9 / 20
第9話『そうであるならば、魔王を消し去る事は簡単です』
しおりを挟む
騎士レオンは魔王の呪いを聞いてからも、負けずにアディへのプレゼントを送った。
しかし、予定していたプロポーズをする様な気にはなれず、日ごろの感謝だと誤魔化してしまうのだった。
それをアディは複雑な顔で聞いていたが、不満そうな顔をしている魔王を見て、小さく息を吐き、その場を終わらせた。
何とも言えない状態である。
だが、そんな状態で居続ける事など出来るはずもなく、翌日レオンはアディと共にかつての仲間を呼び出した。
「それで、レオン。話っていうのは」
「……魔王の事だ」
レオンは集まったメンバーに早速、昨日魔王から聞いた話を伝える。
そして、勇者ルークや他のメンバーに意見を求めるのだった。
「ルークはどう思う? オリヴィアやソフィアも、気になる事があったら言って欲しい」
「まず、僕が気になるのはその話がどこまで信用できるのかっていう所なんだけど、オリヴィアとソフィアはどう思う?」
「私は真実だと思います。恐らくはレオンさんに語った事の全てが」
「うん。そうだね。私もオリヴィアと同意見かな。多分魔王は精霊とか神様と同じ様な存在なんだよ」
ソフィアの言葉に、ルークはすぐに思いついた疑問を口にする。
「精霊や神様と同じ?」
「そう。精霊とか神様ってね。人の信仰で強くなれたり、存在する事が出来るんだけど、多分魔王も同じなんじゃないかな。ただ、精霊とか神様が信仰を柱にしているのと違って、魔王は恐怖を柱にしてるんだよ。人間の恐怖。それが魔王が存在し続ける為の柱なんだと思う」
「……そんな事があり得るのか。想いだけで存在し続ける事が出来るだなんて」
レオンの様に心の底から湧き上がる恐怖を握り締めて、ルークはオリヴィアやソフィアに言葉を求めた。
そしてそれに応える様にオリヴィアが口を開く。
「ルークさんは時の女神様を御存知ですか?」
「うん。確か、西の果てにある小さな国の伝説だよね? 時を操る女神が時間を止めたり進めたり、戻したりして人々を助けたっていう」
「はい。その通りです。そして時の女神イリス様は、かつて女神となる前は幼い人間の少女であったと聞いております」
「っ! まさか。いや、だって、最初に時の女神が現れたのはアルマの奇跡と同じくらいの時代だよ? それが数百年も続くなんて……あり得ない。普通の人間がそんな長い時間を生きられる訳が無い」
「えぇ。だからこそ、彼女は信仰を集め、女神となったのです。そして今もなお、信仰だけで存在し続けている」
「……」
「そして身近な話であれば、アメリア様です」
オリヴィアの真剣な表情に、ルークは何も言わずただ耳を傾ける。
「アメリア様は世界をお救いになった後、多くの人の信仰を集め、精霊になられました。今までに存在していなかった光の精霊に。そしてその信仰が途切れぬ限り、永遠にアメリア様は光の精霊として世界を照らし続けるでしょう。永遠に」
「それと魔王は同じだと?」
「恐らくは。そしてこれでようやく一つの疑問に答えが出ました」
「疑問?」
「はい。魔王の中に、何故光の精霊……アメリア様の気配を感じたのかという疑問です」
オリヴィアの言葉に、すぐさま反応したソフィアはなるほどと頷きながら両手を叩いた。
「そうか。魔王はアメリア様が光の精霊として世界に生まれたから、生まれたんだ」
「その通りです。ソフィアさん」
「でもそうなると難しいな。魔王を滅する方法が無いよ」
「確かに……そうですね。ですが、アメリア様は常に私たちの道を照らして下さいました。これまでも、そしてこれからも。祈りましょう。祈る事で何かしらの答えが……」
両手を握り、祈り始めたオリヴィアをルークは必死に止める
「ちょ、ちょっと待って! オリヴィア。祈る前に、僕にも教えてよ。どういう事なのか」
「そうだな。俺も話に付いて行けない」
「私も」
オリヴィアとソフィア以外の全員が手を挙げ、説明を求めた。
そして、それを確認し、オリヴィアは改めて説明を行うのだった。
「魔王が誕生した切っ掛けは、おそらくアメリア様が行った闇の魔力の完全なる消滅です。あの時、私を含めた全ての人類がアメリア様を光の精霊に押し上げるほどに信仰し、その光に希望を見出しました。アルマ様の奇跡よりも前からずっと、私たちを脅かしていた闇の存在。そんな闇の存在がアメリア様によって完全に消滅したのです。この喜びは計り知れません。そして私たちはアメリア様の救済により、完全な光の世界で生きる喜びを手に入れ、アメリア様の加護さえあれば永遠にこの幸せが続くのだと信じる事が出来ました。しかし……この中で一人でも『もしも』を考えなかった人は居るでしょうか? もし、闇が再び復活したら? アメリア様の加護が消えたら? もし、この幸せが消えたら……と恐怖しなかった人は居るでしょうか? おそらくは居ません。そしてその恐怖を受け、この世界に生まれたのが」
