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第43話『花言葉を知らぬ男の戯言』
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この世界に来てから、遂に高校生になった。
事件が起きるのは俺達が三年となった時らしいが、だからと言って何もしないという訳にはいかない。
準備は大切である。
しかし、現状俺とアーサー達は別行動をしていた。
無論、原因は中学の時のアレである。
そして、俺はアーサー達とは別にコミュニティを作りながら、情報を集めつつ高校三年に向けた準備をしていた。
何も問題は起きていない。
「こんにちは! 今日からこちらに転入してきました。メリアと申します! 宜しくお願いしますね!」
ただ一点。
メリア様が俺のクラスに転入してくるとかいう謎のムーブをかましてこなければ、だ。
俺はとりあえずクラスメイトに囲まれて、笑っているメリア様の手を掴み、教室の外へと連れ出した。
その行動で、クラスから黄色い悲鳴が上がるが、知ったことじゃない。
「どういう事ですか。メリア様」
「どういう、というのは?」
「何故この世界に来たのか。という事です」
「あぁ、その事ですか。それなら決まってますよ。お友達の様子を見に来たのです」
「……アーサーですか?」
メリア様は俺の言葉に、俺の両手を取ってニッコリと笑うと、小さく頷いた。
「勿論ですよ」
「なるほど」
そしてメリア様は俺の手に一輪の花を残して、微笑む。
「これは?」
「あの、ですね。実は私、花の女神なんです」
「そう言えばそうでしたね。これは、どういう花なんですか?」
「これはガーベラになります」
「ほぅ。綺麗な花ですねぇ。ピンク色だし。女の子が好きそうだ。メリア様も好きなんですか?」
「え!? あ、そ、そうですね?」
「何故疑問形……まぁ良いですけど。いやぁ、でも綺麗ですし。俺は好きだなぁ。なんか可愛い感じですよね。って、どうしたんですか? メリア様」
「い、いえ! 何でもありません!」
メリア様は顔を真っ赤にしながら、俺から顔を逸らすが……視線はチラチラと俺を見る。
以前やらかしたが、どうやら反応を見る限り、嫌われてはいないらしい。
それは良い!
それは良いが、なんだ? このラブコメみたいな反応は!
どういうんだ!?
何か俺、発言を間違えたか?
いや、でも、花を貰って、綺麗な花ですね。って言っただけだぞ。
月を綺麗だって言ったわけじゃない。花だ。
もしくは花を綺麗だって言うと、なんかそういう意味になったりするのか?
「あの、メリア様」
「な、なんでしょうか!」
「実は、メリア様は死んでもいいと思ってたりしますか?」
「えぇ!? そんな事、考えた事もありませんよ!!」
「まぁ、ですよねぇ」
やはり違う。
何か遠まわしに告白した訳じゃない。それは分かった。
「ちなみに、俺としては頂いてばかりというのは申し訳ないので、何か送りたいなと思うのですが」
「は、はひ」
「やっぱり、花を頂いた以上は、花を贈りたい訳ですが、メリア様は問題ないでしょうか?」
「そ、それは、勿論! 私も、嬉しいでしゅ。はひ。あ、でも、でも! 覚悟が必要なので、どの様な花を贈るご予定が?」
メリア様に花の種類を聞かれ、俺はふむ。と考える。
が、別に花に詳しくは無いし。何となく知っている花を言ってみるか。
「バラとか?」
「バ、バババ、バラですかっ!」
「いや、そんなに驚かないで下さい。別に凄い数を送ろうって訳じゃないんですよ」
俺は言いながら、何本にするかを考えて、一本貰ったし、二本にするかと決めた。
「二本くらいです」
「に、二本!? 二本ですか!?」
「っ」
酷く驚いているメリア様に俺は失敗したなと思いながら、訂正する事にした。
「あー。ごめんなさい。えと……実は四本贈るつもりだったんですよ。ほら、四本の中には二本も含まれてますし。俺とメリア様で二本ずつ……なんちゃって」
「はぅ!」
メリア様は急に胸を押さえながらキュッと目を閉じていた。
これも駄目か!
「いや、実は六本贈ろうと……「ひゃん!」」
これも駄目か。
というか、冷静に考えると、バラがいけないんじゃないの?
一応確認しておくか。
とりあえず二本ずつ増やすのは駄目そうだし。六本を倍にしてと。
「メリア様。十二本ほどのバラを用意した場合、受け取って頂けますか?」
「わ、私、私は! その、その!!」
アカンな。
これは駄目なタイプだ。
薔薇は駄目。はい。分かりました。
あー。何か花。花。何か知ってる花!
「メリア様はアネモネという花は好きですか?」
「は、はい。好きです」
「ではアネモネを……「タツヤさん!」えと、はい」
メリア様は真っ赤になった顔を両手で覆いながら、手の壁の向こうから話しかけてくる。
「その、アネモネは何色なのでしょうか!」
「アネモネの色……? 赤ですけど」
「ひゃう!」
何? アネモネって色々な色あるの? 赤じゃないの?
