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文化祭編
23話「MEMORIES OF NOBODY」
しおりを挟む無事にリセットから自分の勇気で逃れられた新川優希だった。そしてミスコンで朝比奈風夏、早乙女萌、有栖桃花、3人のスピーチを聞いて彼は何を思うのか。ついに文化祭編終幕!!
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こうして、ミスコンは終了した。
どうやら3人は私情を挟みすぎた結果誰1人選ばれなかったらしい‥
「決着付きませんでしたね‥。」
「朝比奈先輩があんな始め方するからですよ!」
「みんながそれに乗ったんじゃない!」
「あの、すいません。」
「優希くん!」
「優希!」
「優くん!!」
「まず風夏先輩、劇見にいけなくてすいませんでした。
後、萌もライブ本当にごめん。
有栖さん、いや桃花本当にごめん、俺‥」
「あのね、優希くん。謝る時は一人一人に謝りなさい?」
「そうですよ~何でもひとまとめにするの優希の悪い所です。」
「優くん、本当あんたはね‥でも本当に良かった。おかえりなさい優くん。」
さっきまで会ってたはずなのに何だか何年も会ってなかったような感覚に陥った。
「本当すいませんでした。あの、この後みんな空いてますか?文化祭終わったらちゃんとみんなに話したい事があって‥」
そう言って俺は放課後3人と会う約束をした。
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「翼!、舞!」
「優希、お前、大丈夫だったか?」
「優ちゃん、良かったよ~」
「ありがとう、本当に迷惑かけたわ、今までずっと。」
「お前後でクラスのみんなにも謝っとけよ~」
「そうだな、とりあえず詳しい話は後でしよう。」
「優ちゃんはクラスの打ち上げくるの?」
「悪い行けないわ」
「そっか‥」
こうして問題だらけの文化祭が終わったのであった。
どうやら最優秀賞はぶっちぎりでロミオとジュリエットだったらしいな。
俺が逃げてる間にも世界はちゃんと動いていたし
逃げる事は絶対悪い事ではないのは確かだが、俺は進む勇気も絶対に無くしてはいけないと思った。
世の中のいう普通ってのは俺には難しくて、当たり前とか、普通とかってのはきっと誰かが物差しで測ってるだけだし自分のことは自分で決めなきゃいけない世の中でだれかの物差しで測るのはそもそもおかしな話である。
俺はずっと自分という小さい箱に閉じ籠って生きてきたんだと改めて気付かされた。
.
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文化祭も無事終わり約束通り俺は3人と会う事になった。
「あの、改めて本当にみんなありがとう。」
「優くんはまたその話か!」
「いや、本題は違う。3人のスピーチ聞いてたんだ。
それで3人に返事をしたくて呼んだんだ。」
「優希くんそれって一人一人呼びつけるものじゃない?」
「それも迷ったんだけど、みんなに聞いてほしいし、ちゃんと言わなきゃなって思ったから。」
「優希がそうしたいなら良いですよ。」
「まず、白雪雫の話からしたいんだけど‥」
「4人目の女まで出てくるの?」
「いや、簡単に話すけど俺が中2の頃傷ついた時に救ってくれたのが雫なんだけど、彼女は実は裏高の3年だったんだよね。で、彼女は自分の事を忘れられる代わりに俺が逃げたくなったらリセットできる力を手に入れたんだよね。」
「優希、ふざけてる?」
「違うんだよ!本気なんだよ、桃花もスピーチの時言ってたろ!で、何故か俺と桃花だけはリセットされてもこの現実世界の記憶をうっすら覚えてたんだ。それで何とかそっちの世界で雫に会える事が出来て今の世界に俺は戻れたんだよね‥」
「私の夢の違和感はそれだったのね‥まあそれって結局は優くんが前に進もうと思ったからそのリセットから逃げ出せたって事なんだよね?」
「そうなんだ。それは結局今までみんなに勇気付けられたからなんだよ。」
キスの事は何故か恐ろしくて言えなかった。
すまん、みんな。
