屓目ひいきめなしにしても、惚れ惚れするほど似合ってる!

 だが──

(なんで、メイド服なんて。飛鳥、絶対自分から、こんな服着たりしないのに!)

 てか、メイド服着て遊ぶってなに?
 しかも、男だけで??

 まさか、可愛いからって、無理矢理きせられて……!?

(……いやいや、隆臣くんがいるんだし、そんなわけ……)

 そう、隆臣くんがいるのだ。
 自分達が絶大な信頼を寄せている、あの隆臣くんが、そんなことするわけがない!だが

(……でも飛鳥、隆臣くんには、かなり気を許してるし、それにうちの子、マジで可愛すぎるし)

 美里のメールのせいで、侑斗は頭の中は、朝からパニックだった。

 なぜなら、あんなに可愛いくて、美人で色気もある息子だ。

 はっきりいって、そこら辺の女子より女子ってる時があるくらい、飛鳥は、飛び抜けて美人だ。

 そんな子が、常に近くにいたら、もしかしたら、あの隆臣くんだって──

(そういえば、飛鳥……ここ数年彼女いないみたいだし、まさか、俺がロスにいってる間に、隆臣くんとそういう…っ)



 ◇

 ◇

 ◇


「ちょっと、飛鳥兄ぃ!? なんか、父さんが凄く心配してるんだけと!? 」

 そしてそのあと、侑斗から蓮華へと話が伝わり、メイド服姿の飛鳥の写真は、きっちり家族全員が見ることになってしまったのだが……

「お父さん『隆臣さんと今どんな関係なんだ!』とか『メイド服着て、どんな遊びしたのか詳しく話せ!』とかいってるんだけど、一体どういうこと!? 着ただけじゃないの!?」

「メイド服を着て遊ぶって、なにそれ。兄貴どこまで、お願い聞いてきたの?」

「なんで、そんなワケ分からない話になってんの?」

 ただメイド服を着ただけなのに、なぜか男だけで危ない遊びをしていたのでは?と、家族から疑われ『美里といい、侑斗といい、親というものは、とてつもなくめんどくさいものだ』と、飛鳥は、この日、切に思ったのだった。
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