そういう意味じゃないのか? どういう事なんだ!!
誰か正解を教えてくれ! もう勝てないぞ!
「はっ! わ、分かりました。メリア様。俺、分かりましたよ」
「……は、はひ」
「俺の一番好きな花はガーベラです。ガーベラ! いやー。メリア様と同じ花が好きだったんですよ。実はね! ガーベラ! 俺も大好き!」
「……」
「とにかく! 今度贈りますから! 話はそれだけです! はい!」
俺はメリア様にそれだけ言うと、さっさと教室へ帰った。
それから少ししてメリア様も教室へ帰ってきたが、フラフラとしており、まるで熱病に浮かされている様でもあった。
風邪か……?
なんて、漫画の鈍感系主人公みたいなボケはかまさないが、結局あれもこれも、何だかよく分からないままメリア様に何かしらの恋愛的なダメージを与えてしまったらしい。
どうなってんのや!!
花を贈るってだけで、どういう意味があるって言うんだ!
まるで意味が分からんぞ!
俺はとりあえずコップを持ってきて、メリア様に頂いた花をクラスメイトに茶化されながらも大事に飾り。
一部行き過ぎた感じの愛情を向けてくる子達が花を奪おうとしてきたので、それをかわしつつ家に帰るのだった。
そして、家に帰ってからは母さんに小さな花瓶を貰い、机の上に花を飾る。
うーん。味気ないテーブルの上に華やかな色が出来たな。
「確かに可愛い花だな。しかし、こうして見てるとなんかメリア様にも似てるような気がする」
「……」
「花屋さんに行けば、お前と同じ奴が見つかるのかねぇ。見つからない場合はどうするか。いっそもうバラを贈るか。本数だけ気にしてた感じだったし。少ない本数は地雷という話がありそうだ」
俺は腕を組みながら、考える。
そして、ポンと手を叩きながら思いついた事をそのまま口にした。
「あれだ! 百本のバラ! 花束よ。これでどうだろうか。完璧じゃなかろうか! いや、待て。百はなんかヤバそうな気配がするぜ。うーん。あ、そっか。百じゃ無ければ良いんだから。99本贈れば良いじゃんか。天才か!」
俺は天才的な発想により、何かしら特別な意味が生まれなそうな本数を選び出し、メリア様に贈るのだった。
ただし、誰にも見つからない様にメリア様を呼び出してこっそりと贈る事にする。
ついでにこの事は内緒ですよ。と言っておいたから、アーサー達にバレる心配も無い。
完璧な作戦だった。
事件が起きるのは俺達が三年となった時らしいが、だからと言って何もしないという訳にはいかない。
準備は大切である。
しかし、現状俺とアーサー達は別行動をしていた。
無論、原因は中学の時のアレである。
そして、俺はアーサー達とは別にコミュニティを作りながら、情報を集めつつ高校三年に向けた準備をしていた。
何も問題は起きていない。
「こんにちは! 今日からこちらに転入してきました。メリアと申します! 宜しくお願いしますね!」
ただ一点。
メリア様が俺のクラスに転入してくるとかいう謎のムーブをかましてこなければ、だ。
俺はとりあえずクラスメイトに囲まれて、笑っているメリア様の手を掴み、教室の外へと連れ出した。
その行動で、クラスから黄色い悲鳴が上がるが、知ったことじゃない。
「どういう事ですか。メリア様」
「どういう、というのは?」
「何故この世界に来たのか。という事です」
「あぁ、その事ですか。それなら決まってますよ。お友達の様子を見に来たのです」
「……アーサーですか?」
メリア様は俺の言葉に、俺の両手を取ってニッコリと笑うと、小さく頷いた。
「勿論ですよ」
「なるほど」
そしてメリア様は俺の手に一輪の花を残して、微笑む。
「これは?」
「あの、ですね。実は私、花の女神なんです」
「そう言えばそうでしたね。これは、どういう花なんですか?」
「これはガーベラになります」
「ほぅ。綺麗な花ですねぇ。ピンク色だし。女の子が好きそうだ。メリア様も好きなんですか?」
「え!? あ、そ、そうですね?」
「何故疑問形……まぁ良いですけど。いやぁ、でも綺麗ですし。俺は好きだなぁ。なんか可愛い感じですよね。って、どうしたんですか? メリア様」
「い、いえ! 何でもありません!」
メリア様は顔を真っ赤にしながら、俺から顔を逸らすが……視線はチラチラと俺を見る。
以前やらかしたが、どうやら反応を見る限り、嫌われてはいないらしい。
それは良い!
それは良いが、なんだ? このラブコメみたいな反応は!
どういうんだ!?
何か俺、発言を間違えたか?
いや、でも、花を貰って、綺麗な花ですね。って言っただけだぞ。
月を綺麗だって言ったわけじゃない。花だ。
もしくは花を綺麗だって言うと、なんかそういう意味になったりするのか?
