異界冒険譚シリーズ【ミラ編】-少女たちの冒険譚-

とーふ(代理カナタ)

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第16話『オーロさん。何かお話をしていただけませんか?』 3/3

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「神様……という事はこの世界を創られた神様の事でしょうか」

「その辺りの神話は知らん。が、かつてヤマトは二柱の神によって建国されたと伝えられている」

「二柱……?」

「何を不思議そうな顔をしているんだ。戦いの神と、生命の神の二柱だろう?」

「いえ、私たちの国では神様といえば、命を生み出し、世界を生み出し、力を与えて下さる方なのです」

「つまり、ヤマトと西側諸国で合計三柱の神が居るという事か?」

「それは、どうなんでしょうか。もしかしたら、ヤマトの神様が我らの世界をお創りになった神様と同一という可能性もありますからね。伝説に残る方も、幾人かの伝説が集まって出来た人物という事もありますし。元々はヤマトの神様であったという事……?」

これは是非ともヤマトに行って、神話を確認しなくては。

「おいおい。キラキラした目でシュンを見てるが、ヤマトに行くつもりか? ミラ」

「はい! 是非とも!」

「少々遠いが、良い国だぞ」

「そうなんですね! 楽しみです!」

「ミラ。行くなら行くで構わんがな。ヤマトがどんな国かも分からないんだぞ」

「大丈夫です!」

「東の果てだぞ? しかも地図すら無いような真実果ての果てだぞ?」

「大丈夫です!! 歩くのは得意です!」

「……シュンみたいな奴ばかりの国かもしれないぞ。前の話を聞いただろう?」

「うっ」

私は道行く人が、皆シュンさんの様な人ばかりという世界を思い浮かべて、少し引いてしまった。

いや、シュンさんは悪い人では無いのだけれど、シュンさんはかなり力で解決するタイプの方だから、いっぱい居ると怖いというか、何というか。

「そんなに心配しなくても俺の様な人間は居ない」

「あ、そうなんですね。っていうのも失礼ですが」

「気にするな。俺も自覚はしている」

まぁ、そうか。

流石に。そうだよね。

「俺は口数も少ないし、大人しい方だからな」

「え?」

「は?」

「ヤマトに行けば陽気な人間も多い」

「いや、その……陽気な事は良い事だと思うのですが、皆さん刀を持っていたり、その……」

「あぁ、そうだな。殆どの人間は帯刀しているぞ。それにトラブルがあれば戦って解決だな。勝った奴が正しく、負けた奴が間違えている」

「……」

「ミラ。行くときはよく考えてからにするんだな」

「そうですね」

私は遠くを見ながらそう呟くのだった。
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