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第二章 抗う種付けおじさん
7 魔性の少女
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夏休みも終わりごろに『その子』は突然来た。
赤い髪を揺らしながら、いつも何か楽しいそうに過ごしている。
椿内あかり。
エッドクエストⅢのメインヒロインの一人だ。
甘え上手のお願い上手で、それでいて気配りのできる魔性の子。
戦う方面としては魔術師の適正を持っていて、特に支援魔術が得意。
見た目も話し方も接し方も刺さる人が多く、人気ランキングで常に上位五位だったりする。
その五年前の姿……まだ幼さが強く残る年齢にも関わらず、既に魔性の香りが強い。
下手をすればジオの祝福が酷い形で発動してしまうほどだった。
救いなのは彼女が俺に対して会話をあまりしてこないことだろう。
まあそれは当たり前だろうなとは覚悟していた。
大好きなお祖母ちゃんの家に遊びに来たら変なおっさんが住み込みしていた、なんて普通に嫌だと思うし、俺が同じ立場なら絶対に嫌がると思う。
それなのに年頃の子にしては受け入れていて、出会ったら挨拶や会釈くらいはして貰えている。
まあこういう距離感が一番ありがたい。
いくらメインヒロインであり、俺が転生者で知識を持っているとはいえ、どちらかというと見守って推していきたいと思っている側である。
もちろん関わらなければならなくなったのなら腹を括るしかないが……原作的にジオが関わる=NTRに繋がっていくことであって、あまり素直に喜べない。
できうることなら、俺はソロで狩猟者や冒険者として稼ぎ、メインストーリーやキャラクター、ヒロインに関わらずに生きていきたいな、と思っている。
それこそが本来のジオの道筋に対する反抗というか、新たな生き方というか。
「やれることを、やるしかないってわけで」
「なにをやるの?」
思わず素振りの手を止めて振り返る。
いつの間にか背後には噂のメインヒロイン椿内あかりが立っていた。
物事に集中しすぎていて全然気づけなかった。
「……あかり、ちゃん? 何か用かな?」
「えーっとね、実はね」
モジモジと照れ臭そうに頬を赤らめながら、上目遣いにこちらを見てくる。
やめなさいメインヒロイン、魔性の女、童貞の絶倫の種付けおじさんに、その攻撃はつらい。
「お祖母ちゃんにプレゼントをしたいの」
(!!)
随分とお祖母ちゃんっ子なんだなと驚いた。
原作の彼女にそんな要素は微塵も見せてくれなかったし、そもそも設定もなかった。
この世界はゲームの世界ではあるが、必ずしも原作に沿っているわけではないのか……?
「……おじさん、聞いてる?」
「え、あ、ああ! 聞いてるよ」
嘘です。ちょっと考え事していて聞いてませんでした。
「それでね! お祖母ちゃんの好きなお花をあげたいんだけど……手伝ってくれない?」
「うーん……」
正直なところメインヒロインにこんな風に誘われるのは、プレイヤーとしてかなりうれしい展開だ。
だが問題がある。
俺が諸々違う道を辿ろうとしていようとも『ジオ』という竿役キャラクターである、という点だ。
これがどんな風に悪影響を及ぼすかわからない……まだ性欲は抑えられているが、それは日常的に対面する女性がシゲさんくらいしかいないからだ。
これが、まだまだ若いとはいえ少女の、しかも公式認定の魔性の女の子と一緒に行動する……なんてことになった場合。
最悪の結果が待っているかもしれない。
そんなことになったら、俺は耐えられる自信がない、色んな意味で。
いまだに未知数なジオの諸々が悪さしないという保証もない。
だが。
「うん、いいよ」
「いいの!? やったあ! ありがとうおじさん!」
だからこそ試金石としては最高なのかもしれない。
この魔性の子と行動して間違いが起きなければ、今後の強い保証になるのでは?と。
ちょっと幼い子で試すようなことになって気が引けるが……これからもジオとして生きていくためには必要不可欠な実験だ。
そもそもメインヒロインに出会ったからって動揺しすぎだと思う。
大丈夫だ、出会っても精々この子だけだろうし。
この子がいる時だけ!……頑張ればいいんだ。
ヨシ!
ご安全に!
