愛され転生エルフの救済日記

とーふ(代理カナタ)

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第37話『特別教室一年の狂戦士』(レナ視点)②

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「平民! 今日こそ、思い知らせてやる!」

「はい雑魚」

「今日の私は一味違うぞ!」

「雑魚の中の雑魚ー」

「今日という今日は決着をつけてやる」

「あれ? おかしいな。何か声が聞こえたんだけど。気のせいかなぁ。ま! 気のせいか! あれ!? こんな所に足ふきマットが落ちてるぞぉー? 靴の裏をよく綺麗にしておこっと」



本当に面倒な話だ。

私はシーラちゃんとの将来の為に頑張っているというのに、それを邪魔するなんて、万死に値するよ。

でも、そんな口だけの雑魚も、ちゃんと五体満足で返してあげる辺り、我ながら優しいなぁと思う次第だ。

「ねぇ。レナ。アンタそれ本気で言ってる?」

「当たり前じゃん」

「……今さ。学園で貴女がなんて呼ばれてるか知ってる?」

「興味ないから知らない」

「特別教室一年のバーサーカーよ。信じられる? バーサーカーよ。狂戦士! 私ならそんな名前付けられたら発狂するわよ」

「バーサーカー、か」

私は食堂でお昼ご飯をヤスミンと食べながら、自身に付けられた名前を聞き、思わず手を止めて考え込んでしまった。

「あら? どうしたの? まさか、ようやく自分がおかしいかもしれないって気づいたの?」

「うん……狂戦士はちょっと、困るな」

「そうよね! そうよ! 良かった! レナもちゃんと女の子だったのね。そりゃあ嫌よね。狂戦士なんて! 可愛くないもんね」

「うん。当然だよ。だって、シーラちゃんは小っちゃくて可愛い妖精って感じだけど、その横に居るのは女神とかの方が相応しいもんね。今度から私の事狂戦士とか言う奴らは全員殲滅しよう。ありがとう。教えてくれて」

「……ふぁ」

「ん?」

「ちがーう! 違うでしょ! なんでそこで殲滅なの!? そういう所が可愛くないんだって! そんな事やったら余計に狂戦士だよ!」

「じゃあ、撃滅の方が良いって事?」

「滅の派生形から離れてくれませんか!? もっとこうさ。言葉でなんとかしようと思わないの?」

「言葉ぁ? めんどくさ。魔法で倒す方が楽だよ」

「楽とか楽じゃないとかそういう話じゃないの! 良い? よく聞きなさい。レナ。アンタ。このままじゃあシーラ様に見捨てられるよ!?」

「えぇ!? どういう事! ヤスミン!! あ、違った。どういう事でございますでしょうか。ヤスミン様」

「いきなり態度変えないでよ。気持ち悪いから」

「四肢を砕いて、魔物の森に生きたまま放置しますわよ?」

「怖い怖い。ニコニコ笑ってとんでもない事言わないで! そんな事したら、私シーラ様に全部言うからね……って、ちょっと? レナ? なんで魔法の準備してるの?」

「今までありがとう。ヤスミン。最高の友達だったよ」

「過去形にしないで!! 分かった! 分かったから!! シーラ様の写真を一枚あげるから!!」

「……うん」

「突然大人しくなったわね。ホント、爆発魔法みたいな子だわ。とりあえずはい。写真」

「ふぁぁぁぁ。シーラちゃんのねむねむな顔だぁ。可愛いなぁ。ちゅっちゅ」

「……アンタがいつかシーラ様を襲うんじゃないかって毎日不安だわ。ホント、止めてよ? 戦争が始まっちゃうから」

「はいはい」

私は適当に返事をしながら写真を大事に懐へしまった。
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