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第31話『将来の夢』①
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どうも、こんにちは。
レナちゃんの家に居座り始めてから五年くらいの時間が流れました。
子供の成長は早いもので、レナちゃんはすっかり自分の足で走り回れる様になっており、将来の夢をしばしば口にするようになっておりました。
「レナは騎士になる!」
木の枝を掲げながら、快活に笑うレナちゃんに私は笑みを向けながら心の中でツッコミを入れる。
どうしてこうなった!
おかしい、妙だな。
原作のレナちゃんは、まぁ確かに元気な子ではあったけど、それでも女の子がイメージする女の子らしい女の子という様な。
少女漫画とかに出てくるような普通の女の子であったはずなのだけれど。
そう、あの特徴が無いのが特徴というか。
派手さとかもなくて、ある程度プレイする人間が感情移入しやすいようなキャラクターであった。
少なくとも、村の男の子達をチャンバラごっこで倒してしまうようなヤンチャな子では無かったはずだ。
「囚われのお姫様ごっこしよう!」
だから、私は不意にレナちゃんが言い始めたごっこ遊びを聞いて、チャンスだと思った。
これで、お姫様役にレナちゃんがなれば、騎士側ではなく、お姫様サイドに憧れるのではないかと。
「じゃあ誰が何やるか決めよう!」
「うん!」
「でも、お姫様役はもう決まってるよね?」
お友達の一人が発した言葉に私はうんうんと頷いた。
流石は主人公! やんちゃしていても隠し切れない魅力が……。
「お姫様役は、やっぱりシーラちゃんだよね!」
「そりゃそうでしょ」
「わかるー」
「……は?」
「という訳で決定。私は騎士ね!」
いやいやいや、待って!!
待って欲しい。
そもそもの話。私は別にごっこ遊びで楽しむ様な年齢ではないのだ。
あくまで護衛としてここにいるだけである。
そんな私をごっこ遊びに混ぜるのは、まぁ、良いけど。木の役とかにするべきでは無いだろうか。
演技力とかないし。
いや、そうか! もしかして、アレか!
私の得意技である、いついかなる時もニコニコ笑って座っているだけ。がここにきて悪い方向へ運んでしまったのか。
確かにこの世界のお姫様的存在はニコニコ笑って座っているだけである。
それ故に、私が適任だと思われてしまったという事か!!
何という事だろう! この圧倒的才能がここにきて足を引っ張ってしまうとは!
しかし私は負けない。ここで負けては未来のイケメン達に申し訳ないからね!
レナちゃんの家に居座り始めてから五年くらいの時間が流れました。
子供の成長は早いもので、レナちゃんはすっかり自分の足で走り回れる様になっており、将来の夢をしばしば口にするようになっておりました。
「レナは騎士になる!」
木の枝を掲げながら、快活に笑うレナちゃんに私は笑みを向けながら心の中でツッコミを入れる。
どうしてこうなった!
おかしい、妙だな。
原作のレナちゃんは、まぁ確かに元気な子ではあったけど、それでも女の子がイメージする女の子らしい女の子という様な。
少女漫画とかに出てくるような普通の女の子であったはずなのだけれど。
そう、あの特徴が無いのが特徴というか。
派手さとかもなくて、ある程度プレイする人間が感情移入しやすいようなキャラクターであった。
少なくとも、村の男の子達をチャンバラごっこで倒してしまうようなヤンチャな子では無かったはずだ。
「囚われのお姫様ごっこしよう!」
だから、私は不意にレナちゃんが言い始めたごっこ遊びを聞いて、チャンスだと思った。
これで、お姫様役にレナちゃんがなれば、騎士側ではなく、お姫様サイドに憧れるのではないかと。
「じゃあ誰が何やるか決めよう!」
「うん!」
「でも、お姫様役はもう決まってるよね?」
お友達の一人が発した言葉に私はうんうんと頷いた。
流石は主人公! やんちゃしていても隠し切れない魅力が……。
「お姫様役は、やっぱりシーラちゃんだよね!」
「そりゃそうでしょ」
「わかるー」
「……は?」
「という訳で決定。私は騎士ね!」
いやいやいや、待って!!
待って欲しい。
そもそもの話。私は別にごっこ遊びで楽しむ様な年齢ではないのだ。
あくまで護衛としてここにいるだけである。
そんな私をごっこ遊びに混ぜるのは、まぁ、良いけど。木の役とかにするべきでは無いだろうか。
演技力とかないし。
いや、そうか! もしかして、アレか!
私の得意技である、いついかなる時もニコニコ笑って座っているだけ。がここにきて悪い方向へ運んでしまったのか。
確かにこの世界のお姫様的存在はニコニコ笑って座っているだけである。
それ故に、私が適任だと思われてしまったという事か!!
何という事だろう! この圧倒的才能がここにきて足を引っ張ってしまうとは!
しかし私は負けない。ここで負けては未来のイケメン達に申し訳ないからね!
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