「まあこれについては半信半疑で良いんだけどこっからが本題、一人一人に返事して良いかな?」
「まず、桃花。
本当にごめん、俺勘違いしてたんだね。俺はあの時の記憶が本当に無かったから辛かったことだけ覚えた。トラウマの根本は勝手に桃花だと思ってたんだ。でも違かった、今までネックレス大事にしててくれて本当にありがとう。」
「スッキリしたからもういいよ!」
「次に萌。
おれは萌に勝手に昔の過去を重ねてた。俺は萌をなんとかしてあげて、萌のトラウマも前に進む勇気も全部含めて、萌の事を大事に思ってた。俺の少しの変化にも気付いてくれたりしてて、本当に助けられたなって思ったよ。ファッションとかもさらに好きになれたよ。
ありがとう。」
「優希にこう直接言葉にされると照れるな~」
「最後に、風夏先輩。
あの、俺、高校に入ってから目標があって、翼にとって頼りになるけどバカな親友みたいなものになりたかったんですよね。動機はちょっと変なんですけど、それで空回りして翼に風夏先輩似合うかなとか思ったりしてたんですけど、でも単純に俺、風夏先輩に恋してたんだと思います。
初めて会った時からその優しさとか、ちょっと子供っぽい所とか全部含めてずっと、ずっと好きでした。
あの、こんな俺ですけど良かったら付き合って下さい。」
「え、」
「え?」
「えー!!!!!」
まあそうなるだろう。でもこの歪な関係は俺も好きではないしきっといつまでも1人に決めないでたぶらかす人間にはなりたく無かったのだ。
エゴなのかもしれないけどな‥
「早乙女さん、私達はとりあえず帰るわよ。」
「え、でも、」
「朝比奈風夏、まあ認めてあげる、でも私、優くんの事絶対諦めないからね。」
「そうですね!私も優希に相応しい人になって隙をみて朝比奈先輩から奪っちゃうんだから!」
「ま、勝手に言ってなさい!これが運命なんだから!!」
そう言って桃花と萌は帰っていった。
「あ、あの先輩。」
「優希くん。私の話を少しして良いかな?」
「はい。」
「最初はね、本当些細な出会いだったよね、億恋読んでた優希くんに私が話しかけてさ、億恋のキャラクターと名前同じだなんて知らなくてつい、愛してるなんか言っちゃって、今思っても本当に恥ずかしい‥でも、その言葉を言ったのが、億恋を読んでて話しかけたのが優希くんで良かったな。
いつの間にか友達から好きな人になってたったしね!
私は出会いも別れも全部運命だと思ってるの。
神様が決めたわけじゃないけどその運命が優希くん、あなただったのが私本当に嬉しいんだ。」
「だから、優希くん。
こんな私で良ければお付き合いしてください。」
「はい。俺も頑張ります。」
「どっちかが幸せを与えるんじゃなくて、2人で幸せになろうね。大好きだよ、優希くん。」
こうして俺と風夏先輩はお付き合いをする事になったのであった。
今まで少しばかり遠回りをしていたのかもしれないし、誰かと結ばれるって事は、誰かと解けるのかもしれない。
それでも俺は前に進んで、大好きな人に気持ちを伝えた事が今の俺を作り上げていると確信していた。
.
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「はあ、結局朝比奈先輩かぁ~」
「中学時代は私が上手くいってたのに~」
「でも、私なんか納得しちゃったんですよね、悔しいけど、でも優希が見てる私は恋人ってより妹とか、後輩とか、過去の自分と重ねてるだけで好きとはなんか違かったのかなって‥」
「あんた意外と大人ね‥でもまだあんたも諦めた訳じゃないんでしょ?」
「当たり前じゃないですか!!」
「え?」
「そんな簡単に気持ち変わらないですよ、だって、だって、うぅ‥」
「あんたねぇ‥私だって泣きたいのよ、バカ‥
今日だけは甘やかしてあげるわ‥」
「ごめんなさい‥桃花ちゃん‥」
それぞれの文化祭、それぞれの人生、正解なんて分からないんだ。でも歩いていった先が正解になると信じてこれからも前に進み続けるしかないのだ。
ー文化祭編終幕ー
次回、有栖桃花編へ続く。
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