「あの、メリア様」
「な、なんでしょうか!」
「実は、メリア様は死んでもいいと思ってたりしますか?」
「えぇ!? そんな事、考えた事もありませんよ!!」
「まぁ、ですよねぇ」
やはり違う。
何か遠まわしに告白した訳じゃない。それは分かった。
「ちなみに、俺としては頂いてばかりというのは申し訳ないので、何か送りたいなと思うのですが」
「は、はひ」
「やっぱり、花を頂いた以上は、花を贈りたい訳ですが、メリア様は問題ないでしょうか?」
「そ、それは、勿論! 私も、嬉しいでしゅ。はひ。あ、でも、でも! 覚悟が必要なので、どの様な花を贈るご予定が?」
メリア様に花の種類を聞かれ、俺はふむ。と考える。
が、別に花に詳しくは無いし。何となく知っている花を言ってみるか。
「バラとか?」
「バ、バババ、バラですかっ!」
「いや、そんなに驚かないで下さい。別に凄い数を送ろうって訳じゃないんですよ」
俺は言いながら、何本にするかを考えて、一本貰ったし、二本にするかと決めた。
「二本くらいです」
「に、二本!? 二本ですか!?」
「っ」
酷く驚いているメリア様に俺は失敗したなと思いながら、訂正する事にした。
「あー。ごめんなさい。えと……実は四本贈るつもりだったんですよ。ほら、四本の中には二本も含まれてますし。俺とメリア様で二本ずつ……なんちゃって」
「はぅ!」
メリア様は急に胸を押さえながらキュッと目を閉じていた。
これも駄目か!
「いや、実は六本贈ろうと……「ひゃん!」」
これも駄目か。
というか、冷静に考えると、バラがいけないんじゃないの?
一応確認しておくか。
とりあえず二本ずつ増やすのは駄目そうだし。六本を倍にしてと。
「メリア様。十二本ほどのバラを用意した場合、受け取って頂けますか?」
「わ、私、私は! その、その!!」
アカンな。
これは駄目なタイプだ。
薔薇は駄目。はい。分かりました。
あー。何か花。花。何か知ってる花!
「メリア様はアネモネという花は好きですか?」
「は、はい。好きです」
「ではアネモネを……「タツヤさん!」えと、はい」
メリア様は真っ赤になった顔を両手で覆いながら、手の壁の向こうから話しかけてくる。
「その、アネモネは何色なのでしょうか!」
「アネモネの色……? 赤ですけど」
「ひゃう!」
何? アネモネって色々な色あるの? 赤じゃないの?
そういう意味じゃないのか? どういう事なんだ!!
誰か正解を教えてくれ! もう勝てないぞ!
「はっ! わ、分かりました。メリア様。俺、分かりましたよ」
「……は、はひ」
「俺の一番好きな花はガーベラです。ガーベラ! いやー。メリア様と同じ花が好きだったんですよ。実はね! ガーベラ! 俺も大好き!」
「……」
「とにかく! 今度贈りますから! 話はそれだけです! はい!」
俺はメリア様にそれだけ言うと、さっさと教室へ帰った。
それから少ししてメリア様も教室へ帰ってきたが、フラフラとしており、まるで熱病に浮かされている様でもあった。
風邪か……?
なんて、漫画の鈍感系主人公みたいなボケはかまさないが、結局あれもこれも、何だかよく分からないままメリア様に何かしらの恋愛的なダメージを与えてしまったらしい。
どうなってんのや!!
花を贈るってだけで、どういう意味があるって言うんだ!
まるで意味が分からんぞ!
俺はとりあえずコップを持ってきて、メリア様に頂いた花をクラスメイトに茶化されながらも大事に飾り。
一部行き過ぎた感じの愛情を向けてくる子達が花を奪おうとしてきたので、それをかわしつつ家に帰るのだった。
そして、家に帰ってからは母さんに小さな花瓶を貰い、机の上に花を飾る。
うーん。味気ないテーブルの上に華やかな色が出来たな。
「確かに可愛い花だな。しかし、こうして見てるとなんかメリア様にも似てるような気がする」
「……」
「花屋さんに行けば、お前と同じ奴が見つかるのかねぇ。見つからない場合はどうするか。いっそもうバラを贈るか。本数だけ気にしてた感じだったし。少ない本数は地雷という話がありそうだ」
俺は腕を組みながら、考える。
そして、ポンと手を叩きながら思いついた事をそのまま口にした。
「あれだ! 百本のバラ! 花束よ。これでどうだろうか。完璧じゃなかろうか! いや、待て。百はなんかヤバそうな気配がするぜ。うーん。あ、そっか。百じゃ無ければ良いんだから。99本贈れば良いじゃんか。天才か!」
俺は天才的な発想により、何かしら特別な意味が生まれなそうな本数を選び出し、メリア様に贈るのだった。
ただし、誰にも見つからない様にメリア様を呼び出してこっそりと贈る事にする。
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