「……魔王」
オリヴィアの言葉に呼応して、ほぼ無意識の内に呟いていたルークは、震える右手を握り締めて目を閉じた。
そう。ルークとて同じなのだ。
アメリアが世界を救済し、初めて闇から自分の身が離れていくのを感じた。
もう二度と闇の中に居なくても良いのだと信じる事が出来た。
そして、だからこそ闇に恐怖した。
その結果がこれという訳だ。
「ですが、そうであるならば、魔王を消し去る事は簡単です」
己の不甲斐なさを感じていたルークは、オリヴィアの強い言葉に思わず顔を上げる。
そして、唇を噛み締めながら、苦しそうに言葉を吐いたオリヴィアに目を見開いた。
「アメリア様の威光を、信仰を地に落とします。アメリア様のお陰で世界が救われたのではなく、アメリア様のせいで、魔王が生まれたのだと、私たちが広めるのです」
「オリヴィア!」
「必要なことです! アメリア様がここに居れば同じ事をしたはずです!! ご自分の事よりも、世界の事をと、常に考えておられました」
「だったら分かるでしょ!? アメリア様が、アメリア様を大好きなオリヴィアの気持ちを踏みにじって、そんな事をする訳が無いって! 何より、そんな事をしたら、自分自身を許せなくなるでしょ? 貴女は」
「それは、そうかもしれませんが、それでも、それが最も良い方法です」
「そんな訳あるか! 聖女オリヴィア! アンタは聖女アメリア様から聖女の名を受け継いだんでしょ! なら全員が幸せになる方法を選びなさい! それに聖女アメリア様なら例えどんな風になろうとも、最期の一瞬まで諦めなかったはずよ。それにね。貴女だけじゃないでしょ。アメリア様に救われた人は。この世界で、本当に多くの人がアメリア様に救われて、感謝して、前向きになれた。こんな世界でも生きたいと思えた。その想いを無視するつもりなの!?」
「……でも、他に方法は」
「いや、ある」
オリヴィアの嘆きに、誰よりも力強く応えたのは勇者ルークであった。
彼は魔王を倒そうと決意した時と同じ、強い眼差しで全員を見つめると、僅かに口元を緩めて笑う。
「みんな、英雄を辞める覚悟はあるかい?」
「……どういう意味だ」
「そのままの意味さ。僕は魔王という存在そのものを消そうと思う」
勇者ルークは意味ありげに笑い、そう皆に告げるのだった。
しかし、予定していたプロポーズをする様な気にはなれず、日ごろの感謝だと誤魔化してしまうのだった。
それをアディは複雑な顔で聞いていたが、不満そうな顔をしている魔王を見て、小さく息を吐き、その場を終わらせた。
何とも言えない状態である。
だが、そんな状態で居続ける事など出来るはずもなく、翌日レオンはアディと共にかつての仲間を呼び出した。
「それで、レオン。話っていうのは」
「……魔王の事だ」
レオンは集まったメンバーに早速、昨日魔王から聞いた話を伝える。
そして、勇者ルークや他のメンバーに意見を求めるのだった。
「ルークはどう思う? オリヴィアやソフィアも、気になる事があったら言って欲しい」
「まず、僕が気になるのはその話がどこまで信用できるのかっていう所なんだけど、オリヴィアとソフィアはどう思う?」
「私は真実だと思います。恐らくはレオンさんに語った事の全てが」
「うん。そうだね。私もオリヴィアと同意見かな。多分魔王は精霊とか神様と同じ様な存在なんだよ」
ソフィアの言葉に、ルークはすぐに思いついた疑問を口にする。
「精霊や神様と同じ?」
「そう。精霊とか神様ってね。人の信仰で強くなれたり、存在する事が出来るんだけど、多分魔王も同じなんじゃないかな。ただ、精霊とか神様が信仰を柱にしているのと違って、魔王は恐怖を柱にしてるんだよ。人間の恐怖。それが魔王が存在し続ける為の柱なんだと思う」
「……そんな事があり得るのか。想いだけで存在し続ける事が出来るだなんて」
レオンの様に心の底から湧き上がる恐怖を握り締めて、ルークはオリヴィアやソフィアに言葉を求めた。
そしてそれに応える様にオリヴィアが口を開く。
「ルークさんは時の女神様を御存知ですか?」
「うん。確か、西の果てにある小さな国の伝説だよね? 時を操る女神が時間を止めたり進めたり、戻したりして人々を助けたっていう」
「はい。その通りです。そして時の女神イリス様は、かつて女神となる前は幼い人間の少女であったと聞いております」
「っ! まさか。いや、だって、最初に時の女神が現れたのはアルマの奇跡と同じくらいの時代だよ? それが数百年も続くなんて……あり得ない。普通の人間がそんな長い時間を生きられる訳が無い」
「えぇ。だからこそ、彼女は信仰を集め、女神となったのです。そして今もなお、信仰だけで存在し続けている」
