神木さんちのお兄ちゃん!

雪桜 あやめ

文字の大きさ
484 / 554
最終章 愛と泡沫のアヴニール

第452話 妹弟と作戦

しおりを挟む

「それでは、今から作戦会議を始めたいと思います!」

 兄が喫茶店でくつろいでる最中、下の妹弟《きょうだい》たちは、神木家に集まっていた。

 一緒に夏休みの宿題をしようとエレナを招き、ちょうど宿題がひと段落した時、華がタブレット端末を持ち出して、パン!と手を叩く。

 家族共有で使っているタブレットには、榊神社の見取り図が映し出されていた。

 そう、今度、夏祭りが行われる場所だ。
 
 そして、今から何を始めるかというと、兄とあかりさんの仲を進展させるための夏祭り大作戦!!

「やっぱり、夏といえばお祭りだよね! というわけで、飛鳥兄ぃとあかりさんの仲を進展させるための計画を練ります!」

 華が、はりきって指揮をとる。
 すると、向かいに座っていたエレナが、タブレットを覗きこみながら

「私、夏祭り初めて」

「え、そうなの? じゃぁ、いっぱい楽しまなきゃ。出店もたくさんでてるし、花火もあがるよ!」

「ほんと! わー楽しみ! でも、お母さん、許してくれるかな?」

「大丈夫だよ、今のミサさんなら。それに、私たちも一緒だし。なんなら、ミサさんも誘おうよ。うちのお父さんも帰ってくるし!」

 ちょうど、夏祭りの頃、神木家の父・神木 侑斗も帰省することになっていた。

 そして、神木家、紺野家が総出で、あかりを誘い、夏祭りで、兄との仲を進展させる!

「でも、どうやって進展させるの?」

 すると、蓮が口を挟んだ。

「それを、今から考えるんでしょ! とにかく、なんとしても二人っきりにするの! この前のデートもキャンセルしちゃったし、あの二人、それから全く会ってないみたいだし。このままじゃ、何も進まないまま、お兄ちゃんが、大学卒業しちゃうよ!」

 兄は、来年、社会人になる。

 そして、大学を卒業すれば、仕事を始めてしまうため、あかりと会う機会は少なくなる。

 だからこそ、兄の恋を成就させるなら、大学を卒業するまでが勝負なのだが、あのモテまくってきたくせに恋愛初心者の兄は、のんびり構えているだけ!

「全く、飛鳥兄ぃ、もっと攻めればいいのに!」

「攻め方しらないんじゃない? つーか、就職活動とか、色々控えてるんだし、恋に全集中ってわけにはいかないだろ」

「そうだけどー。でも、もう三ヶ月だよ! デートをドタキャンしたお詫びに、食事くらい誘えそうなものに、お兄ちゃん、待ってるだけで何もしないんだもん!」

 別に、待ってるだけではない。

 一応、定期的にLIMEは送ってるし、それなりに、アクションは起こしている。

 というか、双子が見てないところで、それなりに攻めている。

 しかし、デートをドタキャンした後から、飛鳥は、あかりに既読無視されていて、そのことを、飛鳥は双子には話していなかった。

 デートをドタキャンしてから無視されるようになったなんて言ったら、その原因をつくった蓮が気に病んでしまう。

 つまりこれは、お兄ちゃんからの優しさである。

「でもさ、二人きりっていっても、どうするんだよ。榊神社の夏祭りには、大学の人たちも来るだろうし、二人きりにして大丈夫?」

 だが、二人きりにしたいと思いつつも、地元の夏祭りと言う点が、少々引っかかっていた。

 昨年、兄妹弟3人で、夏祭りに行った時も、兄は女子大生に取り囲まれていた。
 
 あの無駄に目立ちまくる人気者の兄が『』後輩と二人きりで夏祭りに来ていた』なんて噂が大学中に広まったら、あかりさんが大変なことになってしまう!

「うーん、そこなんだよね。あかりさんに迷惑はかけたくないし」

 すると華は、顎《あご》に手を当て悩み出す。

 家族ぐるみで夏祭りに行くとなれば、あかりさんだって、参加しやすい。特に、エレナから誘われれば、断ることは、ほぼないだろう。

 しかし、問題はその後だ!

 違和感なく、二人きりでも大丈夫な状況を作り出さないといけない!

「ねぇ、私が迷子になるのは?」

 すると、エレナが閃いた。

「え、迷子?」

「うん。私が、途中ではぐれちゃえば、二人とも私のこと探しにくるでしょ!」

「あー、確かに! それに、迷子を探すという名目なら、二人っきりにしても違和感がない!! しかも、同じ目標を達成させることで、友情が、いや愛情が芽生える!」

「それだ! エレナちゃん、さすが!!」

 双子が、エレナの意見で盛り上がる。
 すると、その案で決まりらしい。
 華は、再びタブレットをみつめると
 
「じゃぁ、どういう流れでエレナちゃんが迷子なるか、事前にシミュレーションしとこう!」

「シミュレーション?」

「だって、あんな人混みで、こんなに可愛いエレナちゃんを、本当に迷子にするわけにはいかないでしょ! なにより、そんなことになったら、またミサさんが精神病んじゃうよ!」

「怖いこと言うなよ」

「だから、エレナちゃんがお兄ちゃんたちから、離れた後、私たちが保護する! そして、見つからないところに隠れて、時間稼ぎ!」

「なるほど」

「よし! そうと決まれば、神社の見取り図みながら、決めよう! 去年の夏祭りと、だいたい配置は一緒だと思うんだよね」

「だろうな」

 夏祭りの出店の配置など、記憶を掘り起こしながら、双子が計画を練る。

 なにより、昨年と変更があったとしても、榊神社が実家である航太に確認をとれば、なんとかなるだろう。

「よし! 計画をまとめたら、二人のスマホに送っとくから!」

「タブレットのデータは消しとけよ。兄貴も使ってるんだから」

「わかってるよ!」

 その後、3人はわいわいと話をすすめ、夏祭り大作戦はの計画は順調に進んだのだった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...