だが彼は知らなかった。
その決意と覚悟はものの見事に消え去っていくこと――。
赤い髪を揺らしながら、いつも何か楽しいそうに過ごしている。
椿内あかり。
エッドクエストⅢのメインヒロインの一人だ。
甘え上手のお願い上手で、それでいて気配りのできる魔性の子。
戦う方面としては魔術師の適正を持っていて、特に支援魔術が得意。
見た目も話し方も接し方も刺さる人が多く、人気ランキングで常に上位五位だったりする。
その五年前の姿……まだ幼さが強く残る年齢にも関わらず、既に魔性の香りが強い。
下手をすればジオの祝福が酷い形で発動してしまうほどだった。
救いなのは彼女が俺に対して会話をあまりしてこないことだろう。
まあそれは当たり前だろうなとは覚悟していた。
大好きなお祖母ちゃんの家に遊びに来たら変なおっさんが住み込みしていた、なんて普通に嫌だと思うし、俺が同じ立場なら絶対に嫌がると思う。
それなのに年頃の子にしては受け入れていて、出会ったら挨拶や会釈くらいはして貰えている。
まあこういう距離感が一番ありがたい。
いくらメインヒロインであり、俺が転生者で知識を持っているとはいえ、どちらかというと見守って推していきたいと思っている側である。
もちろん関わらなければならなくなったのなら腹を括るしかないが……原作的にジオが関わる=NTRに繋がっていくことであって、あまり素直に喜べない。
できうることなら、俺はソロで狩猟者や冒険者として稼ぎ、メインストーリーやキャラクター、ヒロインに関わらずに生きていきたいな、と思っている。
それこそが本来のジオの道筋に対する反抗というか、新たな生き方というか。
「やれることを、やるしかないってわけで」
「なにをやるの?」
思わず素振りの手を止めて振り返る。
いつの間にか背後には噂のメインヒロイン椿内あかりが立っていた。
物事に集中しすぎていて全然気づけなかった。
「……あかり、ちゃん? 何か用かな?」
「えーっとね、実はね」
モジモジと照れ臭そうに頬を赤らめながら、上目遣いにこちらを見てくる。
やめなさいメインヒロイン、魔性の女、童貞の絶倫の種付けおじさんに、その攻撃はつらい。
「お祖母ちゃんにプレゼントをしたいの」
(!!)
随分とお祖母ちゃんっ子なんだなと驚いた。
原作の彼女にそんな要素は微塵も見せてくれなかったし、そもそも設定もなかった。
この世界はゲームの世界ではあるが、必ずしも原作に沿っているわけではないのか……?
「……おじさん、聞いてる?」
「え、あ、ああ! 聞いてるよ」
嘘です。ちょっと考え事していて聞いてませんでした。
「それでね! お祖母ちゃんの好きなお花をあげたいんだけど……手伝ってくれない?」
「うーん……」
正直なところメインヒロインにこんな風に誘われるのは、プレイヤーとしてかなりうれしい展開だ。
だが問題がある。
俺が諸々違う道を辿ろうとしていようとも『ジオ』という竿役キャラクターである、という点だ。
これがどんな風に悪影響を及ぼすかわからない……まだ性欲は抑えられているが、それは日常的に対面する女性がシゲさんくらいしかいないからだ。
これが、まだまだ若いとはいえ少女の、しかも公式認定の魔性の女の子と一緒に行動する……なんてことになった場合。
最悪の結果が待っているかもしれない。
そんなことになったら、俺は耐えられる自信がない、色んな意味で。
いまだに未知数なジオの諸々が悪さしないという保証もない。
だが。
「うん、いいよ」
「いいの!? やったあ! ありがとうおじさん!」
だからこそ試金石としては最高なのかもしれない。
この魔性の子と行動して間違いが起きなければ、今後の強い保証になるのでは?と。
ちょっと幼い子で試すようなことになって気が引けるが……これからもジオとして生きていくためには必要不可欠な実験だ。
そもそもメインヒロインに出会ったからって動揺しすぎだと思う。
大丈夫だ、出会っても精々この子だけだろうし。
この子がいる時だけ!……頑張ればいいんだ。
ヨシ!
ご安全に!
だが彼は知らなかった。
その決意と覚悟はものの見事に消え去っていくこと――。
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