「……」
「そして身近な話であれば、アメリア様です」
オリヴィアの真剣な表情に、ルークは何も言わずただ耳を傾ける。
「アメリア様は世界をお救いになった後、多くの人の信仰を集め、精霊になられました。今までに存在していなかった光の精霊に。そしてその信仰が途切れぬ限り、永遠にアメリア様は光の精霊として世界を照らし続けるでしょう。永遠に」
「それと魔王は同じだと?」
「恐らくは。そしてこれでようやく一つの疑問に答えが出ました」
「疑問?」
「はい。魔王の中に、何故光の精霊……アメリア様の気配を感じたのかという疑問です」
オリヴィアの言葉に、すぐさま反応したソフィアはなるほどと頷きながら両手を叩いた。
「そうか。魔王はアメリア様が光の精霊として世界に生まれたから、生まれたんだ」
「その通りです。ソフィアさん」
「でもそうなると難しいな。魔王を滅する方法が無いよ」
「確かに……そうですね。ですが、アメリア様は常に私たちの道を照らして下さいました。これまでも、そしてこれからも。祈りましょう。祈る事で何かしらの答えが……」
両手を握り、祈り始めたオリヴィアをルークは必死に止める
「ちょ、ちょっと待って! オリヴィア。祈る前に、僕にも教えてよ。どういう事なのか」
「そうだな。俺も話に付いて行けない」
「私も」
オリヴィアとソフィア以外の全員が手を挙げ、説明を求めた。
そして、それを確認し、オリヴィアは改めて説明を行うのだった。
「魔王が誕生した切っ掛けは、おそらくアメリア様が行った闇の魔力の完全なる消滅です。あの時、私を含めた全ての人類がアメリア様を光の精霊に押し上げるほどに信仰し、その光に希望を見出しました。アルマ様の奇跡よりも前からずっと、私たちを脅かしていた闇の存在。そんな闇の存在がアメリア様によって完全に消滅したのです。この喜びは計り知れません。そして私たちはアメリア様の救済により、完全な光の世界で生きる喜びを手に入れ、アメリア様の加護さえあれば永遠にこの幸せが続くのだと信じる事が出来ました。しかし……この中で一人でも『もしも』を考えなかった人は居るでしょうか? もし、闇が再び復活したら? アメリア様の加護が消えたら? もし、この幸せが消えたら……と恐怖しなかった人は居るでしょうか? おそらくは居ません。そしてその恐怖を受け、この世界に生まれたのが」
「……魔王」
オリヴィアの言葉に呼応して、ほぼ無意識の内に呟いていたルークは、震える右手を握り締めて目を閉じた。
そう。ルークとて同じなのだ。
アメリアが世界を救済し、初めて闇から自分の身が離れていくのを感じた。
もう二度と闇の中に居なくても良いのだと信じる事が出来た。
そして、だからこそ闇に恐怖した。
その結果がこれという訳だ。
「ですが、そうであるならば、魔王を消し去る事は簡単です」
己の不甲斐なさを感じていたルークは、オリヴィアの強い言葉に思わず顔を上げる。
そして、唇を噛み締めながら、苦しそうに言葉を吐いたオリヴィアに目を見開いた。
「アメリア様の威光を、信仰を地に落とします。アメリア様のお陰で世界が救われたのではなく、アメリア様のせいで、魔王が生まれたのだと、私たちが広めるのです」
「オリヴィア!」
「必要なことです! アメリア様がここに居れば同じ事をしたはずです!! ご自分の事よりも、世界の事をと、常に考えておられました」
「だったら分かるでしょ!? アメリア様が、アメリア様を大好きなオリヴィアの気持ちを踏みにじって、そんな事をする訳が無いって! 何より、そんな事をしたら、自分自身を許せなくなるでしょ? 貴女は」
「それは、そうかもしれませんが、それでも、それが最も良い方法です」
「そんな訳あるか! 聖女オリヴィア! アンタは聖女アメリア様から聖女の名を受け継いだんでしょ! なら全員が幸せになる方法を選びなさい! それに聖女アメリア様なら例えどんな風になろうとも、最期の一瞬まで諦めなかったはずよ。それにね。貴女だけじゃないでしょ。アメリア様に救われた人は。この世界で、本当に多くの人がアメリア様に救われて、感謝して、前向きになれた。こんな世界でも生きたいと思えた。その想いを無視するつもりなの!?」
「……でも、他に方法は」
「いや、ある」
オリヴィアの嘆きに、誰よりも力強く応えたのは勇者ルークであった。
彼は魔王を倒そうと決意した時と同じ、強い眼差しで全員を見つめると、僅かに口元を緩めて笑う。
「みんな、英雄を辞める覚悟はあるかい?」
「……どういう意味だ」
「そのままの意味さ。僕は魔王という存在そのものを消そうと思う」
勇者ルークは意味ありげに笑い、そう皆に告げるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる